この記事は、「クラウド時代のシステム管理」の記事を転記したものです。
前回のブログ記事「Docker for WindowsをWindows10 Proにインストール」ではWindows 10 Pro(+hyper-V)上にDockerをインストールしてみました。今回はどのような構成でHyper-V上にDocker Machineがセットアップされているかを確認していきます。
1. Hyper-V上のDocker Machineの構成
1-1. Hyper-V仮想マシン設定
Docker for Windowsのインストール後にHyper-Vマネージャを開くと、「MobyLinuxVM」という仮想マシンが作成され、起動していることがわかります。
この仮想マシンの中でDockerコンテナが生成・起動されます。なお、この仮想マシンのIPアドレスやCPU・Memoryリソースのサイズについては、次節のDocker管理画面から設定します。
1-2. Hyper-V仮想ネットワーク設定
MobyLinuxVM上でDockerコンテナが動作するのですが、dockerコマンド自体はHyper-Vホストから実行しています。そのため、ホストOSとMobyLinuxVMとの間が何らかのネットワークでつながっているはずです。
そこで、Hyper-V仮想ネットワークの設定を見ると、自動的に「Docker-NAT」という仮想スイッチが内部ネットワークとして作成されていることがわかります。
この「DockerNAT」がホストOSにつながっていることが「ネットワークと共有センター」から見ることができます。
2. Docker for Windowsの基本的な設定方法
Docker for Windowsが起動すると、タスクトレイにDockerのアイコンが表示されます。アイコンを右クリックするとメニューが表示され、その中に「Settings」があります。このSettingsをクリックすると、次のような設定画面が起動します。
設定画面の左側にあるメニューをクリックすると、各種設定を行うことができます。設定画面は次のような構成になっています。
1. Shared Drives
ホストOS上のドライブをコンテナに認識させる設定が可能です。GUI上はドライブ単位の設定のみが可能なようです。
2. Advanced (MobyLinuxVMのCPUとメモリ容量設定)
Dockerコンテナを実行する仮想マシンのスペックを変更できます。この画面で設定を変更すると「MobyLinuxVM」が自動的に停止され、設定変更後に再起動されます。
3. Network (DokerNATネットワークの設定)
DockerNATネットワークで使うサブネットの設定と、その中で利用するDNSサーバーの設定が可能です。
4. Proxy (DockerコンテナのダウンロードのためのProxy設定)
DockerはDocker Hubからコンテナイメージをダウンロードします。Proxy経由でしかインターネットに出られない環境の場合、ここでProxyの設定を行います。
以上、Docker for Windowsを使い始めるための設定などを見てきました。