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エンジニアとして採用のために数百名のレジュメ(履歴書)を見たり、知り合いに相談を受けてレジュメのレビューを数多く行ったりテックリードとして組織を牽引するエンジニアの採用に数多く関わってきました。人前で話すのに慣れているかたや、初対面の方とも上手にコミュニケーションが取れる方も中にはいますが、多くの方は自己アピールがあまりうまくなかったり、もっと練習してくればよいのに。と思うこともあります。

この記事は 転職活動して気づいた「これをやっていれば.../やってよかった」をシェアしよう by 転職ドラフト Advent Calendar 2024 の2日目の記事になります。(枠が空いていたので執筆しました)

ChatGPTの「ボイスモード」を使って面接官になりきってもらい、自分自身をトレーニングする方法をまとめたものです。といっても、「そんなことできるの?」と思う方もいるかもしれません。実は私も初めは半信半疑でしたが、実際に試してみると意外と実用的で、かなり本格的な面接練習になることを実感しました。この記事では、その具体的な手順やコツを共有していきます。

1. なぜChatGPTを面接官として活用するのか?

1-1. 時間と場所を選ばない手軽さ

通常、模擬面接をするには友人や同僚にお願いする、あるいは転職エージェントのキャリアアドバイザーと日程を合わせるなど、時間と人手が必要になります。一方、ChatGPTであれば、好きなときに 好きな場所 で面接シミュレーションが可能です。深夜でも早朝でも練習できるのは大きなメリットだと感じています。

1-2. 何度でもやり直せる

人に手伝ってもらう場合、何度も同じ質問を繰り返すのは気が引けるものです。ChatGPTならそうした遠慮は一切不要。何度も同じ質問に答える練習をしたり、ちょっと気になる部分だけをピンポイントで再度トレーニングしたりと、自由度が高いのが魅力です。

1-3. 回答のフィードバックが意外と役立つ

ChatGPTに「面接官として振る舞って」と指示すると、それなりに鋭い質問を投げかけてきますし、回答に対しても「こういう言い方のほうがよい」「この部分をもう少し具体化しては?」といったフィードバックが期待できます。もちろん人間のキャリアアドバイザーほどの細やかさは難しいですが、それでも「一般的な面接の流れ」や「回答の構成上のポイント」を押さえるには充分です。

2. ChatGPTボイスモードでの面接練習手順

ChatGPTには、音声入力や音声読み上げ機能を組み合わせることで、実際に“会話しているような”雰囲気を作ることができます。以下では、私が実際に行っている簡単なステップを紹介します。

2-1. 音声入力・出力ができる環境を準備する

  • PCやスマートフォン
    最新のChatGPTアプリやデスクトップアプリなどを利用すれば、マイク入力や音声読み上げを行うことができます。

  • ヘッドセットやイヤホンマイク
    普通のPC内蔵マイクでもいいのですが、できればヘッドセットを用意すると雑音が少なく、よりクリアに音声やり取りが可能です。面接時を想定して同じ環境にするのが良いでしょう。また、家族がいる場合に聞かれても良いようにヘッドセットを用意したほうが良いかもしれませんね。

2-2. ChatGPTに「面接官として振る舞ってほしい」とリクエスト

プロンプトの工夫

たとえば、「あなたは私の面接官です。私はエンジニア職の候補者として面接を受けています。これからいくつかの質問をしてください。もし私が回答したら、その回答に対するアドバイスや改善点を教えてください」と伝えます。

業種や職種の指定

自分が目指す役職や業界があるなら、「〇〇業界のソフトウェアエンジニアとしての面接を想定してください」のように指定することで、より実践に近い質問を投げてもらえます。

面接官情報の設定

誰と面接をするかによって会話の内容や質問内容が異なってきます。「人事のこういう方想定」「エンジニアマネージャー想定」など、模擬したい面接相手のわかる限りの情報を伝えておいたほうが良いです。

2-3. ボイスモード(音声入力/音声出力)をオンにしてやり取りを開始

音声入力

キーボードで打ち込むのではなく、実際に声に出して質問に答えます。最初は少し恥ずかしいかもしれませんが、慣れると本番同様に受け答えの練習ができます。

3. 質問の種類と返答の例

実際にChatGPTに面接官として動いてもらうと、以下のような質問がよく投げられます。ここでは私が体験した質問の一部と、その際にどんな回答・アドバイスを得られたかを簡単にまとめてみました。

自己紹介(導入の質問)

ChatGPTの質問例:「簡単に経歴やスキルセットを含めて自己紹介してください。」

回答のポイント:

  • 名前や現在の職種、開発経験年数などを端的に述べる
  • 直近のプロジェクトや得意とする技術領域に触れる

ChatGPTからのフィードバック:

「もう少し成果を数字で表現しよう」「使用技術だけでなく、チームでの役割を具体的に伝えよう」といったアドバイスをもらうことができます。受け答えに不安な箇所があれば「アドバイスをお願いします」ということで、自分の回答に対してアドバイスを受け取る事もできます。

ChatGPTの質問例:「これまで関わったプロジェクトで最も大変だったことと、それをどのように克服したか教えてください。」

回答のポイント:

