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祝 Azure OpenAI Service GA! ⑤幼稚園生の疑問に答えてくれる "しま〇ろう BOT" を ChatGPT で作ってみる

Last updated at Posted at 2023-04-11

1/16 に GA (General Availability: 一般提供) になった Azure OpenAI Service は、Azure 上で OpenAI が稼働するサービスです。Cognitive Services の一員として & Web API として利用できる、Studio と呼ばれる GUI が用意されており、テストや調整などが可能です。

今回は、Azure OpenAI Service にも用意されている ChatGPT を使って、幼稚園生の疑問に優しく答えてくれる(⁈) しま〇ろう BOT を Web アプリ (Node.JS) として実装してみます。

スクリーンショット 2023-04-10 222559.png

3/10 現在、GA したとはいえ、Azure OpenAI Service を利用するには Web から利用申請が必要です。Text and Code Model (GPT-3) と Dall-E 2 の申し込みができますが、とりあえず Text and Code Model だけ申請するのがおススメ!ChatGPT は Text Model の権限があれば利用できます。また、申請時には有効な Azure サブスクリプション (のID) が必要です。

Azure OpenAI Service 自体は GA ですが、3/10~ 利用可能になった ChatGPT は現在プレビュー中です。

準備

  • Azure OpenAI Studio からお試し の記事を参考に、

    • Azure OpenAI Service のプレビュー申込 & Azure Portal からのサービス作成を行い、キーとエンドポイントをローカルに保存しておきます。
    • ChatGPT モデルの gpt-35-turbo をデプロイしておきます。
  • Rest API を POST 送信できるツール (こちらでは Postman を使います)

  • 開発環境

    • 今回は Node.JS (express) を使って Web アプリを作成します。お好みですが、以下の開発ツール&環境で動作確認をしています;
      • Windows 11 (x64 10.0.22621)
      • Visual Studio Code (v1.77.1)
      • Node.JS (v18.13.0)
  • サンプルコード

手順

Azure OpenAI Studio からチャットボットの挙動を調整する

Azure OpenAI Studio を開き、Azure OpenAI Service を作成した (or 利用するためのロールを持っている) アカウントでサインインします。

ChatGPT モデルの gpt-35-turbo がデプロイ済みであれば、[ChatGPT プレイグラウンド] が表示されるので、こちらをクリックします。

スクリーンショット 2023-04-10 211615.png

今回は、アシスタントのセットアップ の機能を使って、予め回答の方法を指示します。
システムメッセージ の欄に指示を入力します。
ここでは、

  • 4-6歳児に分かるように回答する
  • 親切、かつ親しみやすい口調で回答する

ということを指示しています。
入力したら、[変更の保存] をクリックして保存します。

スクリーンショット 2023-04-10 211722.png

システムメッセージを更新しますか? というダイアログが表示されたら、[続行] をクリックして保存します。
スクリーンショット 2023-04-10 212112.png

システムメッセージの通りに返答するか、[チャットセッション] で入力して確認します。
今回、挨拶や自己紹介は要らないので、その辺りをシステムメッセージで調整します。

スクリーンショット 2023-04-10 212200.png

システムメッセージに「挨拶や自己紹介はしない」という指示を盛り込んで更新、チャットセッションで、チャットをクリアしてから再度質問を入力すると、その通りになりました。(この辺りはいろいろとお好みで調整してください。)

スクリーンショット 2023-04-10 212754.png

幼稚園児向けを想定&ひらがな入力しているのに、漢字交じりの回答になっているところはご愛敬、フリガナを付けたり、音声読み上げしたりする、などで別途対応できる範囲ということでご容赦ください。

Rest API で Azure OpenAI Service (ChatGPT) にアクセスしてみる

Azure OpenAI Studio から Rest API POST に必要な方法を確認する

Azure OpenAI Studio の ChatGPT プレイグラウンドで、一旦チャットをクリアしてから、1回質問を入力 → 回答された状態で コードの表示 をクリックします。

スクリーンショット 2023-04-10 213357.png

サンプルコードが表示されます。一番上部に書かれている URL がアクセスする Rest API のURL となります。こちらをコピーしてローカルに保存しておきます。

スクリーンショット 2023-04-10 213421.png

サンプルコードの種類を curl に変更して、Header に必要な情報を確認します。
Rest API の種類は POST、Headerには、ContentType (application/json) と api-key (Azure Portal で取得してローカルに保存しておいたキー) が必要であることが分かります。

スクリーンショット 2023-04-10 213444.png

さらに、サンプルコードの種類を json に変更して、Rest API のリクエスト本体 (Body) となる JSON を確認します。[コピー] をクリックして、ローカルに保存しておきます。

スクリーンショット 2023-04-10 213516.png

JSON は以下のフォーマットになっていることが確認できます。
ChatGPT からの回答は assistant として表示されています。ChatGPT に回答を生成することを指示したい場合は、この assistant の回答部分をブランクにして Rest API にリクエストします。(後で再度説明します)

{
  "messages": [
    {
      "role": "system",
      "content": ### システムメッセージ ###
    },
    {
      "role": "user",
      "content": ### ユーザーの質問 ###
    },
    {
      "role": "assistant",
      "content": ### ChatGPTからの返答 ### 
    }
  ],
  "temperature": 0.7,
  "top_p": 0.95,
  "frequency_penalty": 0,
  "presence_penalty": 0,
  "max_tokens": 800,
  "stop": null
}

他に注意したいポイントは max_tokens です。Rest API に POST する Request Body と、返答である Response Body をトークンに変換したときの最大値 (ここでは 800 トークン) の設定となります。この値を大きくすると、複数のやり取り (質問&回答) を含めて、回答を生成することが可能ですが、今回は一問一答なので、この程度にしておきます。

