DS協会のデータサイエンティストスキルチェックリストがver.5.0になっています。
昔の記事、
を更新しつつ新たに「ビジネス力」についても推薦書籍を紹介します(Qiitaで「データサイエンティスト」というと「ビジネス力」について言及している記事が極めて少ないですが、多くのPJがここで頓挫するので)。
- 今後「データサイエンス力」についても記事を作成予定です
スキルチェックリストver.5.0「ビジネス力」の「必須項目」に絞っています。
- 全体像
- 各論
スキルカテゴリ | サブカテゴリ | スキルレベル | チェック項目 | 推薦書籍 |
---|---|---|---|---|
行動規範 | ビジネスマインド | ★ | ビジネスにおける「論理とデータの重要性」を認識し、分析的でデータドリブンな考え方に基づき行動できる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
行動規範 | ビジネスマインド | ★ | 「目的やゴールの設定がないままデータを分析しても、意味合いが出ない」ことを理解している | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
行動規範 | ビジネスマインド | ★ | 課題や仮説を言語化することの重要性を理解している | |
行動規範 | ビジネスマインド | ★ | 現場に出向いてヒアリングするなど、一次情報に接することの重要性を理解している | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
行動規範 | ビジネスマインド | ★ | 様々なサービスが登場する中で直感的にわくわくし、その裏にある技術に興味を持ち、リサーチできる | Qiita記事を読んでいる人はここはクリアしているでしょう! |
行動規範 | ビジネスマインド | ★★ | 作業ありきではなく、解決すべき課題(イシュー)ありきで行動できる | |
行動規範 | ビジネスマインド | ★★ | 分析で価値ある結果を出すためには、仮説検証の繰り返しが必要であることを理解し、粘り強くタスクを完遂できる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
行動規範 | ビジネスマインド | ★★★ | プロフェッショナルとして、作業量ではなく生み出す価値視点で常に判断・行動でき、真に価値あるアウトプットを生み出すことにコミットできる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
行動規範 | データ・AI倫理 | ★ | データを取り扱う人間として相応しい倫理を身に着けている(データのねつ造、改ざん、盗用を行わないなど) | これは本を読むようなものではないし、まともな会社なら今はコンプライアンス研修が強化されていると思います |
行動規範 | データ・AI倫理 | ★ | データ、AI、機械学習の意図的な悪用(真偽の識別が困難なレベルの画像・音声作成、フェイク情報の作成、Botによる企業・国家への攻撃など)があり得ることを勘案し、技術に関する基礎的な知識と倫理を身につけている | 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版 |
行動規範 | データ・AI倫理 | ★★ | AI・機械学習がもたらす現在の倫理課題を説明できる(生成AIによる様々な権利侵害、バイアスによる人種差別、学習済みモデルのリバースエンジニアリングによる知的財産権の侵害など) | 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版 |
行動規範 | コンプライアンス | ★ | データ分析者・利活用者として、データの倫理的な活用上の許容される範囲や、ユーザサイドへの必要な許諾について概ね理解している(直近の個人情報に関する法令:個人情報保護法、EU一般データ保護規則、データポータビリティなど) | 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版 |
論理的思考 | MECE | ★ | データや事象の重複に気づくことができる | 超一流のコンサルが教える ロジックツリー入門 |
論理的思考 | 構造化能力 | ★ | 与えられた分析課題に対し、初動として様々な情報を収集し、大まかな構造を把握することの重要性を理解している | 超一流のコンサルが教える ロジックツリー入門 |
論理的思考 | 構造化能力 | ★★ | 様々なデータや事象を、階層やグルーピングによって、適切に構造化できる | 超一流のコンサルが教える ロジックツリー入門 |
論理的思考 | 言語化能力 | ★ | 対象となる事象が通常見受けられる場合において、分析結果の意味合いを正しく言語化できる | 超一流のコンサルが教える ロジックツリー入門 |
論理的思考 | ストーリーライン | ★ | 一般的な論文構成について理解している (序論⇒アプローチ⇒検討結果⇒考察や、序論⇒本論⇒結論 など) |
超一流のコンサルが教える ロジックツリー入門 論文指導の本なら別途ありますが、★1つレベルで問われるストーリーラインはしっかりとロジックツリーで考えられていれば十分と思う |
論理的思考 | ストーリーライン | ★★ | 因果関係に基づいて、ストーリーラインを作ることができる(観察⇒気づき⇒打ち手、So What?、Why So?など) | 超一流のコンサルが教える ロジックツリー入門 |
論理的思考 | ドキュメンテーション | ★ | データの出自や情報の引用元に対する信頼性を適切に判断し、レポートに記載できる | 外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック |
論理的思考 | ドキュメンテーション | ★ | 1つの図表〜数枚程度のドキュメントを論理立ててまとめることができる(課題背景、アプローチ、検討結果、意味合い、ネクストステップ) | 外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック |
論理的思考 | ドキュメンテーション | ★★ | 10~20枚程度のミニパッケージ(テキスト&図表)、もしくは5ページ程度の図表込みのビジネスレポートを論理立てて作成できる | 外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック |
論理的思考 | 説明能力 | ★ | 報告に対する論拠不足や論理破綻を指摘された際に、相手の主張をすみやかに理解できる | 超一流のコンサルが教える ロジックツリー入門 |
論理的思考 | 説明能力 | ★★ | 論理的なプレゼンテーションができる |
外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック 資料作成とプレゼン実施は異なりますが、まずはしっかりとした資料作成だと思う |
着想・デザイン | AI活用検討 | ★ | 既存の生成AIサービスやツールを活用し、自身の身の回りの業務・作業の効率化ができる | 事例集をあさるより、まず使うこと!例えば 面倒なことはChatGPTにやらせよう |
課題の定義 | スコーピング | ★ | 主に担当する事業領域であれば、取り扱う課題領域に対して基本的な課題の枠組みが理解できる(調達活動の5フォースでの整理、CRM課題のRFMでの整理など) | グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50 |
