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RCC (立命館コンピュータークラブ)Advent Calendar 2024

Day 12

スマートウォッチでできる健康チェックのしくみ

Last updated at Posted at 2024-12-11

はじめに

この記事は専門的知識を扱わない(私が扱えない)ため、その道に精通している方がご覧になるのには全く向いていません。逆に、現在の私のような「そういえば、あの数値って何を根拠に出してるんだろう」と軽く疑問に思った方なら大歓迎です。ぜひ一緒に勉強しましょう!

経緯

私は以前からなんとなくIoT分野、特にスマートウォッチなどに興味がありました。今のところは大学の研究や業界でもそこらへんに携われたらいいな、と考えています。そこで、まずは使ってみようと思い、先日少ない貯金を引き出してスマートバンド(Xiaomi Smart Band 8 Pro)を購入してみました。(Apple Watchのような高価なものはとても買えません。)一応公式サイトへのリンクを貼っておくのでもし興味があれば見てください。

この機種には主に以下のような健康管理機能があります。

  1. 運動負荷測定
  2. 心拍数測定
  3. 血中酸素濃度測定
  4. 睡眠測定
  5. ストレス値測定
気になるでろう精度はさておき、「どうやってこのスコアを出しているんだろう?」というのが疑問だったので調べてまとめてみることにしました。 なお、色々な企業のものを参考にしましたが、実際とは別の方法を用いている可能性も十分にあるのでそこはお許しください。 一つ一つの解説の前に、「そもそもIoTとは何か」についてまとめます。もうすでに理解が完璧だという方は読み飛ばしてください。

IoTとは?

IoTは「Internet of Things」の略語です。十分に浸透している言葉だとは思いますが、日本語では、「モノのインターネット」と呼ばれるそうです。
その名の通りに、「モノ」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みのことです。主要なテーマは「人とモノの間、およびモノ同士の新しい形の通信を可能にする」です。
スマートウォッチ(バンド)も、もちろんIoT分野に関連するものです。バイタルデータを測定し、そのデータをクラウドに送信して分析して、スマートフォンなどの別のデバイスでも可視化させる、というようなプロセスを踏んでいるからです。
では、先ほど紹介した機能について、一つ一つ解説していきます

機能の解説

運動負荷測定

事前データとして登録されている利用者の個人情報(身長、体重、性別、年齢など)と測定データ(心拍数や加速度など)を組み合わせて算出されます。
単純に安静時と運動時の心拍数の変化から運動の強度を分析するだけではなく、加速度から動きの様子(ランニングやジャンプなど)を把握し、その種類や強度を測定します。また、それに加えて運動の持続時間などからも運動負荷を推定することができます。

心拍数測定

私たちが心拍数(脈)をはかるときは、心臓に手を当ててみたり、手首の脈に軽く指を置いてみたりしますが、スマートウォッチでは、を用いて測定します。手元に機械がない場合は装着している人をよく観察してみましょう。時々やけにまぶしい緑色の光が見えるでしょう。
これは「光学式心拍センサー」と呼ばれるそうです。
その仕組みを簡単に紹介すると、皮膚に緑色のLED光を照射し、反射光の変動から脈拍を測定するというかんじです。緑色というところが肝心で、どうやら血液が緑色の光を特に強く吸収する特性があるそうです。
脈に合わせて血管は広がったり狭まったりするのでその反射光の量から心拍数が分かるということです。参考にしたサイトに分かりやすい図があったので以下に載せておきます
image-8.png

血中酸素濃度測定

心拍数と同様に、これもまた光を用いて測定します。具体的には、酸素とヘモグロビンの吸収スペクトルの違いを利用します。下のグラフを見てください。
principle_pict002.gif
ひらがなの「し」のような形になっている方が酸素と結びついたヘモグロビン(HbO2)、もう一方が酸素を離したヘモグロビン(Hb)を表します。また、線が下に行くほど、その波長を吸収しない(良く通す)ことを意味します。グラフで縦線が惹かれているように、赤色光では差が大きくなっているので測定の際には赤色の光を用いる、ということです。
そして、そこからどれだけのヘモグロビンが酸素と結びついているかを算出するということです。

睡眠測定

まず、これは「加速度センサー」と「心拍数」を用います。睡眠時は特に安静な状態なので心拍数が低くなるというのは想像しやすいと思います。
一方、「加速度センサー」で何を判断するのかというと体の動きです。「そのままじゃないか」と思った方もいるかもしれませんが、これは睡眠の覚醒の判断に利用されます。覚醒時には寝返りなどの動きが多くなります。つまり、眠りが深ければ深いほど体の動きは少なくなるということで、それを測定、分析しているということです。
ちなみにですが、スマートフォンのアプリで睡眠の質を測ってくれるものがありますが、それはマイクから呼吸音の大きさ、リズムを分析するものもあるそうです。

ストレス値測定

これは私が想像していたよりも案外単純で、心拍数の変動(HRV、 Heart Rate Variability)を分析することで測定されます(ものによっては皮膚電位のものもあるかもしれません)。
変動が大きいほどリラックス状態を、変動が小さいほどストレス状態を示します。この理由は、自律神経系とHRVの関係にあります。
そもそも、自律神経には「交感神経(活動時)」、「副交感神経(安静時)」があります。副交感神経が優位なときはHRVが高く、逆に交感神経が優位な時は
HRVが低くなると覚えると理解しやすいと思います。
ちなみにですが、HRVをコントロールする最善の方法とされているのが呼吸です。私のつけているスマートバンドに「呼吸トレーニング」という項目があるのはこのためかもしれないですね。

おわりに

今回の記事では健康チェックの仕組みについて一つ一つ解説しました。将来、技術の発展により、より多くのことが小さなデバイスからでもわかるようになりそうですね(これ以上何を測定するのかという話ですが)。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。

参考

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