時系列分析関連の本としては下記などの記事があり、被っている本もありますが、需要予測・市況予測がメインだった私の観点と違う面もあるのでまとめてみました。
- Qiita: 時系列データ関連の本10冊読んだので書評書く。+4冊更新 2021年11月
- データ分析の方の観点重視?
- Logics of Blue 時系列分析のためのブックガイド
- 統計モデル的な側面を重視?
- 時系列分析以外の本の紹介記事は 【データ分析の必読10冊+差をつける10冊+100冊超】データサイエンス、データ分析、機械学習関連の本
- 経済・金融指標についての本の紹介はデータ分析が仕事に人が経済学・金融に手を出す
時系列解析
タイトル | 入門/実装/理論 | 推奨度 | 概要 |
---|---|---|---|
時系列分析と状態空間モデルの基礎: RとStanで学ぶ理論と実装 |
入門・実装R | 通称「隼本」。Rで時系列分析をするならばまず最初の1冊として必読 |
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基礎からわかる時系列分析 ―Rで実践するカルマンフィルタ・ MCMC・粒子フィルター (Data Science Library) |
入門・実装R | 上記「隼本」と同レベルだが状態空間モデル寄り |
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時系列解析: 自己回帰型モデル・ 状態空間モデル・異常検知 (Advanced Python) |
入門・実装Python | Pythonならば最初の1冊として必読 |
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Rによる時系列分析入門 |
入門・実装R | Rでやるならば隠れ推し本 |
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実践 時系列解析 |
実装Python/R | 入門書の次に |
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経済・ファイナンスデータの 計量時系列分析 (統計ライブラリー) |
理論 | 理論をしっかり学ぶなら |
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実証のための計量時系列分析 |
理論、EViewsやRのコード例 | 沖本本のもう一段階上 |
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カルマンフィルタ ―Rを使った時系列予測と状態空間モデル― (統計学One Point 2) |
簡単な理論解説とRコード例 | Rで状態空間モデルに慣れるなら |
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Rによるベイジアン動的線形モデル (統計ライブラリー) |
理論とRコード例 | Rで状態空間モデルを本格的に扱いたいならば | 本格的に扱うならば必要な本ですが、かなり難し目ですね。昔は他の本がなかったので手に取りましたがなかなか難解でした。他の本で慣れてから次に読む本かなと思います。 |
経済・ファイナンスのための カルマンフィルター入門 (統計ライブラリー) |
Excel、EViews、R等コード例 | 経済・金融指標を状態空間モデルで扱うならば |
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ファジィ時系列解析 (統計学One Point) |
入門 | - | 時系列解析にファジィ理論を応用するファジィ時系列解析の入門書。時系列データのトレンドなどを矩形で捉えるのではなく、ファジィ集合として柔軟に扱い実態を捉えようというものかと思いますが、申し訳ないですが私はあまり理解できませんでした。 |
Pythonによる異常検知 |
入門・実装Python | 時系列異常検知を学ぶなら |
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点過程の時系列解析 (統計学One Point) |
入門・理論 | SNSのバズりなどを分析するならば |
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Pythonによるファイナンス 第2版 |
ファイナンスデータ |
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Rによる計量経済分析 (シリーズ〈統計科学のプラクティス〉) |
実装R | 不要 |
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状態空間モデルを学ぶための補足
- RではdlmとKFASが代表的と思われる
- PythonではstatmodelsやPycalmanライブラリ
- R、Python共通でベイズ構造推定モデルのbstsライブラリがある
本 | 言語 | 状態空間モデルライブラリ |
---|---|---|
時系列分析と状態空間モデルの基礎: RとStanで学ぶ理論と実装 | R | KFAS |
基礎からわかる時系列分析―Rで実践するカルマンフィルタ・MCMC・粒子フィルター(Data Science Library) | R | dlm |
カルマンフィルタ ―Rを使った時系列予測と状態空間モデル― (統計学One Point 2) | R | KFAS |
実践 時系列解析 | R | bsts |
経済・ファイナンスのためのカルマンフィルター入門(統計ライブラリー) | R | dlm |
時系列解析: 自己回帰型モデル・状態空間モデル・異常検知(Advanced Python) | Python | Pycalman |
Pythonによる異常検知 | Python | statmodels |
Pythonによるファイナンス 第2版
需要予測
- 本記事の著者(青木)がデータ分析が仕事のため、データ分析をする者が、上記時系列分析の知識を元に需要予測するために参考となる本という立場で選らんでおります。
- そのため、現場の販売担当者が需要予測をする参考に、という立場だと評が的外れなこともあるかと思いますが、前提が違うということでご容赦ください。
タイトル | 入門/実装/理論 | 推奨度 | 概要 |
---|---|---|---|
新版 この1冊ですべてわかる 需要予測の基本 |
入門 | 最初の1冊目として必読 |
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この1冊ですべてわかる 需要予測の基本 |
上記の旧版。古本等が出回ると思うので読んでもいいですが本書はやや物足りない面があったので、数千円を惜しんで古い知識とすることはないと思います。 | ||
需要予測の戦略的活用 ―マーケティングとサプライチェーンマネジメント (SCM)をつなぐ (オペレーションズ・マネジメント選書) |
入門・理論 | 2冊目に読みたい。社内推進のネタ本 |
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在庫管理のための需要予測入門 |
入門 | 実際にデータにあたる方ならば2冊目に読んでおきたい |
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確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 |
入門・理論 | 新たな市場を目指すなら必読 |
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余談
時系列分析をすると、「RとPythonのどちらを使うべきか」問題が結構効いてきますね。私は周りがみんなRだったのでRから入り、部署異動でPython必須となったのでPythonと必要に迫られてどっちも学びました(気分的にはR派ですが)。迷う方もいるかと思うのでご参考まで、
TJO氏の記事「データ分析をやるならRとPythonのどちらを使うべき?」への個人的な回答
「その時々のテーマと必要に応じてRとPythonを巧みに使い分けるべし、そのためにも両方とも習得しておこう」