Rest API ツール から Azure OpenAI Service にリクエスト送信してみる

Rest API ツール (ここでは Postman) を開き、情報をセットします。

  • Type: POST
  • URL: これまでの手順でローカルに保存しておいた URL (https://XXXXXXX.openai.azure.com/openai/....)
  • Header:
    • Content-Type: application/json
    • api-key: Azure Portal からコピーしておいた Azure OpenAI サービスのキー

スクリーンショット 2023-04-10 215242.png

Request Body の部分は、これまでの手順でローカルに保存しておいた JSON をひとまずコピーし、assistant の回答部分を "" (ブランク) にします。

例えば、このような内容の JSON になります。

{
  "messages": [
    {
      "role": "system",
      "content": "あなたは「しま〇ろう」というキャラクターです。4-6歳が分かるように話してください。また、口調は親切で親しみやすくしてください。"
    },
    {
      "role": "user",
      "content": "なぜ、よるになるとねむくなるの?"
    },
    {
      "role": "assistant",
      "content": ""
    }
  ],
  "temperature": 0.7,
  "top_p": 0.95,
  "frequency_penalty": 0,
  "presence_penalty": 0,
  "max_tokens": 800,
  "stop": null
}

スクリーンショット 2023-04-10 215303.png

情報が入力できたら、POST してみます。
Response Body は JSON で表記されて、Choices > message に返答が書かれています。"role" : "assistant" になっているのを確認、"content" が実際の返答となります。思ったような返答が返されていればOKです。

スクリーンショット 2023-04-10 215349.png

返答は、POST のたびに毎回生成されるため、同じ質問をしても同じ回答が返されるとは限りません。

Node.JS アプリに Azure OpenAI Service (ChatGPT) を組み込む

サンプルコードでひとまず動かしてみる

いよいよ Azure OpenAI Service をアプリに組み込みます。
ローカル環境にダウンロードしておいた サンプルコード を開発ツール (今回は Visual Studio Code) で開きます。

スクリーンショット 2023-04-10 221310.png

public > index.js を開き、1~2 行目にある aoai_url および aoai_key をそれぞれローカルに保存しておいた RestAPI URLAzure OpenAI Service キー に置き換えます。

スクリーンショット 2023-04-10 221331.png

本来なら環境変数として設定すべきですが、今回はお試し(テスト|ハンズオン) ということで、直接情報をソースコードに書き込んでいます。ご注意ください。

ターミナルを開き、npm i コマンドで、必要なライブラリーをインストールします。

スクリーンショット 2023-04-11 113222.png

最後に node server.js コマンドで Node.js サーバーを起動し、ブラウザーから http://localhost:3000 にアクセスします。

スクリーンショット 2023-04-11 113255.png

チャット画面が表示されたら、質問を入力して [送信] をクリック (or Shift+Enter で送信できます) します。回答が表示されれば完了です。

スクリーンショット 2023-04-10 222559.png

Node.js サーバーを止めるには、ターミナルから Ctrl+C を入力します。

コード解説

UI 部分は index.html で設定しています。
会話は section で表示し、リストで順番にやり取りを表示します。
チャットボット (ChatGPT) からの回答は左寄せ (div class ="ballon")、ユーザーの入力は右寄せ (下記コード内にはありませんが、div class ="ballon-r") です。

index.html
(前省略)
:
<body>
    <header class="header">
      <h1>しま〇ろうに聞いてみよう!</h1>
    </header>

    <section class="content">
      <ul id="chat-area">
        <li>
          <div class="balloon">
            <img class="img-circle" src="tiger.jpg" alt="image" />
            <p class="talk">こんにちは!</p>
          </div>
        </li>
        <li>
          <div class="balloon">
            <img class="img-circle" src="tiger.jpg" alt="image" />
            <p class="talk">きいてみたいこと、わからないこと、きいてくれたらこたえるよ!</p>
          </div>
        </li>
      </ul>
    </section>
:
(以下省略)

各要素の設定は public/index.css で行っています。

今回のトラのアイコン(tiger.jpg)は Bing Image Creator を使って作成してみました。こちらお好みのものを設定してご利用ください。
スクリーンショット 2023-04-10 141340.png

Azure OpenAI Service への RestAPI リクエストなどは public/index.js で行っています。RestAPI へのリクエスト~取得~表示は postToAOAI で行っています。
POST する内容は、これまでの手順で Postman からリクエストしたものと同じです。
システムメッセージや各パラメーターはご自身で適時調整してご利用ください。

index.js
function postToAOAI(req_message) {
  const req_body = {
    "messages": [
      {
        "role": "system",
        "content": "あなたは「しま〇ろう」というキャラクターです。0-6歳の子供が分かるように話してください。また、口調は親切で親しみやすくしてください。"
      },
      {
        "role": "user",
        "content": req_message
      },
      {
        "role": "assistant",
        "content": ""
      }
    ],
    "temperature": 0.7,
    "top_p": 0.95,
    "frequency_penalty": 0,
    "presence_penalty": 0,
    "max_tokens": 800,
    "stop": null
  }

  fetch(aoai_url,{
    method: 'POST',
    headers: {
      'Content-Type': 'application/json',
      'api-key': aoai_key
    },
    body: JSON.stringify(req_body)
  })
  .then((res) => res.json())
  .then((json) => { 
    // 取得内容を表示
    console.log(json);
    showBotMessage(json.choices[0].message.content);
  })
  .catch((error) => {
    console.error('Error:', error.code + ': ' + error.message)
  })
}
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