  • 問題が起きた状況や背景を端的に説明
  • 具体的な対策や、協力したメンバーとのやり取りを示す
  • 成果や学びを最後にまとめる

ChatGPTの質問例:「弊社を志望した理由は何ですか?将来どのように成長していきたいですか?」

回答のポイント:

  • 企業研究の結果を盛り込み、「なぜその会社でないとダメなのか」を述べる
  • 将来のキャリア像やエンジニアとしての成長意欲を盛り込む

ChatGPTのコメント:

「会社の事業内容に対する具体的な興味をもう少し強調すると説得力が増します。」
こうしたやり取りを繰り返すだけでも、面接で聞かれやすい定番質問への回答クオリティが明らかに上がると感じました。

4. 練習効果を高めるコツ

4-1. 質問のバリエーションを広げる

ChatGPTに「もっと他のパターンの質問をください」とリクエストすると、プログラミングテストやアルゴリズムの話、チームマネジメントの話など、より幅広いテーマでの質問を投げてくれます。自分が苦手としている分野や、事前に聞かれたら困る質問を積極的にリクエストしてみると、面接対策として非常に有効です。

4-2. 回答を録音して振り返る

練習した回答を自分で録音して後から聴いてみると、「あ、ここで声が小さくなってるな」とか「説明がくどいかも」という気づきが得られます。ChatGPTからのフィードバックだけでなく、自分自身で客観的にチェックするのも大事な作業です。

4-3. 長文の回答を避け、わかりやすくまとめる

面接では、1問1答でダラダラしゃべりすぎると要点がぼやけてしまいます。ChatGPTの面接モードであっても、回答は1分から2分程度にまとめて伝える練習をすると、本番でも落ち着いて説明できるようになります。

5. 実際の面接とはどう違う?注意点と限界

いくらChatGPTが面接官を演じてくれるとはいえ、当然ながら人間の面接官とまったく同じというわけにはいきません。たとえば、

リアルタイムでの空気感や表情の変化

人間同士の会話で生まれる微妙な空気感や表情の変化を読む訓練にはならない。

企業特有のカルチャーや最新事情

  • ChatGPTが公開データや事前情報をもとに質問してくれても、実際の企業カルチャーに直結した質問ができるとは限らない。
  • 極めて専門的・高度な内容、特定の業務システムやレガシー環境など、現場ならではのディープな質問には対応しきれない場合がある。

したがって、ChatGPTの面接トレーニングはあくまで「面接の流れを把握し、回答の構成をブラッシュアップする」ための練習方法だと割り切りましょう。

最終的には対面やオンラインでの模擬面接を人間相手に行うのがベストですが、その前段階でチャットボットを使った練習を繰り返せば、かなり効率よく面接慣れしておけるのは間違いありません。

6. まとめ:気軽に・何度でも練習できるのが最大の強み

ChatGPTのボイスモードを利用した“面接官ロールプレイ”は、本格的な模擬面接と比べれば簡易的かもしれません。しかし、大きな利点は 「いつでも何度でも好きなだけ練習できる」 こと。特にまだ面接に慣れていない方や、「自分の回答がちゃんと相手に伝わっているのか不安…」という方にとっては、想像以上に役立つトレーニングツールだと思います。

面接官として面接を繰り返す中で「面接ってやっぱり慣れだな」と痛感してきました。準備なしで挑んでいる方は、緊張から頭の中が真っ白になることもしばしば。でもChatGPTと数回やりとりしていると、よくある質問への切り返しや言葉の選び方が自然と体に染みついてきます。

もちろん、この方法だけですべてが完璧になるわけではありません。本番の面接では予想外の質問が飛んでくることも多々ありますし、人間ならではの駆け引きや雑談力がものを言う場面もあります。でも、“0”の状態で面接を迎えるのと、“ある程度のシミュレーションをこなしている状態”とでは、緊張感や受け答えの質に大きな差が出ることは間違いありません。

今回のポイントおさらい

  • 時間も場所も選ばず、自分のペースで面接練習ができる
  • ChatGPTのフィードバックを取り入れながら回答の質を磨ける
  • 録音や音声読み上げを活用し、“話し方”自体を客観的にチェックできる
  • 人間相手の模擬面接前に、基礎となる面接対応力を養うのに最適

終わりに

本記事では、ChatGPTを面接官に見立ててボイスモードでトレーニングする方法についてご紹介しました。練習を繰り返すことで面接で回答に詰まることが格段に減り、「あ、この質問は想定してたやつだ」と落ち着いて返せるようになります。特に転職活動の最初の段階で、気軽に何度でも練習できる場所があるのは本当に心強いものです。

面接対策にはいろいろなアプローチがありますが、ChatGPTを活用するのはその一つとして非常におすすめ。是非一度、皆さんの転職活動やキャリアアップに役立ててみてください。練習を重ねれば重ねるほど、本番でのパフォーマンスも自信も自然と高まっていくはずです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。もしこの記事が役に立ったと思ったら、ぜひ「いいね」や「ストック」をいただけると嬉しいです。それでは、転職活動やキャリアアップを考えているエンジニアの皆さんが、納得のいく次のステップを踏めることを願っています!

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