はじめに
電気主任技術者試験は、電気関係の仕事をしている方にとってかなり認知度の高い試験である。
電験3種は、そのような試験の登竜門として存在する。合格の方法の一つに科目合格制度を活用するといった手もある。
これは、3年間しか有効ではない。そこで、今回は科目合格制度が導入された前後で合格率がどのように変化したのかを調査しグラフ化する。
#データセット
以下の公式HPのデータを使用した。(昭和60年度から令和3年までのデータである。)
人数の変化
まず、絶対値(受験人数)の推移を調査した。ところ以下のようなグラフになった。
科目合格制度が導入された平成7年(1995年)前後で受験申込者数が大幅に増加していることが分かる。これは、当時において新制度の導入により注目が高まったため、若しくは需要の増加のためといったことが考えられる。
割合の変化
次に、受験者数を受験申込者数で除した受験率、合格者数を受験者数で除した(全科目)合格率、科目合格者数を受験者数で除した(科目合格者数)についての推移を以下のようにグラフ化した。
これにより、新制度が導入された直後では、受験率と合格率が微増しているのが分かる。これは、試験が新方式により例年と比較して解きやすくなったことによるものと考えられる。
一方で、以降では、科目合格率は、急激に減少して合格率、受験率も一定水準に落ち着いた。したがって、CBT試験が採用された令和3年以降にももしかしたら同様な傾向がみられるかもしれない。
まとめ
今回は、電験3種試験において科目合格制度が導入された前後における合格者数の推移等をグラフ化した。これにより、電験3種試験では新方式になる年度前後で問題の傾向や難易度が大幅に変化し受験者数が、変化する可能性がある。