あいさつ
初めまして。理学部物理学科3年の anti-shibusawa です。名前に特に意味はありません。ただの文字列です。
現在2024-25の期間でイギリスの大学に交換留学をしています。交換留学といいながらも理学部の単位認定要件が厳しいため単位交換ができず、1年留年することになります。私の場合は
3Sまで修了して2024/9月に渡英
→ 2025/6月まで授業を受け帰国し3Aから再開
という予定です。理系の学部生で全学交換留学を考えている人は、おそらく同じ道を辿ることになると思います。
おそらく調べればわかってしまうので隠す必要もないですが、ロンドンにある大学です(以下ロンドンにある大学=ロ大)。ここでは東大とロ大を比べて、後者の良いところと悪いところを紹介していきたいと思います。
筆者の主観が盛りだくさんであり、かつイギリスの大学一般について述べているわけではないことに留意してください。
いいところ
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自由時間が多い
大学の拘束時間は東大と比べてかなり短いです。隔週である授業などもあるため週によるのですが、最長でも13時間-15時間です。これは東大換算で約7-8コマ分。
なぜこんなに少ないかというと、後でわるいところでも触れる予定ですが、選択肢が少ないからです。あと正規学生は必修である実験をとっていないのもありますが、これを考慮してもなお少ないです。
私の二学期(1月-3月)の時間割は月曜と火曜が全休なので毎週4連休があります。 -
授業の質が高い
(学部生向けの授業に関して)内容に大差はないですが、よく準備されています。必ず板書や過去問(あるいは模擬テスト)が公開され、補足資料も豊富。授業によっては毎回授業の録画が公開されます。ひたすら板書を写す虚無な時間を過ごさなくて良いです。 -
4年で修士まで取得可能
正規の学生として入学する場合、多くの学部学科では学士のみの3年間のコースと、修士まで取れる4年間のコースがあります(医学部などの例外を除く)。今回は交換留学なので直接は関係ありませんが、イギリスで修士をやれば1年間で良いので選択肢としてはありですよね。 -
多様性
英語圏にある大学なので、さまざまな国からの留学生が多いです。フラットメイトも5人中3人が留学生です。Society という日本で言うサークルのようなものがあるのですが、Japan society を含め、ほとんどの国の Society が存在します。
仮に東大での授業を全て英語で行ったとしても、日常生活に日本語が必要なので、これを達成するのはなかなか難しいと感じました。もっとも多様化によるデメリットも大きいと思いますが。 -
歴史を感じる建物
勝戦国だからでしょうか、街並みも含めて歴史を感じさせる建造物があちこちに残っており、大学の建物も例外ではありません。
メインキャンパスの正面の写真です。あまりに文字ばかりでしんどいので写真を挿入しました。パルテノン神殿みたいですが、流石に盗品ではないと願います。
わるいところ
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学費が高すぎる
円安も相まってあり得ない高さです。留学生向けの学費は年間700万円程度です。ただし交換留学では東大に学費を払えば良いので、この時点で650万円得をしているわけです。 -
試験の日程があほ
3学期制で、3学期は試験のための期間なのですが、1,2学期の内容の試験をここで全て行います。1学期が終わるのが12月で、3学期の開始が翌年の4月末なので忘れるに決まっている。 -
寮費が高すぎる
ロンドンなので家賃が20万円(光熱費込み)です。部屋は広くもなく狭くもなくといった具合で、シャワー・トイレ・キッチンは共用。火災報知器の感度が良すぎるのか、毎週のようになります。大学からは近いので嬉しいです。 -
履修が組みづらい
履修に関してはあり得ない酷さです。UTASに相当するものを使って登録するのですが、このシステムがうまく機能しなさすぎて、結局取りたい授業の担当者にメールを送って手動で登録してもらうしかないという始末です。
また各学期に4つの授業しか選択できません。潜ろうとしても、1つの授業は基本的に複数のコマからなっており、時間割上の重複が起きやすいため難しいです。 -
自主ゼミをしない
自主ゼミの文化がないそう。そもそも研究者志望の割合が東大と比べて少なく、就活に重きを置く学生が多いそうです。日本人正規学生で物理学科の人に聞いたら、作ろうとしたけど誰も乗ってこなかったとか。 -
課題が多い
毎回課題が出ます。自由時間は多いので、別に忙しいと感じるわけではないですが、多いです。そして課題は全体の成績のわずか10%でしかないためやる気も起きないです。残りの90%は期末試験によります。(Course work 100%の授業もあります。) -
毎授業出席をとる上に、出席率が70%を下回るとビザが剥奪される
なのに出席を取る機械がうまく機能してないらしいです。 -
キャンパス
東大と異なり、街の中に大学の建物が乱立しているため、キャンパスという明確な境界があるわけではありません1。そのため、セキュリティーもかなりガバガバでかつ授業を行う建物がかなり離れた位置にあって移動が大変です。 -
座席のシステム
東大の座席も良いとは思わないですが、それよりもひどいです。15連の座席なのに入り口がひとつしかない。そして詰めて座らない。
履修者の105~110%の収容能力の教室で授業を行うため、大問題です。 -
学食が高い
最低でも5ポンド(1000円弱)します。ロンドンの物価は東京の2倍くらいの感覚なのですが、外食に関しては3倍くらいします。よくイギリスの食事はまずいと聞きますが、まずいというか高い金をはらわなければ、まともなものが出てこない、という感じです。
その他
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信号守らない
これは人が悪いのではなく、信号があまりにも非効率であるためです。イギリスは妙に"過保護"な側面があり、車の通行が完全にない状態になるまで歩行者信号は赤のままです。日本では例えば交差点では左折車が来る可能性がありますが、イギリスの場合はそれをなくすためにさらに1段階挟むので、赤信号の時間がとても長くなります。なのでロンドンに住む人々は- 青信号 → 渡れ
- 赤信号 → 車に注意して渡れ
と解釈しているのだと思います。
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4年で修士は短すぎるのでは?
と思いましたが、東大も前期教養の2年間を除けば4年なのであまり変わらないのかもしれません。
最後に
焦って書いたので書き忘れがありそうですが、東大も良いところは取り入れていってほしいですね。
あとはとにかく物価が高いのが嫌です。以上です。ありがとうございました。
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メインキャンパスのような小さい領域が存在しますが、その外側に建物がありすぎて、キャンパスとしての機能を果たしていないように感じます。 ↩