以下のように特定のキーワードによって処理を変えたいメソッドがあったとします。
# time_of_day(時間帯)によって適切な挨拶を返すメソッド
# time_of_dayの値は morning, night, daytime の3つ
# morningの場合はgood morning
# nightの場合はgoodbye
# daytimeの場合はhello を返す
#
def greeting(time_of_day)
case time_of_day
when 'morning'
'Good morning'
when 'night'
'Goodbye'
when 'daytime'
'Hello'
else
'Invalid time of day'
end
end
# メソッドのテスト
puts greeting('morning') # => Good morning
puts greeting('night') # => Goodbye
puts greeting('daytime') # => Hello
puts greeting('evening') # => Invalid time of day
このtime_of_dayの値によって処理を分けている所で、もし引数の値がアプリケーションの外からの入力値になるので文字列でないといけないなどの特別な理由が限り、文字列ではなくシンボルを使った方がいいよという話です。
def greeting(time_of_day)
case time_of_day
when :morning
'Good morning'
when :night
'Goodbye'
when :daytime
'Hello'
else
nil
end
end
# メソッドのテスト
puts greeting(:morning) # => Good morning
puts greeting(:night) # => Goodbye
puts greeting(:daytime) # => Hello
puts greeting('evening') # => nil
理由は単純で、文字列としての機能が必要ないのであれば、シンボルの方が効率的だからです。
シンボル(Symbol)は同じ値は同じオブジェクト、文字列は違うオブジェクト
Helloという同じ値の文字列と同じ値のシンボルのobject_idを確認した場合のキャプチャが以下になります。
このように'Hello'
は実行するたびにobject_idが違う、つまり違うオブジェクトを毎回生成しているということですが、:Hello
は同じobject_idなので、一度作ったものを再度使い回していることがわかります。
このコードがプロセスを立ち上げた後に100万回実行されたら100万個分のメモリが必要になるか、一個で済むかでメモリ使用量は大きく変わってしまいます。
オブジェクトで利用するメモリ量もシンボルの方が格段に少ない
ObjectSpace
というモジュールを使うとそのオブジェクトで利用しているメモリサイズがわかるので、それを使って文字列とシンボルのメモリサイズを比較してみます。
memsize_of
というメソッドは引数で与えられたオブジェクトのメモリサイズをByteの整数(Integer)で返すメソッドです。
同じことを表現している文字列とシンボルでもメモリ使用量が大きく違いますし、文字数が増えると文字列の場合はそれに合わせてメモリ利用量も増えますが、シンボルは変わりません。
これはシンボルが内部的には数値と同じ扱いになっているためかなり軽量になっているようです
まとめ
このようにシンボルと文字列はメモリ使用量において大きな差があり、シンボルで事足りる場合はシンボルを使った方が効率的になります。
正直シンボルでもいいところを文字列にしたところで、バグは出ないだろうしGCも発達しているのでこれが原因でアプリケーションに問題が出るようなことはほぼないと思います。
しかしアプリケーションを運用していてメモリ使用量が大きくなってきたときにコードを精査してこの修正を加えていくのはかなり面倒臭いので、息を吸うように使い分けできるようになるのがいいかなーと思います。
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