■ QAエンジニア と テストエンジニアについて
はじめに
・品質保証(QA)は、ソフトウェア開発の成功に欠かせないプロセスであり、
ソフトウェアの品質を確保する上で中心的な役割を果たすのが、
QAエンジニアとテストエンジニアです。
・一見似ているように思えるこの二つの役割ですが、
実際には異なる視点から品質保証に取り組む違いがあり、
本記事では下記内容について解説します。
-> それぞれの特徴と責任範囲
-> ウォーターフォール開発とアジャイル開発における役割の違い
■ QAエンジニアとテストエンジニアの基本的な違い
■ QAエンジニア
・製品全体の品質に焦点を当て、
製品の企画からリリース後のフィードバックまで全工程を管理する
・単なるテスト実行を超えて、下記のような役割がある
-> 品質基準の設定
-> 品質管理プロセスの改善
-> 開発ライフサイクル全体を通じての品質保証
■ テストエンジニア
・主にテスト活動全般に集中し、様々なテスト手法や技術を駆使して以下の役割を果たす
-> テストケースの設計
-> テストの実行
※ 結果の分析が主な業務であり、設定された品質基準に基づいてテストを実施
※ 主には、開発後期のテスト段階に重点を置いている
■ 責任範囲の比較
・QAエンジニアの責任範囲:
-> 品質保証戦略の立案と実施
-> 品質指標の設定と監視
-> プロセス改善の提案と実施
-> リスク分析と管理
-> ステークホルダーとのコミュニケーション
・テストエンジニアの責任範囲
-> テスト計画の作成
-> テストケースの設計と実行
-> バグの報告と追跡
-> テスト自動化の実装
-> テスト結果の分析と報告
■ 開発手法による役割の違い
■ ウォーターフォール開発モデルにおける役割
・ウォーターフォール開発モデルは、順序立てた段階的なアプローチを取る
このモデルにおいて:
QAエンジニア
-> プロジェクトの初期段階から関与し、要件定義や設計段階でのレビューに参加
-> 全体的な品質保証計画を策定し、各段階での品質基準を設定
-> テスト計画の承認や、最終的な品質評価を行う
テストエンジニア
-> 主に開発段階の後半で活動
-> 詳細なテスト計画を作成し、テストケースを設計
-> システムテストや受け入れテストを実行し、バグを報告
■ アジャイル開発モデルにおける役割
・アジャイル開発は、反復的で柔軟なアプローチを取る
ただし、QAエンジニアとテストエンジニアの境界がより曖昧になる傾向がある
QAエンジニア
- 各スプリントの計画段階から参加し、品質基準の設定に関与
- 継続的な品質モニタリングと改善を行う
- 品質を後付けではなく、
開発の初期段階から考慮する文化を推進するため、開発チームと密に協力
テストエンジニア
- 開発者と密接に協力し、各テスト戦略を立てる
- 継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)パイプラインにテストを組み込む
- 自動化テストの開発と維持に重点を置く
まとめ
・QAエンジニアとテストエンジニアは、
ソフトウェアの品質を保証する上で重要な役割を果たしています。
- QAエンジニアは、より広範囲で戦略的な役割を担う
- テストエンジニアは、具体的なテスト活動に焦点を当てている
・開発手法の違いにより、
具体的な業務内容や関与の仕方は変化しても、品質を重視する姿勢は変わりません。
- ウォーターフォール開発モデルでは、
QAエンジニアとテストエンジニアの役割がより明確に分かれる傾向がある
- アジャイル開発モデルでは、
QAエンジニアとテストエンジニアの協力がより密接になり、
境界線が曖昧になることがある
つまり、効果的な品質保証には両方の役割が必要であり、
プロジェクトの性質や組織の構造に応じて、
適切なバランスを取ることが重要だと思います。
「■ テスト技法:ブラックボックステスト」へ続く
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