18
20

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

pythonで画像領域分割を実装 (Union-Find)

Posted at

前の記事で少し画像処理を齧って面白かったので、今回は論文を読んで簡単な画像処理を実装してみました。
(以下の画像の様な感じです。)

src dst
sample8.jpg result_sample8.png

今回読んだ論文は割と古め(2004年)でそこまで実装自体は難しそうではなかったのでやってみました。(ただ、論文に掲載されている結果ほどうまく行っていません・・・)

今回のソースコードはgithubに上げてあります。
https://github.com/aratakokubun/GraphBasedSegmentationWithUnionFind.git

画像処理の概要

今回実装したのは画像領域分割の処理で、輝度
結合の条件として、近傍の画素との境界(Edge)を小さい順番に判定して次々と領域を結合していきます。

アルゴリズム

以下の1-5を実行し、結果として独立したComponentのリストを得ます。このComponentが画素同士が結合された領域になります。

  1. 各画素の8近傍(grid)もしくは一定距離内(nearest-neighbor)の画素との境界(Edge)を全て抽出する。
    初期状態では全ての画素が結合されていない状態であり、この各要素をComponentとして扱う。
  2. 各画素に関して、結合の基準として用いる値を計算する。

    例えば、今回の場合は輝度値(luminance)を用いており、輝度の近い画素同士を同じ領域として結合する。
  3. 抽出した各Edgeの差(diff)を計し、diff値の小さい順にソートする。
  4. ステップ5をEdgeの小さい順に繰り返す
  5. Edgeの値が、境界の両側のComponentの内部差(MInt)より小さい場合、2つのComponentを結合して1つのComponentとする。

    ※ このステップはEdgeの結合条件で詳細を記載します。

Edgeの結合条件

ステップ5の結合に関して、Edgeの差diffと、2つのComponent C1, C2の内部差Mintに関して、以下の条件の場合に結合します。

diff <= MInt(C1, C2)

2つのComponentの内部差Mintは以下の様に定義します。

MInt(C1, C2) = min(Int(C1)+τ(C1), Int(C2)+τ(C2))

各Componentの内部差Intは、Componentに今までに結合された境界の最大値をとります。Componentが1画素要素の場合は0になります。(ただし、この記述は厳密には正しくないので、詳しく知りたい方は参考文献1を参照してください。)

また、τはComponentのサイズに応じた境界値関数で、以下の様に定義されます。

τ(C) = k/|C|

kは定数のパラメータで、kが大きいほどEdgeの結合が起きやすく、結果のComponentが大きくなりやすいです。

高速化のためのテクニック

処理を高速化するためにUnion-Findというアルゴリズムを用います。

Union-Findでは集合Sに対して互いに素なSの部分集合を考えます。今回の画像領域分割の処理では、集合Sが画素の集合である画像、部分集合がComponentに該当します。
これをDisjointSetと言い、union, findの操作を以下の様に定義します。

  • union(C1, C2)
    部分集合C1, C2を合併し、新たにC1とする。(Componentを結合するステップ5の処理に該当します。)
  • find(a)
    要素a(画素)が属する部分集合を取得する。

このunion処理の際、各Componentの代表となる要素を1つずつ定義しておき、結合される側(C2)の各要素から結合する側(C1)の代表の要素へリンクを張る様にすることで1つの配列で簡易に処理が実装できます。

また、TreeによるUion-Findを利用することでさらに高速化が可能になります。

実装方法はここでは細かく記載しませんが、Union-Findに関してはかなり詳細な解説が参考文献2に記載されていますので、是非ご参照ください。また、参考文献3では計算量などの解説もありますので、併せてご参照ください。

結果

今回pythonで実装した結果が以下になります。
全ての領域ではなく、領域サイズの大きい上位40を色付けしています。

src dst
sample2.jpg result_sample2.png
sample4.jpg result_sample4.png
sample5.jpg result_sample5.png
sample8.jpg result_sample8.png
sample11.jpg result_sample11.png
sample12.jpg result_sample12.png

今回のソースコードはgithubに上げてあります。
https://github.com/aratakokubun/GraphBasedSegmentationWithUnionFind.git

参考文献

  1. Efficient Graph-Based Image Segmentation

    http://cs.brown.edu/~pff/papers/seg-ijcv.pdf
  2. Union Findの実装

    http://www.geocities.jp/m_hiroi/light/pyalgo61.html
  3. Disjoint-Set Data Structures

    http://ocw.mit.edu/courses/electrical-engineering-and-computer-science/6-046j-design-and-analysis-of-algorithms-spring-2012/lecture-notes/MIT6_046JS12_lec16.pdf
18
20
1

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
18
20

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?