ずっと英語で調べていたのでおそろしく時間を溶かしてしまいました。わたしたちのように悉曇を日本語と混ぜて入力したいひとはたぶんいっぱいいるでしょうから,その人たちがもっとほかのことに時間を使えるように,書いておきます。
とりあえずコピペしただけで日本語と混ぜられるようにしてありますが適当に自分好みに変えてください。
パッケージ
非ラテン文字の多言語テキストを混植できるパッケージとして Polyglossia
、fontspec
、Babel
などがあります。しかし fontspec
以外に悉曇に対応しているパッケージはないようなので,この記事では fontspec
のみを取り扱います。fontspec
は LuaLaTeX もしくは XeLaTeX でコンパイルするパッケージであることに注意してください。
LuaLaTeX
% とりあえず日本語で打つ前提。
\documentclass{ltjsarticle}
% ``fontspec`` を入れる。
\usepackage{fontspec}
% Noto Sans Siddham を入れる。HarfBuzz にしないと合字がうまく機能しない。cf. [6].
\newfontface\sidd[Script=Siddham,Renderer=HarfBuzz]{Noto Sans Siddham}
\begin{document}
% 中括弧で囲うと欧文と混ぜられる。
こんにちは,大日如来の真言は「{\sidd \Uchar71052\Uchar71101 \Uchar71040\Uchar32\Uchar71082\Uchar71088 \Uchar71080 \Uchar71086\Uchar71091\Uchar71101 \Uchar71055\Uchar71101}」(oṃ a vi ra hūṃ khaṃ)です。
\end{document}
XeLaTeX
\documentclass{任意}
%とりあえず日本語を打てるようにする
\usepackage{xeCJK}
\setCJKmainfont{IPAexMincho}
\setCJKsansfont{IPAexGothic}
\setCJKmonofont{IPAexGothic}
% ``fontspec`` を入れる。
\usepackage{fontspec}
% Noto Sans Siddham を入れる。HarfBuzz にしないと合字がうまく機能しない。cf. [6].
\newfontface\sidd[Script=Siddham,Renderer=HarfBuzz]{Noto Sans Siddham}
\begin{document}
% 中括弧で囲うと欧文と混ぜられる。
こんにちは,大日如来の真言は「{\sidd \Uchar71052\Uchar71101 \Uchar71040\Uchar32\Uchar71082\Uchar71088 \Uchar71080 \Uchar71086\Uchar71091\Uchar71101 \Uchar71055\Uchar71101}」(oṃ a vi ra hūṃ khaṃ)です。
\end{document}
参考文献
[1] CTAN: Package polyglossia
[2] CTAN: Package luatexja
[3] CTAN: Package fontspec
[4] "Multilingual typesetting on Overleaf using polyglossia and fontspec" - Overleaf, オンラインLaTeXエディター
[5] 「梵字鏡フォントをLaTeXで利用」–曼荼羅寺
[6] 「新しいluaLaTeXと梵字フォント」―曼荼羅寺 - 本記事はほとんど曼荼羅寺様のこの記事に負っています。ありがとうございます。