🔍 概要
パソコンの性能やスペックを確認したいとき、いちいち設定画面を開かなくても、コマンドプロンプトやPowerShellから数行のコマンドで一瞬で調べることができます。
この記事では、職場・授業・トラブル対応時に役立つ「最低限覚えておきたいWindowsコマンド」を紹介します。
Windows 11 24H2以降の新仕様（WMICの非推奨化）にも対応済みです。
✅ 必須コマンド一覧（コマンドプロンプト編）
1. OSのバージョンやビルド情報を確認
systeminfo
または、OS情報のみ抽出する場合：
systeminfo | findstr "OS"
🔹 確認できる主な情報
- OS名（例：Microsoft Windows 11 Pro）
- バージョン・ビルド（例：10.0.22621 ビルド 22621）
- システムモデル
- BIOSバージョン
- システム起動時間
- メモリ容量（物理・仮想）
2. CPU名とコア数を確認
wmic cpu get name,NumberOfCores,NumberOfLogicalProcessors
🔹 出力例
Name NumberOfCores NumberOfLogicalProcessors
Intel(R) Core(TM) i7-1165G7 4 8
3. メモリ（RAM）容量を確認
systeminfo | find "物理メモリ"
🔹 出力例（MB → GB換算）
- 物理メモリ合計：32,768 MB（≒ 32 GB）
- 利用可能メモリ：24,576 MB（≒ 24 GB）
4. ストレージ容量とタイプ（SSD/HDD）を確認
wmic diskdrive get caption, size, MediaType
🔹 出力例（GB換算）
Caption MediaType Size
CT1000MX500SSD1 Fixed hard disk media 1000202273280 → 約931.5 GB
⚠ Windows 11 バージョン 24H2以降では WMIC は廃止方向に
2024年以降の Windows 11 Version 24H2 では、wmic コマンドがデフォルトで無効化されています。
これはセキュリティ上の懸念により、WMICが非推奨となり将来的に廃止される予定だからです。
✅ PowerShell版の代替コマンド
WMICが使えない環境では、PowerShellのコマンドレットを使うのが推奨されます。
| 情報種別 | PowerShell版の代替コマンド | |
|---|---|---|
| OS名 | `Get-CimInstance Win32_OperatingSystem | Select-Object Caption` |
| CPU名とコア数 | `Get-CimInstance Win32_Processor | Select-Object Name, NumberOfCores, NumberOfLogicalProcessors` |
| メモリ容量 | `Get-CimInstance Win32_ComputerSystem | Select-Object TotalPhysicalMemory` |
| ストレージ | `Get-PhysicalDisk | Select-Object FriendlyName, MediaType, Size` |
🔧 WMICが使えないときの対処法まとめ
- PowerShellコマンドレットを使う（推奨）
-
WMICを一時的に再インストールする（非推奨）
設定 → オプション機能 → 「WMIC」を追加
またはPowerShellで以下を実行（Server Coreなど）：
Add-WindowsCapability -Online -Name "WMI-Command-Support"
-
管理者権限でコマンドプロンプトを起動する
一部のwmicコマンドは管理者権限が必要です。
🧑💻 実習・授業での活用例
- 研修時の初期スペック確認・記録に
- 増設や交換作業のビフォーアフター比較に
- PCトラブル時の事前調査として
- スペック表作成・報告書提出の補助にも便利
✅ コピペ用まとめ（コマンドプロンプト）
systeminfo
systeminfo | findstr "OS"
systeminfo | find "物理メモリ"
wmic cpu get name,NumberOfCores,NumberOfLogicalProcessors
wmic diskdrive get caption, size, MediaType
✅ コピペ用まとめ（PowerShell）
Get-CimInstance Win32_OperatingSystem | Select-Object Caption
Get-CimInstance Win32_Processor | Select-Object Name, NumberOfCores, NumberOfLogicalProcessors
Get-CimInstance Win32_ComputerSystem | Select-Object TotalPhysicalMemory
Get-PhysicalDisk | Select-Object FriendlyName, MediaType, Size
🏁 まとめ
「このPC、どんなスペックだっけ？」
→ その答えは systeminfo と PowerShell に聞け！
環境によって wmic が使えないこともありますが、代替手段さえ押さえておけば問題ありません。
たった数行のコマンドで、現場での信頼度がグッと上がります。