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オンライン登壇とオフライン登壇の違いで学んだこと(英語圏 & ヨーロッパ編)

Last updated at Posted at 2021-12-05

はじめに

どうもー、オーストリア発祥の次世代ヘッドレスCMS、StoryblokでDevRel Engineerをしています、Arisaです。
Qiitaの記事はとても久しぶりに書くのですが、アドベントカレンダーのシーズンなので、書いてみました。

今年の秋くらいから、ヨーロッパではオフラインカンファレンスが開催されるようになっていて、つい先日、初めてオフライン登壇をする機会をいただいたので、オンライン登壇との違いをまとめてみたいと思います。

私の場合、パンデミックになってからDevRelとして働き始めたため、オンライン登壇の経験から入ったタイプのDevRelで、オフライン登壇やカンファレンスの様子を全く知らずにいました。
これまでDevRelやDeveloper Advocateをされてきている方とは逆の経験を持っていることになるので、ちょっとその視点で学んだことを書いてみたいと思います。

登壇するようになったきっかけ

登壇するようになったのは、今年の3月です。
登壇に今年はチャレンジしてみたいと思っていたので、Gatsby Conf 2021でCFPを応募したところ、通ったので、そこからいくつか日本のエンジニアコミュニティの登壇をしていました。

数ヶ月後の5月に、Storyblokの現在の上司からGatsby Conf 2021を見てくれたことがきっかけで連絡があり、現在入社して半年が経ちました。

DevRel Engineerとしてのタスクは、DevRelが複数いるウチの場合、各DevRelに任されていますが、私の場合は、一番のメインタスクはカンファレンス登壇です。
そのため、毎月複数のカンファレンスに登壇するようになり、今のところ、英語圏メインの登壇経験を増やしています。(登壇一覧

そんな感じで登壇するようになりました。

オンライン登壇(英語圏)

DevRelとして働いていますが、私がDevRelになったのはパンデミックが始まってから。
つまり、これまですでにDevRelやDeveloper Advicateとして働いてこられている方とは違って、私の登壇経験はほとんどがオンライン登壇です。

というか、この12月に入って初めてオフライン登壇を経験したので、これまで100%オンライン登壇のみの経験でした。
そこで、オンラインの良さや、オフラインの良さ、デメリットも見えてきました。

Pros

  • 1日で複数のカンファレンスに登壇可能

オンラインカンファレンス登壇の一番の良さは、なんといっても多くのカンファレンス登壇を複数行うことができることになるように思います。

オフラインだと、移動時間や距離の問題で、1日に2つカンファレンス登壇をこなすスケジュールは、日本国内でもかなりハード、もしくはできないのでは?と思います。
私の住むドイツでも、北の端から南の端までは新幹線で8時間以上はかかるので、飛行機でも少し厳しいところがあるかもしれません。

少しでも人柄を通してプロダクトのことも存在を知ってほしい立場としては、なるべく多くのカンファレンスに登壇することは、かなりの価値を持つと私は思います。

  • 登壇する準備だけに集中できる

オンラインの場合は、カンファレンスの会場までの移動準備をする必要がありません。
そして移動時間も気にする必要がありません。

強いて言うなら、タイムゾーンさえ気にすればあとは登壇準備だけで良いので、ヨーロッパ在住のDevRelが私と上司、もう一人のチームメンバーの3人なので、ヨーロッパ圏のカンファレンスはこの3人で回しています。(タイムゾーンが近いカンファレンスの方が登壇しやすいため)
南米や北米圏は1人DevRelがいて、アジア圏は1人新しく入ってきてくれたので、タイムゾーンに応じてチームで回しています。

移動準備や時間がない分、登壇準備だけに集中できるので、他のカンファレンス登壇との予定が詰まっていても、準備時間が多く取れるのはメリットとしては非常に大きいと思います。

  • 登壇以外の時間の縛りがない

自分一人の時間が必ず必要な私にとっては、これはすごくメリットです。
オフライン登壇して思いましたが、オフラインでは朝起きて準備する時間とホテルに戻って寝る時間以外は、四六時中ずっと誰かと接している状態です。

HSP(繊細さん)の私は、このような状態はかなりストレスを感じやすいので、たくさんの新しい人脈が構築できることは、楽しいのですが、ある程度の休憩(1人の時間)の確保が非常に難しいとも思いました。

それがないオンラインでは、登壇時間に登壇すれば終わりというケースが英語圏はほとんどで、after partyもオンラインでは日本のカンファレンスほどサービスもない/利用していないので、登壇の30分〜1時間だけで良いのは、HSPの私のようなタイプのDevRelには、非常にマネジメントしやすく、気に入っています。

Cons

  • 人脈づくりが難しい

メリットにも書きましたが、英語圏のオンライン登壇の場合は登壇の30分〜1時間のみカンファレンスに出れば良いので、新しい人脈づくりには、とても短い時間です。

しかも登壇中の視聴者とのコミュケーションは、チャットかSNSしかありません。テキストベースのコミュニケーションで、これだけ短時間の限られた時間で人脈をオフラインほど広げようというのは、かなりのインフルエンサーであっても、やはりオフラインでできる人脈には敵わないのではないかと思います。

