はじめに
- アンモナイトは、ながらくWFで社畜として働き、言われた通りの仕様で言われた通りに実装することのみを考えて生きてきた。
- 納期・リソースは考えるが、顧客価値とかあんまり考えたことがなかった。
- いかにWFを事故なく回すかに全集中。(もちろん、そんなにうまくいくわけないので、たまに地獄絵図)
- 社内システムPMやPLがメイン業務で、ぬるま湯につかってた感ある。
ステップ1:テンケー!(天啓 or 典型)
3年くらい前のとあるイベントで「アジャイル」の精神に触れた(と思った)アンモナイトは、唐突に「自分はもはや化石的なエンジニア=生きるレガシー=駆逐される」ことを悟った。まだローンあるのに。
ステップ2:無知の知
自分が化石エンジニアであることは理解した。「アジャイル」が好きなことも自覚した。
だから、思い切ってイベントに参加してみたり、したのだが……。
アジャイラーと会話が成立するには圧倒的に知識量が足りない。
アジャイラーは勉強熱心なのである。いや、WFでも勉強熱心な方はいるが、アジャイラーは化石から見ると、勉強が「アクティブすぎる・守備範囲が広すぎる」。
アジャイルの理論に関する本はまだわかる。XPとか。そりゃ本(情報)を読まなきゃだよね。
スクラムもわかる。ガイドしかないから、詳細を埋めるためにいろんな本(情報・知見)が必要だよね。
リーンもそうだ。トヨタ流の知識もいるだろうなぁ。
他のアジャイルの実現手法もきっと同じだろう。
しかし、なぜイベントでの会話に「哲学」「組織論」「マーケティング論」「心理学」「文化人類学」「文学」等が出てくるのだ?
いや、「組織論」と「心理学」はまだわかる。アジャイルは結局、ひとがやることだから、そっち方面の知識は必要だよね。
でも、「哲学」は? あと「文学」と「文化人類学」に至っては、未熟なアンモナイトには接点すらわからない。
いきなり全方面カバーは不可能である。
ゆえに、アンモナイトはいったん、アジャイル・スクラム・ファシリテーション関係の書籍を読み漁ることにした。
ステップ3:きりがない
……どういう、ことだ……。
いったいどうやってアジャイルコミュニティの方々は書籍情報をゲットしているのだ?
昨夜アンモナイトが密林で探し回り、ようやくポチった本の話題を普通に今夜している。
しかもすでにしっかり読み込んでて、
「あそこの解釈はこうだと思う」「それはあの本にもあったよね」「(本の略称)はみんな読んでるよなー」という台詞が頭上を飛び交う。
アジャイラーのアンテナ、どこに立ってるの? どういう感度で、どういう範囲なの?
長らくアジャイルをされていた方なら蓄積があるのかなと推測できるが、
「ベテランじゃないです」と自己紹介した方も、ものすっごい読書してる。間違いなく密林ハイ課金者。
「ベテランじゃないです」=「初心者」ではない。「アンモナイトよりも高度な知識レベルの実践者」なのだ。
幸か不幸か、アンモナイトは一時期「中小企業診断士」の資格を目指したことがあり、組織論と戦略論、マーケティング理論は少しわかる。
でも、アジャイルのイベントの会話で「アーリーアダプター」って単語を聞くとは思わんかったよ!
「X理論・Y理論」「ドラッカー」「イノベーションのジレンマ」「人生論各種」「ほぼ日刊イトイ新聞」、果ては「来月出るあの本は」等、未来のことまで把握している。
某ブライ●艦長ではないが、「どうなってんの?!」とキレて叫びたくもなる。
この駄文をここまで読んでくださっているあなたに朗報。
アンモナイトが考えた「いい本の探し方」をこれから共有します。
ステップ4:やってみた
では、どうしたらいいのか? 自分のアンテナを張るしかない。感度を上げて、リサーチするしかないのだ。
ちょっと絶望的な結論になるが、そういうことになる。
アンテナの張り方は下記4つがあると考えた。(それぞれの詳細・メリット・デメリットは後述する)
1:1冊目の巻末の関連書籍を読み漁る
2:コミュニティやイベントに参加
3:密林で表示されるおススメ本を買いあさる
4:1人の著者の本を徹底的に追う
アンモナイトは2-4を実行した。1はURLだったり、英語論文だったりして難易度が高いものもあるので。
さらに2について追い打ちだが、
アジャイラーは書籍だけではなく、Discord、Slack、Facebook、Youtube、Podcast、Git、Qiita、note、ブログ、Twitter、情報サイト、オンラインゲーム等もカバーしてる。
本当にアンモナイトと同じ、1日=24時間ですか?
その世界線、1日の設定が120時間(24×5)だったりしませんか?
しかも当たり前だが、日中は仕事=業務もしている。コード書く、モデリングする、PJマネジメントやる、教育する、それぞれ個別の得意分野がある。(アジャイルな会社に勤めている方は日中アジャイルを実践している)
どういう……本当にどういう世界線……。(絶句)
アンモナイトは化石であり、かつ、かなりポンコツである。
正直、書籍集めはできるだけショートカットしたかった。
「これ!」という本だけをチョイスしたかった。←我慢弱い
しかし、そんなうまくいくわけない。アジャイルチーム同様、「成果の在り方はメンバー(ひと)による」のだ。
仮にアンモナイトがレベチなハイ・アジャイラー(?)の脳を乗っ取って、書籍情報収集方法を知ったとしても、
「自分のレベルに合った・自分のレベルを上げてくれる本」の探し方ではない。
同様のことがGo●gle先生の使い方やショートカットキーの使い方にも言えて、「そのひとが使いやすく・成果を上げやすい方法」でないと、コピーしたところで意味がない。料理もそうだし、ベッドのマットレスやPCのスペックだってそうだ。
「自分用」でなければ、「使えない」のである。
ゆえにアンモナイトの方法を共有しても、「使えん!」という感想もあるだろう。というか、必然的にそうなる。
ステップ5:「いい本の探し方」説明
お待たせしました、では、これから1-4の内容を順番に紹介する。
自己流だから、成果は保証できません!