課題の定義 | スコーピング | ★ | 既知の事業領域の分析プロジェクトにおいて、分析のスコープが理解できる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
課題の定義 | スコーピング | ★★★ | 仮説や可視化された問題がなくとも、解くべき課題を構造的に整理でき、見極めるべき論点を特定できる | イシューからはじめよ[改訂版]――知的生産の「シンプルな本質」 |
アプローチ設計 | データ入手 | ★ | 仮説や既知の問題が与えられた中で、必要なデータにあたりをつけ、アクセスを確保できる | あたりをつけるのとアクセスを確保は全然別のスキルと思うけど、、、「あたりをつけ」の方で 分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術 |
アプローチ設計 | アプローチ設計 | ★★ | 分析の目的を検証すべき項目に分解し、アウトプットとなる比較結果やモデル作成の結果のイメージを描くことができる | 分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術 |
アプローチ設計 | アプローチ設計 | ★★ | 仮説検証思考で、論点ごとに検証すべき項目を識別できる | イシューからはじめよ[改訂版]――知的生産の「シンプルな本質」 |
アプローチ設計 | アプローチ設計 | ★★★ | 「データサイエンスを駆使して解くべき課題」か否かを判断できる | データ分析・AIを実務に活かす データドリブン思考 |
アプローチ設計 | 分析アプローチ設計 | ★★ | 解くべき課題がフレーミングされていれば、必要な分析手法、可視化などを適切に選択できる | フレーミングまでが「ビジネス力」でそれを解く手法の選択は「データサイエンス力」じゃないかと思いますが。 分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術 |
アプローチ設計 | 生成AI活用 | ★ | 大規模言語モデルにおいては、事実と異なる内容がさも正しいかのように生成されることがあること(Hallucination)、これらが根本的に避けることができないことを踏まえ、利用に際しては出力を鵜呑みにしない等の注意が必要であることを知っている | 面倒なことはChatGPTにやらせよう |
データ理解 | 統計情報への正しい理解 | ★ | 単なるローデータとしての実数だけを見ても判断出来ない事象が大多数であり、母集団に占める割合などの比率的な指標でなければ数字の比較に意味がないことがわかっている | 分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術 |
データ理解 | 統計情報への正しい理解 | ★ | ニュース記事などで統計情報に接したときに、数字やグラフの不適切な解釈に気づくことができる | 分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術 |
データ理解 | ビジネス観点での理解 | ★ | ビジネス観点で仮説を持ってデータをみることの重要性と、仮に仮説と異なる結果となった場合にも、それが重大な知見である可能性を理解している | |
データ理解 | ビジネス観点での理解 | ★★★ | 分析プロセス全体を通して、ビジネス観点での妥当性をチェックし、データから得られた示唆が価値ある知見であるかを都度判断できる | |
分析評価 | 評価 | ★★ | 担当する分析プロジェクトの分析結果を見て検討目的と合っているか評価できる | |
分析評価 | 評価 | ★★ | 分析結果が当初の目的を満たしていない場合に、問題を正しく理解し、目的達成に向けて必要な分析手順を追加・変更できる | |
事業への実装 | 実装 | ★★ | 現場に実装する際、実行可能性を考慮し適切に対応できる(AI活用に関する基礎理解促進、業務マニュアルの改訂・浸透や、現場のトレーニングなど) | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
事業への実装 | 評価・改善の仕組み | ★ | 結果、改善の度合いをモニタリングする重要性を理解している | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
契約・権利保護 | 権利保護 | ★ | AI・データを活用する際に、組織で規定された権利保護のガイドラインを説明できる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
契約・権利保護 | 権利保護 | ★★ | AI・モデル開発において、既存ライブラリを活用した場合の知財リスクの確認や、適切なガイドラインを参照・確認できる(経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」など) | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
PJマネジメント | プロジェクト計画 | ★★ | ビジネス要件を整理し、分析・データ活用のプロジェクトを企画・提案できる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
PJマネジメント | 方針転換 | ★★★ | プロジェクトの進捗や達成状況が芳しくない場合や、想定外の事象が起こった場合に、リカバリープランを見極めた上で、時には大幅な方針転換や終了の判断ができる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
PJマネジメント | リソースマネジメント | ★ | 指示に従ってスケジュールを守り、チームリーダーに頼まれた自分の仕事を完遂できる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
PJマネジメント | リソースマネジメント | ★★ | プロジェクトに設定された予算やツール、システム環境を管理・活用し、プロジェクトを進行できる(適切なロールや権限設定、クラウドやAIサービスの課金状況の把握など) | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
PJマネジメント | リスクマネジメント | ★ | 担当するタスクの遅延や障害などを発見した場合、迅速かつ適切に報告ができる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
PJマネジメント | リスクマネジメント | ★★★ | プロジェクトに何らかの遅延・障害などが発生した場合、適切なリカバリー手順の判断、リカバリー体制構築、プロジェクトオーナーに対する迅速な対応ができる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
組織マネジメント | 育成/ナレッジ共有 | ★★★ | チームの各メンバーに対し、データサイエンティストとしてのスキル目標の設定、到達させるための適切なアドバイスができる |
|
組織マネジメント | 組織マネジメント | ★★★ | データサイエンスチームを自社・他社の様々な組織と関連付け、対象組織内での役割の規定、目標設定を行うことができる | AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出] |
その他データサイエンス全般については
こちらもご参照ください