#Alibaba CloudのMarketplaceを調べてみた
##Alibaba CloudのMarketplace
Alibaba CloudのMarketplaceとはソフトウェアのオンラインマーケットです。プロバイダーがアプリケーションの管理者となりユーザーにソフトウェアを提供します。ユーザーはそこで購入できるソフトウェアをクラウドで利用することができます。現在は主に、
・インフラ(OS、アプリケーションサーバー、ウェブホスティングなど)
・ソフトウェア開発ツール(バグ管理ツール、ソースコード管理ツール、テストツールなど)
・ビジネスソフトウェア(CMS、eコマース、eラーニングなど)
の3つのカテゴリーのソフトウェアが提供されています。
##ECS(Elastic Compute Service)に関して
マーケットプレイスで買うことができるソフトウェアを使うにはECSを利用する必要があります。ECSとは、拡張性に優れたクラウドコンピューティングサービスで、自前のサーバーよりも簡単に管理することができます。具体的には「ECSコンソール」という管理を行うWebアプリケーションを利用し、ECSのインスタンスを作成してマーケットプレイスで購入したソフトウェアを使用します。ビジネスの規模や状況に合わせてインスタンスのOSを変更したりインスタンスの数を変更したりすることができます。
##ECSインスタンスの作り方
1.ECSコンソールを開く
ログイン後の以下のページで「Elastic compute Service(ECS)」のリンクをクリック
2.「インスタンスの作成」ボタンを押下する
「1」の手順の後、左にある「インスタンス」のタブを押すと以下の画面が表示されます。ここで右上の「インスタンスを作成」のボタンを押下します。
3.基本構成を入力する
「2」の画面で「インスタンスを作成」のボタンを押すと以下の画面が表示されます。まず、「価格モデル」を選択します。「サブスクリプション」と「従量課金」があり、「サブスクリプション」は月額、「従量課金」は時間単位での課金となります。次に「リージョン」を選択します。リージョンはECSインスタンスがある場所になります。
次に「インスタンスタイプ」を選択します(以下)。インスタンスの性能を決定します。
そして「イメージ」と「ストレージ」を選択します。イメージは上記でも説明しているECSインスタンスのテンプレートになります。
4.ネットワークを入力する
以下の画面で「VPC(Virtual Private Cloud)」と「VSwitches」を選択します。VPCはAlibaba Cloudで作成できるプライベートネットワークで、VSwitchesは異なるクラウドインスタンスを結合するために利用するVPCのネットワークデバイスです。どちらもコンソールで作成することが可能ですが、デフォルトのものが用意されています。以下の画像ではデフォルトのものを選択しています。
次に「ネットワーク課金タイプ」と「セキュリティグループ」を選択します。セキュリティグループは作成することもデフォルトのものを選択することも可能です。
5.システム構成を入力する
「パスワード」、「パスワードの確認」、「インスタンス名」、「説明(インスタンスの)」、「ホスト」を入力します。
6.グループ化を入力する
「タグ」を入力します(入力しないことも可能です)。
7.プレビューで入力した情報を確認する
以下を確認し「注文」のボタンを押下するとECSインスタンスを購入できます。
コンソールでECSインスタンスが購入できたことを確認できます。
##Imageに関して
ECSでインスタンスを作成する際、設定をいちいち行うのは面倒になると思います。そんな時に使用すると良いのがこの「Image」になります。ImageとはECSインスタンスのテンプレートで、これを使うことでECSインスタンスの作成を簡単に行うことができるようになります。OSと特定のソフトウェアがImageに入っていて、Imageを選択することでECSインスタンスの設計が完了する、という感じです。
##Marketplaceで利用できるソフトウェア
###Marketplaceで購入できるソフトウェアの調べ方
1.Alibaba Cloudの公式サイトを開く
画面の上の方に「Marketplace」というリンクがあるのでそこをクリックします
2.以下のページでソフトウェアを選ぶ
画面下に出ているアイコンがソフトウェアです。アイコンをクリックすると、そのソフトウェアの詳細ページが表示されます。
###購入するソフトウェアの詳細な情報を調べるには
ソフトウェアの詳しい内容は詳細ページに記載されています。 以下はその詳細ページの一つです。
詳細ページの中には、
・概要(ソフトウェアの目的・できることなど)
・販売元の情報(会社名、メールアドレスなど)
・料金(月額使用料と従量課金)
・ユーザーガイド(詳しいサイトのURLが載っている)
・ImageID(上記で説明しているECSインスタンスのテンプレートであるImageのID)
・サポート情報
などが記載されています。
##Marketplaceで利用できるソフトウェアの例
以下Alibaba CloudのMarketplaceで使用することができるアプリの一部になります(参考程度の数しか載せていません)。ちなみにAlibaba Cloudで購入できるソフトウェアは、まだ200強ほどの数しかなく、AWSの数十分の一となっています。
Red Hat Enterprise Linux
企業向けのOS。Alibaba CloudのECSインスタンスで使用する場合、有料。
Ruby on_Rails powered by Websoft9
Ruby on Rails(Rubyのフレームワーク)をAlibaba Cloud上で実行できるようになる環境。
OpenCart powered by Websoft9
複数のオンラインストアを管理できるソフトウェア。
Github Enterprise
ビジネス用のオンプレミス型のGithub。これをAlibaba Cloudでも使うことができる(実際のGithub Enterpriseは自社サーバーなどでも使用できる)。
Site.pro Website Builder
ウェブサイトの開発コストを減らすことを目的として作られた、企業向けのウェブサイト開発ツール。多数のテンプレート、プラグインが用意されている。また公式のサイトが数多くの言語に対応していて、キャッチアップもしやすい。
##その他Marketplaceを利用する上で知っておくべきこと
###Alibaba Cloudのサービス・製品に関して質問したい場合またはサポートを受けたい場合
Alibaba Cloudの公式サイトに各サービス・製品のQ&Aが載っているので、まずはそこを確認すると良いです。そこで解決できない場合は、チケットを起票して問い合わせることができます。チケット作成の手順は以下です。
1.ログインし、画面上の「テクニカルサポート > 新規チケット起票」を選択
2.以下の画面で「質問する」のリンクを押下
問い合わせることができるサービスまたはプロダクトが表示されます。その下に「質問する」というリンクがあり、これをクリックすると問い合わせのフォームが表示されます。今回の例ではECS(Elastic Compute Service)を選択しています。
3.以下の画面で問い合わせ内容を入力
ECSの場合入力内容は、
・よく寄せられる質問の選択
・案件の内容
・機能情報の追加(オプション)
・メールアドレス
・ファイル
の5つです。
###サービス・製品に返金を求めたい場合
現在、Alibaba Cloudに返金の仕組みは用意されていないようです。もし返金を求めるのであれば、直接ベンダーに問い合わせる必要があります。そのため、購入前にしっかり製品に関して確認しておく必要があります。
###サービス・製品に苦情がある場合
MarketplaceなどAlibaba Cloudの製品を使っていて苦情がある場合は、問い合わせることも可能です(以下のURLより)。
https://www.alibabacloud.com/report?spm=a2c63.o282931.a3.1.590064bbYeINua
サイトは以下のようになっていて、「知的財産権の侵害」と「製品の不正使用」でフォームが分かれています。
フォームに
・問題のサービス・製品名
・問い合わせ内容
・問い合わせ内容を裏付ける証拠ファイル(スクリーンショットなど)
・自分の個人情報(名前、メールアドレス、住所など)
を記載し問い合わせます。