それでもオンラインでなんとなくお互いのことを認知しているという感覚がある人は少しずつ増えていくので、そこから徐々にSNSでの交流や、コミュニティ内での交流、他のカンファレンスでの交流を図るなどして、長期的な人脈を作ることは可能なので、地道に長い目で見た人脈づくりの努力が、オンラインは日々欠かせないなと思います。

  • 自分の持っている機器の管理が配信に与える影響が大きい

オンライン登壇になると、ホームオフィスや契約コワーキングオフィスのセットアップが、配信に与える影響が非常に大きいです。
マイクやカメラは基本中の基本ですが、wifiの接続が意外と有線LANで繋いでいても当日落ちるということはあり得る話です。

もしくは、これはあまりないかもですが、当日使う機器が壊れてスペアがないという場合も実際に起こると怖いです。
買い替えがすぐにでき、手に入るものであれば良いのですが、例えば自分と会社から提供されているマシン両方が壊れてしまって、他にマシンがない場合は当然登壇は困難になると思います。

もしくはwifiのメンテナンスが入った場合も、数日前に連絡は入りますが、自分ではどうにもできないことなので、諦めざるを得ません。(ドイツ、オーストリアは割と多いです。)

  • 隣人の騒音はどうにもできない

自分の家庭内の騒音であれば、ある程度家族の協力を得ることでコントロール可能ですが、隣人の騒音はそうもいきません。
私はまだありませんが、上司の登壇でドリルで穴を開ける音がライブ登壇中に入ったのは見たことがあります 笑

私も他人事では済まないことですし、特にドイツの新しい作りのアパートは騒音対策がずさんなことで有名で、3世帯隣接している私の場合、いつ自分の登壇時に隣人の騒音が入るかと、登壇時はいつもヒヤヒヤしています。

オフライン登壇(ヨーロッパ)

Pros

  • 人脈の広がりがとてつもない

オフラインの最大のメリットと言っても過言ではないと思います。
対面での人脈は、強く短時間で広がります。

SNSで関わりがあるのと、対面でカンファレンスのお互いの登壇を見て食事し、同じ場を共有、テックやテック以外の話もするのとでは、繋がる深さが深まるスピードが桁違いです。

スポンサーとして参加した時と、先日登壇した時の双方でこれは思いました。
そして登壇するとさらに人脈のつながりが広がるので、これもオフラインならではだと思います。

まず、登壇を聞きにきてくれる人たちの顔が見えますし、なんなら登壇前の休憩時間に話をすることも可能ですし、登壇後の質問に対面で答えることも可能です。

そこから話が進み、さらに交流し、と、人脈の広げ方は本当に無限ですし、手段も多いです。
SNSでの交流や配信プラットフォームでのテキストのやりとり以外での交流方法が豊富なオフラインならではだと思います。

スピーカーの特権でもあると思ったのが、私の友人や、カンファレンスで仲良くなった人たちを通して新しい人脈にどんどん入っていけることです。
先日登壇したNDC Osloでは、事前に知っている人がたった2人だけで、そのうち1人は急遽オフライン登壇になったので、ぼっちで回ることになったらどうしようと思っていました。
でも、現地でたまたまホテルの朝食で事前に知っていた友人と初オフライン対面を果たした1秒後に彼女の友人と人脈が広がって、そこから芋づる式にどんどん広がったのは、本当に素晴らしい経験でした。

  • 登壇時の楽しさが桁違い

オフラインの方が緊張するかと思っていたのですが、私の場合は、オフラインの方がスイッチが入るというか、途中からかなり楽しんで登壇できていました。

なんといっても見にきてくれる人たちのリアクションがみれるので、面白いと笑ってくれますし、興味深いとスクリーンを食い入るように見てくれるので、登壇しがいがあります。

インタラクティブに登壇中に質問を投げかける時も、声で反応が返ってくるので、オンラインと比べてかなりインタラクティブにアレンジすることも可能ですし、拍手もしてもらえるので、登壇者としてこれほどやる気がみなぎるボーナスはないと思います。

もちろん、パンデミック中なので、極力コンタクトをひかえたり、マスクを外すのは登壇時(十分な距離をとります)と食事の時のみにするので、握手をしたり、挨拶のハグをしたりというのが制限されるので、いつもより距離感は感じますが、それでも、登壇時の視聴者との距離の近さはオンラインとは比べ物になりません。
(登壇時にマスクを外すのは、日本のカンファレンスで見かける透明なフェイスシールド的なマスクを、ヨーロッパでは見かけないためです。)

  • スピーカー招待イベントがオフラインならではで楽しい

今回登壇したNDC Osloでは、ノルウェーのクリスマスディナーを山小屋レストランでいただくというイベントと、after partyがありました。

どちらも楽しかったですし、他の登壇者との人脈や交流が非常に深まりやすいイベントで、after partyでは登壇者によるstandup comedyやライブもあって、非常に盛り上がりを見せました。

