Microsoft Edge が Chromium を採用することになった件について、The Mozilla Blog に掲載された Mozilla の "Goodbye, EdgeHTML" を訳してみた。英語力がアレなせいでアレな和訳になっているのは許してほしい。
Goodbye, EdgeHTML
Chris Beard December 6, 2018
Microsoft は、独立した共有プラットフォームをインターネットに提供することを正式に諦めた。Microsoft が Chromium を採用することで、オンライン上の生活のより多くの部分に対するコントロールを Google に譲り渡すことになる。
これはメロドラマのように聞こえるかもしれない。だが、そうではない。「ブラウザエンジン」 ー Google 製の Chromium と Mozilla 製の Gecko Quantum ー は、私たち一人ひとりがオンライン上で何をできるかの大部分を実際に決める、ソフトウェアの「内輪ネタ」の部分である。私たちが消費者としてどのコンテンツを見ることができるか、私たちがコンテンツを閲覧するときどの程度までセキュアであるか、そして Web サイトやサービスが行えることに対してどの程度私たちがコントロールできるか。「ブラウザエンジン」はそうしたコアとなる機能を決定づける。Microsoft の決定によって、Google は、私たち一人ひとりにどんな可能性を提供するか、より一層単独で決めることができるようになる。
ビジネスの観点から言えば、Microsoft の決定は理解できる。Google は私たちのオンライン上の生活のインフラをほぼ完全にコントロールしつつあり、それと戦い続けるのは儲けにならないだろう。インターネットがかつて私たちに提供していた自由や幅広い選択肢を諦めることで、Microsoft の株主たちは利益を得ることができるだろう。Google は才能豊かな従業員とユニークな資源を独占的に保持している強力なライバルだ。検索、広告、スマートフォンそしてデータ収集に及んでいる Google の支配は、私たちにとって不利な非常に偏った場を作り出している。
社会的、市民的、個人的エンパワーメントの観点から言えば、基礎的なオンライン・インフラのコントロールを 1 社に委ねてしまうことは恐ろしいことだ。これこそ Mozilla が存在している理由 (日本語訳)である。それが良いビジネスの機会になるからという理由で私たちは Google と競争しているわけではない。インターネットとオンライン上の生活の健全性は競争と選択に懸かっていると考えるから、私たちは Google と競争しているのだ。競争と幅広い選択肢が存在することで、消費者はどんなものをより良いと欲するかを決め、行動に移すことができる。
Microsoft の決定は Firefox が発展するのを難しくするだろうか? そうかもしれない。Google をより強くすることは多くの面で危険だ。そして、それに対する回答の大部分は、サービスや Web サイトを作る Web 開発者や企業がどうするかに懸かっている。もし Chromium のような 1 つの製品が十分なマーケット・シェアを持っていれば、Web 開発者や企業たちは自分たちのサービスやサイトが Chromium 以外でも動作するかはもう気にしないと決定しやすくなるだろう。それは Firefox がリリースされる前の 2000 年代初頭、Microsoft がブラウザ業界を独占的に支配していたときに起きたことだ。そして再び同じことが起こるかもしれない。
もしあなたが今日オンライン上の生活に起きていることを心配するならば、もう一度 Firefox に目を向けてほしい。Firefox は 18 ヶ月前よりも急速に良くなっている ー スピードとパフォーマンスに関して言えば Firefox は再び引けを取らないものになった。Firefox をデフォルトのブラウザとして 1 週間 使ってみて (日本語版)、それから決めてほしい。Firefox をより強くすることはオンライン上の生活に関する問題の全てを解決するわけではないだろう ー ブラウザは方程式の一部分に過ぎない。だが、もしあなたにとって Firefox が良い製品であるならば、あなたが使うことで Firefox はより強くなる。あなたが Firefox を使うことで、Web 開発者と企業は Chrome にとらわれずに考えることができるようになる。そして、このことによって、Firefox と Mozilla がインターネット上の生活全体をより良いものにすることを手助けすることになる ー すなわち、選択肢の幅が広がり、セキュリティのオプションが増え、競争が盛んになる。