はじめに

npmでインストール可能なモジュール（パッケージ）のなるべく最小構成の作成方法が中々見つからなかったので、簡単にまとめました。

環境

Node.js 12.16
npm 6.14

ファイル構成

npmパッケージには、1つのディレクトリ内にモジュールのソースコードセット、package.json、エントリーポイントとなるjsファイル（今回はindex.jsとする）の3種類が必要となる。

今回の例としては、ディレクトリをmodtest、モジュールのソースコードをサブディレクトリlibの配下に2種類(hello.js, hello2.js)、index.jsとします。

modtest/
- lib/
  - hello.js
  - hello2.js
- index.js
- package.json

モジュールの作成

1. ディレクトリ作成

空のディレクトリ（今回はmodtest）を作成しておきます。

2. package.jsonの作成

空のディレクトリへ移動し、npm initコマンドを実行します。

npm init

対話式にモジュール名、バージョン番号等のパッケージ情報を尋ねられるため、必要事項を入力すると、同ディレクトリに下記のようなpackage.jsonが作成されます。

package.json

{
  "name": "modtest",
  "version": "1.0.0",
  "description": "The test modules for npm.",
  "main": "index.js",
  "scripts": {
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1"
  },
  "author": "aqmr-kino",
  "license": "ISC"
}

3. ライブラリモジュールの作成

3.1 モジュール作成

モジュール化する対象のコードを作成します。
今回はサンプルとして関数1個（hello）とクラス1個（Hello）を作成します。

各ファイルの最後にmodule.exportsを使用して外部からアクセス可能とする関数を設定します。（exportした関数やクラスのみがpublicな関数やクラスとして公開されます）

lib/hello.js

function hello() {
    return "hello"
}

module.exports = {
    hello,
}

lib/hello2.js

class Hello {
    constructor(v) {
        this.value = v;
    }
    hello() {
        return ("hello, " + this.value);
    }
}

module.exports = {
    Hello,
}

3.2 メインモジュール作成

パッケージのメインファイルとなるjsファイルを作成します。
今回は、index.jsという名前で作成していますが、package.jsonのmainに記載するファイル名を変更することで変更可能です。
モジュールを利用するファイルからrequireで読み込んだ場合に実行されるスクリプトで、基本的にはライブラリモジュールを読み込んで、任意の名前で再度exportしておきます。（このファイルでexportされた識別子がモジュールを利用するコードから呼び出すことができる要素となります）

index.js

const hello = require('./lib/hello.js')
const hello2 = require('./lib/hello2.js')

module.exports = {
    hello,
    hello2,
}

モジュールのインストール

上記の各種ファイルセットを作成後、npm installコマンドでpackage.jsonがあるディレクトリを指定することで、パッケージとしてインストールすることが可能です。

ローカルのディレクトリから

npm installコマンドで作成したモジュールセットの格納されたディレクトリを指定することでモジュールとしてインストールすることができます。

npm install ./modtest

GitHubから

上記のファイル構成をGithubのリポジトリとしては登録しておけば、npm installでコマンドでgit+リポジトリのURLを指定することによりインストールすることもできる。

npm install git+https://github.com/user_name/repository_name.git

インストールしたモジュールの使い方

npmでパッケージとしてインストールしたモジュールは一般的なnpmパッケージと同様にrequireで読み込み、パッケージ内でexportされている各関数やクラスを利用することができる。

main.js

const modtest = require('modtest')

// helloメソッド（hello.js内）
console.log(modtest.hello.hello())

// hello2.Heloクラス（hello2.js内）
var h = new modtest.hello2.Hello("test")
console.log(h.hello())

npm installでインストールできるモジュールを作るまでの流れについて