Qiitaではよく「#ポエム」というタグが使われる。
その多くは、以下のような意味合いで使われていると思う。
- 技術的な検証は薄い
- コードは書いてない
- 自分の思いや葛藤を書いている
- つまり「お気持ち記事」
書いている本人も「ただのポエムですけど…」と前置きしたりする。
でも、ちょっと待ってほしい。
書いてくれて、ありがとう。
まず言いたいのはこれだ。
検証が浅くてもいい。思いつきでもいい。書いてくれて、ありがとう。
Qiitaは技術ブログであると同時に、「技術を学び合う場」だ。
だからこそ、誰かの思考の過程、迷い、手がかりが共有されることには大きな意味がある。
すべての記事が完璧なコードでなければならないわけではない。
「うまくいかないんだけど」「こう思ったんだけど」も大切な知見だ。
それでも「ポエム」って言うのは、少し切ない
私は詩が好きだ。短歌が好きだ。
詩とは、思考や感情を削ぎ落とした表現。
短歌は、31音に世界を詰め込む、精緻で濃密な表現だ。
そんな「ポエム」という言葉を、「なんか浅い記事」という意味で使ってしまうのは、
詩や感情を軽く見る態度に繋がってしまわないか?
技術に厳しい人ほど、なぜ“感情”にだけは甘いのか?
技術の世界は厳密だ。
- バージョン違いがあれば即ツッコミ
- 間違ったコードは的確に指摘
- 「これは本当に動くのか?」という問いには厳しい
それなのに、「これは感情の話だから」として“ポエム”というラベルを貼って笑って済ませる。
でもそれって、「感情や思考の試行錯誤」だけを雑に扱ってしまっていないか?
名前を変えよう。「ポエム」じゃなくて。
思考や感情の共有は尊い。ならば、もっと誠実な名前で呼びたい。
呼び方 | 特徴 | 備考 |
---|---|---|
技術雑感 | 感想・迷い・考えの途中を書いたときに | 真面目さがある |
技術ノート | 試行錯誤や中間報告として | Jupyter的な意味合い |
開発ログ | 手がかり・反省点・メモなど | 記録であることを強調 |
メモ | 発展途中の思考を共有する | 未完成を許容する言葉 |
「軽さ」を否定しない。でも「軽視」はしない。
Qiitaには、もっと「未完成な記事」や「気づきの途中」を書いてほしい。
でも、だからこそ「軽い記事」を“軽視”するような言葉は使いたくない。
誰かの思考や試行錯誤を「#ポエム」で矮小化せず、
もっと自然に、もっと誠実に受け止めたい。
まとめ
- 「ポエム」というタグは感情や未完成な記事を軽視しかねない
- 思考の途中やお気持ちの共有も、大切な技術的アウトプット
- 書いてくれた人へのリスペクトを込めて、呼び方を変えよう
- Qiitaは、完璧なコードだけじゃなく、“途中”も大切にする場所であってほしい
あなたの「未完成」を、誰かが待っているかもしれない。
だから、#ポエムではなく、#メモ くらいで投稿してみてほしい。