こういうイベントや交流はオンラインでは難しいので、オフラインならではの楽しさだと思います。

Cons

  • 登壇準備以外に、会場までの移動準備や移動時間の縛りがある

私の場合、グローバルに展開しているプロダクトのため、パンデミックでなければ、招待されたカンファレンスは世界中どこでも駆けつけますし、ヨーロッパ圏内の移動はカンファレンス登壇以外でも仕事で行くことがあります。

ヨーロッパ内は、国境を超えることがとても簡単なので、本社のあるオーストリアにも行く機会があったり、スポンサーをしているカンファレンスに出向くこともあります。

スポンサーしているカンファレンス(ドイツ国内)と、先日登壇したカンファレンス(ヨーロッパ圏内)で思ったことは、移動距離が近い遠いに関わらず、スーツケースに荷物を詰めたり、移動手段のチケットの確認、会社側でチケットや宿泊先の事前手配は必須です。

そして一番のデメリットは、遅延です。
ドイツ国内であっても、ヨーロッパ内であってもこれは起こります。しかもパンデミックの現在、遅延が起こる頻度は多く、フライトキャンセルも多いです。

先日NDC Osloに登壇するためにノルウェーのオスロの便に乗っていたのですが、本来であればトータルの飛行時間は3時間程度なのですが、なんと合計7時間以上の遅延によるトランジット待ち時間の影響がありました。
朝の7時に家を出て、夜の22時に現地に到着したので、非常に疲れましたし、その日のカンファレンスには参加できなくなってしまいました。

登壇には間に合いましたが、カンファレンス初日の人脈を作る大事なタイミングを逃してしまったのは非常に残念でしたし、これは私の力ではどうすることもできません。

このようなアクシデントももちろん起こりうるので、登壇準備は出発前に完璧にしておく必要があります。
オンライン登壇でも事前に余裕を持った登壇準備や録画の提出をするようにしていますが、オフラインはさらに事前に動く必要があるので、そこは少し慣れが必要かなとも思います。

  • 現地の機器の影響で、demoなどが全てできない場合がある

基本的に自分のマシンと、ある程度の接続機器は持っていきますが、登壇時には当然現地でのスクリーンやモニター、接続機器、マイクを使うことになります。
細かいことで言えば、wifiも現地のものに接続します。

ちょうど他の登壇者のトークを見ていたのですが、普段使わないマシンを持ってきていたのか、詳しいことはわかりませんでしたが、demoが披露できないケースを見かけました。

demoはナマモノなので、当日のハプニングや動かないということはよくあると認識していますが、その方の場合、登壇の初めの5分以上がテクニカルな問題の解決に費やされ、demo部分は諦め、残りのスライドで勝負という形になってしまいました。

トーク自体は結果非常に面白い内容でしたが、私のようなdemoで実際にライブで動くものを見たいというタイプのエンジニアには物足りなかったと思います。

もし、このような自体が自分の登壇で起こったらと思うと、結構怖いです。
一緒に行動していた会社つながりの交流がある友人は、demo部分を動画で事前に録画しておいて、当日はdemoの部分はそれを流すようにして対策していました。

少し手間ではありますが、次回のオフライン登壇からはライブdemoを基本はする前提で、アクシデント発生時のために、demo部分の録画動画も用意しておこうと思いました。

  • 現地の食事調整が意外と大変

個人的なことですが、オフラインの場合、登壇時間がその日のカンファレンス最後の登壇で、登壇後にエクスポエリアで食事を済ませようと思っていたら、全ての食事が片付けられていたということがありました。

数日間行われるカンファレンスで、カンファレンス最終日以外で食事提供スケジュールが変わるというのは計算外でした。

それだけなら良いのですが、しかもそこでafter partyのバーに全て変わってしまっていたので、空腹のままお酒が入ることになります。
アルコールフリーを選ぶなどの選択肢はもちろんありますが、まとめて一緒に行動している人たち分のビールなどを持ってこられた場合などは、断りにくいです。

結局、その日はアルコール類のつまみを会場でなんとか見つけ、自分で非常時に備えて持ってきていたシリアルバーやドイツの乾パンを、after party後にホテルの部屋に戻って食べるという選択しかありませんでした。
到着時間が真夜中だったため、会場近くを散策する時間がなく、またオスロの寒さは夜に徒歩で何かを探すのは厳しい温度だったため、結構な予想外が重なりました。

私を含め、一緒に行動していた友人は、ヴィーガンやベジタリアンというわけではありませんが、食事制限が健康上の理由であるため、アルコール類のつまみが食べられず、さらに大変そうでした。

まとめ

私なりのオフライン登壇初の経験を終えてのオンライン登壇とオフライン登壇の違いをまとめてみました。
私のようにパンデミックになってからDevRelとして働き始めた方もいらっしゃるかと思ったので、少しでも1つの例としてお役に立てれば嬉しいです。

日本のオフラインカンファレンスにも、いつか登壇するのが目標なので、それまでのメモがてらにもまとめてみました。
海外カンファレンス登壇の情報を探している方にもお役に立てれば嬉しいです。

ではー。

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