1:関連書籍から攻める:1冊目を読んだ際に、巻末の関連書籍を読み漁る
メリット:1冊目から得た知識を補強できる:水平方向への展開
デメリット:たくさんの関連書籍の中でどれが自分のレベルにあってるか判定がムズイ&英語論文があったりする
2:イベントから攻める:コミュニティやイベントに参加、LTなどでおススメ本の情報を得る
メリット:旬がわかる:未知の別軸への展開・おススメ本コーナーを持ってるコミュニティがあったりする
(※本来の趣旨であるコミュニティ・イベントにちゃんと参加すること。
本情報目当てのくれくれ君はNGかつ、すごい失礼だから、ノーモア情報泥棒。
うちのばあちゃんが知ったら、グーでぶん殴られるよ)
デメリット:自分のレベルに合っているか判定がムズイ・話してる方はバックボーンありきで会話に出している
3:密林を信じる:密林で表示される「アジャイル」「スクラム」関連のおススメ本を買いあさる
メリット:広めに探れる。密林が勝手に関連書籍を勧めてくれる
デメリット:ハイ課金。廃人課金。カートに入れた後、請求額に震える。なお、密林のおススメはハズレも混ざってる
4:粘着する:1人の著者の本を徹底的に追う
メリット:その著者への理解が深まる・その著者の出版予定が分かる(垂直方向への展開)
デメリット:著者の研究内容・実践内容に情報が偏る可能性あり・あまりにも粘着するとファン→ストーカーへジョブチェンジする。
上記4つが初心者でも可能な攻略ルートだった。個人的な順番は、3→2→4→1 かなぁと考えます。
まず3の「当たり前品質」の本を知らないといけない。会話の成立のために。
それから2へ突撃、他の方の意見をうかがったり、自分の解釈を言ったりして理解を深める。
4は2-3の間に「この著者のことをもっと知りたい・どういう方だ?」時にやる。
一気に2、4が解決するのは「読書会イベントに参加」。
強制的に課題本を読み、イベントで意見・知見を共有、イベント後は密林で本を探しつつふりかえりになるので良。
読書については1-4が基本かと。
また、2、3ですが、相乗効果で、イベントでよく聞く本、密林でよく連動して表示される本は「あ、またこの本だ。外せない本なんだな」とわかるようになります。
ただし、下記注意!
前のほうでチラっと言ったが、
「アジャイラーは書籍だけではなく、Discord、Slack、Facebook、Youtube、Podcast、Git、Qiita、ブログ、Twitter、情報サイト、オンラインゲーム等もカバーしてる。」
そう、今回アンモナイトが紹介したのは「いい本の探し方」(自己流)であって、それ以外の情報源には触れてません!
1日=24時間の世界線の方はいきなり手広くやると確実に死ぬるので(身体的な意味でも・金銭的な意味でも)、まずは①書籍から、②書籍の中でも絞ってから、始めましょう。
2のイベント参加にはもう1つ大きなメリットがあって。
イベントで「社内では使っていないツールに触れることができる」ため、新しいツールへの心理的ハードルがめっちゃ下がります。
※セキュリティにはくれぐれも注意!
たとえばzoom、Slack、GoogleMeet、Discord、Miro、Mural、Notionなんかは会社によっては使わない。
でもイベントで使うと確実に経験値上がります。環境が変わった際に役立ちます。
「あー、これ、Miroなら瞬殺なのに」→社内でもMiro使えないか訊いてみようか。
「オンラインMTGなら背景画像があったほうがいいよな」→公式画像があるか確認してみよう。
zoomのブレイクアウトルーム、録画に至ってはどのコミュニケーションツールも似たようなものだから、ほぼチュートリアルなしで即日から機能使用可能。
ステップ6:まとめ
というわけでアジャイルの「いい本の探し方」について書いてみました。
「あなたが欲しい情報は、あなたにしかわからない」のです。
あなたにどんな情報がいま必要で、どんな情報なら腹落ちできるかは、あなたにしかわかりません。
たから、あなた専用のアンテナを作るしかない!
「魚が欲しいひとに、魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教える」(By 老子)
この投稿を読んだということは、「釣りたい気持ち」(Why)はもうありますよね。
「アジャイル用の釣り竿がわかんねぇよ!(渓流釣り用のやつ? それともバショウカジキ釣れるやつ? え、リールには自動がある? 疑似餌? なにそれ)」という問題(How)だと思います。
この投稿があなたの釣り竿になれば幸いです。
ご参考まで、アンモナイトが作った『アジャイルサムライ』を0地点とした場合の本の分布図をオマケに添付します。
これは忘れっぽいアンモナイトが「どんな本だっけ?」を把握するために作ったものです。
更新できてなくてちょっと古い、かつ、アンモナイトの読んだ感覚(フィーリング)基準なので、「これポジション違う!」というクレームは受け付けません。
もしポジションが違ってたら、ご自分の「分布図」を作成されるのもご一興かと。