最近ICO、ハードフォークそして、相場の話題が中心となっているブロックチェーン界隈ですが、最近あまり話題に上がらなくなってきたDAOについて書きたいと思います。自分がDAOを実現したことはまだありませんが、DAOについて普段から思っていることをまとめてDAOをつくる要件を書き出してみました。

DAOとは

DAOとは、Decentralize Autonomous Organizationの略で、日本語では自律分散型組織と訳されます。簡単に言うと、中央に人や会社がいなくても、そして参加者が離れてたところに存在していても、自律的に運営し続けられる組織です。それでは、どうしてこのような組織が回るのか、というところを解説したいと思います。

自律するために必要なもの

まずDAOを実現するためにテクニカルに必要なものを書いていきます。

最初にこの組織が自律して運営できるだけのルールが必要です。そして、このルールはコードとして明文化することになります。さらに、コードを書くコミュニティが必要になります。このコミュニティーで合意がDAOの運営には欠かせません。

また、コードを実行する場所も必要です。このコードでは契約と履行(お金の移動)を同時に管理する必要があります。個人のPCのローカルなど信頼できない場所で実行するのではなく、信頼できる場所で実行する必要があります。実行結果も保証される必要があります。そこでブロックチェーンで白羽の矢が立つのがブロックチェーンです。

ブロックチェーン

ビットコインのブロックチェーンはあまりプログラマブルな構造になっていないためなかなか難しいのですが、Ethereumのスマートコントラクトは、チューリング完全でしかも実行結果を信頼できる場所に保管できるため、コードの実行環境としてはDAOの要件を満たしています。しかし、忘れてはならない重要なピースが一つあります。それは、穴のないスマートコントラクトのコードです。スマートコントラクトは一度デプロイすると取り返せません。穴が開いていると一生放置されてしまいます。どんな素敵なルールでも、穴を突かれてしまってはおしまいです。The DAOの事件では、その穴を突かれて大きな金額が盗み出されしまうという大きな事件になってしまいました。

ここららは、まだ自分の中では仮説なのですが、もう一つ、ブロックチェーンに対する要求事項が有るのではないかと思っています。それは、パブリックチェーンでないと成り立たないであろうということです。パーミッションドや、プライベートチェーンでは、企業や組織がブロックチェーンを持つことになり、その企業や組織しかブロックチェーンに参加できないため、自律の妨げとなります。例えば、その企業や組織が撤退ししまったら、DAOを存続させることができません。しかしパブリックであれば、意志があるものが参加し続けることにより、DAOは継続されます。よって、パブリックチェーンでないとDAOにはならないのではないかと考えています。

マルチサイドプラットフォーム

また、DAOを実現するためには、ビジネスサイドにも要件があります。DAOが実現できるということは、何かの売買が売り手と書いての間でデジタル完結で自由に行われている状態になっていることが必要です。途中で人手を介さないと売買できないようなものをDAO化するには、コードで完結して表現できないものが混ざってしまうため、実現はなかなか難しいと思います。特に、なにか人による裁定が必要なものはかなり難易度が高いでしょう。例えば、提供されるサービスは機械によるもののほうがDAO化しやすです。

DAOを目指して取り組んでいるプロジェクト

Slock.it

DAO化を目指しているというよりは、DAOを実現する手段として現物の鍵をスマートロックに置き換え、鍵を開ける権利をブロックチェーンで管理するというアプローチのSlock.itはDAOへ向けた大きなチャレンジといえます。

ArcadeCity

ライドシェアをDAOでと目指していますが、中央集権ではないものの、クルマと運転手が絡むため、契約の履行されたことをデジタルで表現することに課題が有るでしょう。完全デジタル完結はしないものの、プラットフォーマー不在で、ライドシェアを回すという取り組みは、DAOを実現するにあたり大きなチャレンジといえます。

WindingTree

旅行業界のDAOを目指すWinding Tree。空き室の登録と予約を行うなど今までの代理店の業務をDAOにしてしまい、旅行における中間搾取をなくし、消費者にもメリット与えたいという、とてもチャレンジングなプロジェクトです。

今後の展開

2017年時点、DAOの形態としてそこそこ成功しているのはビットコインぐらいでしょう。しかし、ビットコインも仕様に対する合意形成において問題がおきており、合意できなかったらハードフォークで分裂し、新たな通貨がつぎつぎと生まれています。この状態を大成功といえるかどうか、微妙なところです。このとことから、一般的なDAOに対しても、合意形成に失敗すると「分裂が起こる」可能性があるという見本になっているのではないでしょうか。

2018年も、DAOに対する挑戦は続くでしょう。まだまだ、実験段階は続くと思いますが、2019年頃にはいい線いくものが現れるかもしれません。特に、シェアリングエコノミー関しては、その仕組みの理解がもっと多くのユーザーの間で進めばDAO化しやすいプラットフォームです。こういったやりやすいところで、成功に近い事例が生まれていくでしょう。

最後に、個人的にはDAOとして成功できるプロジェクトはICOも成功すると考えています。DAOが回る経済モデルができていれば、ICOで最初に回ったお金も循環することができるため、長きに渡り経済の循環が起きます。この循環こそが、DAO、ICOの成功の鍵になるのではないでしょうか。

まとまりきっていませんが、DAOにはAIと同等かそれ以上の破壊力をもつ可能性があるものです。人類がそして、我々がこれを使いこなせるようになる日を夢見て、締めたいと思います。