3
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

今更ですが当時参加したことを思い出しながら投稿します

Web脆弱性診断からペンテスターへ:キャリアチェンジのリアルと学び

GMOサイバーセキュリティ byイエラエで働く井上大誠(@1am_nek0)さんが語った、Web脆弱性診断員からペネトレーションテスター(以下、PT)へのキャリアチェンジ体験談がとても実践的だったので、参加レポートとしてまとめます


🔁 キャリアチェンジのきっかけ

新卒でWebセキュリティの診断業務に就き、2年ほど経験した井上さん
やりがいは感じつつも、こう思うようになったそうです:

「ブラックボックス診断もホワイトボックス診断も、別に“仕事じゃなくても”できるんじゃないか?」

ちょうどその頃、社内の部署異動制度が新設されたことをきっかけに、ペネトレーションテスト部門への異動を決意

異動が決まってからは、

  • CRTO
  • OSEP
  • OSED
    といった資格・演習でスキルを磨き、準備を進めたそうです(※上司曰く「やる気があればOK」とのことだったとか)

🛠️ ペネトレーションテスターとしての日々

1. 外部PT:攻撃者としての視点での侵入調査

目的:インターネット経由で社内システムに侵入できるかを検証する

アプローチ

  • Passive Recon
    • サブドメイン列挙、Google Dorking、ASNマッピングなど
  • Active Recon
    • ポートスキャン、ディレクトリ探索など
  • Vulnerability Identification
    • 認証突破、SSRF、自サインアップのような「比較的見つけやすい脆弱性」もあれば、インジェクション系のような「見つけにくい脆弱性」も

OSSベースのシステムは、既知の脆弱性が埋まっている“宝の山”
ブラックボックスではなく、ソースコードが手に入ることで難易度が変わる点が面白いポイントでした


2. 内部PT:マルウェア感染後の被害拡大を想定した演習

目的:社員が感染した場合、ドメイン支配や情報流出が可能か調査

  • ゴール:ドメイン管理者権限の奪取、サプライチェーンリスクの評価
  • 環境:Active Directory を含む社内ネットワーク

学びと葛藤

  • 本番環境では一つひとつの操作が命取りになるため、慎重になりすぎて手が動かないことも
  • 「分かっているはずの攻撃手法」が、環境依存で思わぬ事故につながる怖さ
  • ベテランの先輩でも「知らないことはちゃんと調べる」姿勢が印象的だったそうです

この経験から、検証環境の自作ログ観察・ツール解析の重要性に目覚めたとのこと
ツールを“使うだけ”では得られない、本質理解が深まったそうです


🔄 Web診断とPT業務の違い

項目 Web脆弱性診断 ペネトレーションテスト
PDCAサイクル 短くて回転が早い 長くて抽象的なテーマが多い
分析対象 決まった画面やAPI 見えてないものを想像して検証する
工夫の余地 やや限定的 検証環境や再現アプローチなど無限にある

PT業務では「見えないものをどう仮定し、どう突破口を見出すか」が鍵

その分、「Plan → Do」のハードルが格段に高くなると語っていました


🎓 まとめ:キャリアチェンジを考えている方へ

井上さんの話から学べることは以下の通りです:

  • ペンテストは一見派手に見えて、実は地味で繊細な仕事
  • わからないことに素直になり、ちゃんと試す・調べる・記録する姿勢が大事
  • 自分の手で環境を作って試すことで、“わかった気”から“本当にわかる”へ

そして何より、

「やる気があるなら、やれる。やりながら学べる」

というリアルなメッセージが響きました


✍️ あとがき

PTの世界は興味がありつつ「別の世界」と思っていた部分がありました
今回の話を聞いて、その境界線は思ったよりも低く、乗り越えるための道もちゃんとあることに気づかされました

3
3
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?