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リリースレトロスペクティブとは

スクラムを導入しているチームでは振り返りを行う事は多いと思いますがリリースに関してのレトロスペクティブを行っているチームは少ないと思います。
初期開発においてスクラムを通してチームが結成され、定期的なイテレータによりサービスリリースを迎えますが、この間に様々な改善が行われていったと思います。

リリースレトロスペクティブを行う事でリリースまでのチームでの作業を思い出し新たな気づきを得ることと、改善可能な課題を洗い出す事。また上手くいった事をチームに定着させて行くことを目的とし、
次のイテレーターで実際に実現可能な改善策を決める事をゴールとします。

今回は試験的なスクラム導入をしているチームで、リリースのタイミングでの振り返りをしようという事になりファシリテートさせていただきました。

準備

フォーカスを決める

  • レトロスペクティブを行うにあたりフォーカスを明確にします
  • スクラムチーム結成からスプリント開始、リリースまでの期間とします

参加者を決める

  • 開発チームだけではなくPOやプロジェクトに関わった人全員を招待し、全員参加が必須の重要なイベントであることを伝えます。

アクティビティを決める

比較的長い期間の振り返りとなるため必要なデータを決定します。

  • 客観的データ
  • イベントタイムラインで客観的事実を視覚化します。
  • 主観的データ
  • 感情セイスモグラムで個人的な感情やモチベーショングラフを視覚化します。
  • 改善策の洗い出しのためのインサイトとアクティビティ
  • 上記のデータからインサイトを洗い出します
  • スクラムで多く使われているKPTを選択します

イベントタイムライン

プロジェクトとチームに対してのイベントを洗い出します。

  • プロジェクト
    • 時系列で起こったイベントを思い出し全員で共有
    • 事実、重要なイベントだと思うこと
  • チーム
    • チーム内のイベント、個人的なイベントでもOK
  • 完成度の高いタイムラインを目指していきます。

感情セイスモグラム

  • イベントタイムラインや個人的イベントでどう感じたか、モチベーショングラフを曲線で書き視覚化します。

KPT

  • イベントタイムラインで投票したインサイトを通してチームとして今後何をすべきか議論する為、継続する事・問題点・試してみる事を洗い出します。

スケジュールを決める

時間

スコープにより時間を決めていきます。今回は5時間としました。

配分

各アクティビティの配分を決めます。
今回は下記のように前もってスケジュールしました。

  • アクティビティの中には投票、共有の時間も含めます
  • 説明・アイスブレイク・クロージングの時間も忘れずに含めます
  • KPTの改善策洗い出しを議論する時間が一番白熱する為多めに取っておいた方が良さそうです。

| スケジュール | time |
| ------------------------- | ---- | -------- |
| 準備・説明 | 20分 |
|イベントタイムライン | 30分 |
| 感情セイスモグラム | 15分 |
| 〜アイスブレイク〜 | 10分 |
| 共有 | 25分 |
| インサイト出し | 10分 |
| 〜アイスブレイク〜 | 5分 |
| KP | 50分 |
| 〜アイスブレイク〜 | 10分 |
| T | 50分 |
| Try決定 | 50分 |
| 〜アイスブレイク〜 | 5分 |
| クロージング | 20分 |

レトロスペクティブについての共有

レトロスペクティブ自体初めての参加者に向けてレトロスペクティブの説明とアクティビティの説明を共有します。

実施

  • 当日はファシリテーターとタイムキーパーとして徹しますが自身も各アクティビティに参加できるようにチームメンバーにもそれぞれ協力を仰ぎました。

投票

  • イベントタイムラインとKPTでそれぞれ投票を行います。
  • 投票によりチームが重要だと思っているイベント、改善が必要だと思っているイベントが明確になってきます。
  • Tryに関してはその投票を元に優先順位で議論をしていきます。

持ち票の配分

アクティビティ毎に投票を行いますが持ち票を決めます。
長い期間のレトロスペクティブでは多くのイベントとProblemが発生する事を想定出来ていたため、前もって以下の持ち票の目安を決めていきました。
参加人数、イベント数、Problem数を想定していたため当日持ち票数の決定に時間はかかりませんでした。

  • イベントタイムライン
  • KPTにつなげる重要なイベントの投票
  • 一人7票
  • Problem
  • 全員で洗い出したProblemから議論が必要な重要なProblemの投票
  • 一人 Problem数/9 票
  • Try
  • Problemの投票で絞り込んだProblemから議論したTry一覧から優先順位付けの投票
  • 一人3票

感想

スクラムを導入しているチームでもこれらのアクティビティをしているチームは少ないと思います。
今回リリースのレトロスペクティブとして準備をしっかり行ったため、チーム全体前向きに振り返りを行うことができとても有意義な会となりました。

またリリース単位でのイベントタイムラインを行うとスプリント毎の振り返りと視点が変わる為
スプリント振り返り以上の気づきが出てくることを体感できました。

普段スプリント振り返りをされている皆さんもリリースレトロスペクティブを体験してみてください。

リリースレトロスペクティブにご興味があればファシリテートしにお伺いします。

参考

エッセンシャルスクラム

アジャイルレトロスペクティブ

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