#背景
IoTの本格的な各種現場への普及が始まる機運を見せているが、
まずは「見える化」してみようというプロジェクトが圧倒的に多いのでは無いか?
そもそも、見える化とはトヨタ用語(らしく)、PDCAサイクルを回す上で、現場が見えて無くてどうすんの?という所から始まっている(きっと)。
ここでいう「見える化」とは、ICTを使っての見える化という事になるわけだが、
一口に「ICTを活用した見える化」といっても、実際には80年代から既に始まっている枯れたシステムであり、ここ数十年にわたり脈々と「設備管理システムの一種や亜種」として根付いていると思われる。
#見える化2.0の要件
##前段
「見える化のVer2.0」とは、ICTによる見える化の進化版を指すことになるので、この要件を考える上で重要なのは、
IoTテクノロジがどのように活用されているか?
に尽きるのではないか。
しかし、テクノロジとしてはIoTが活用されていると言っても、その設計思想や出来た実装には大きな隔たりが出てきている。
「見える化2.0」に必要と考えられる要件を書き出してみたい。
##要件1:永続的なデータソース管理
事業ドメインや管理対象内の全てのモノが一意のIDで永続的にキチンと管理されている必要ある。
###残念な事例
####データの永続性の毀損
また、IoTのデータを保存する先も、RDBMSといった例も少なくなく、とある企業では
エネルギーデータの生値保存は、72時間と決まっていて、72時間を過ぎると30分単位でAVEした値しか取得できなくなる。三連休に入る際は、泣く泣く休出して生値を吸い上げている
という笑えるに笑えない話がある。これは、大量に収集されるセンサデータをRDBMSに貯め込む故、データ量の削減とDB内の整理の為に「生値を削除」して、当面エネルギー管理に必要なAVEった値のみを永続保存しているからに他ならない。
####データの一意性の毀損
現場に設置されているセンサや計測機器が変わったからといって、測定対象が変わる訳ではないのに、同じデータソースとして扱えないという例をよく耳にする。
これでは
折角データをKVS的なDBに突っ込んでいたとしても「残念極まりない」
としか言いようがない。
これはデータソースとしてのIDが、センサや計測起点で管理されいているため、データの一意性が失われてしまっている事を意味する。
###要件1を満たすために
これらの残念な事例やアルアルから考えるに、
・IoTデータの保存先として「RDBMSのからの脱却」
⇒ ソフトウェアの問題
・IoTデータの管理方法の改善
⇒ エンジニアリングの問題
は、避けて通れないと結論づけられる。
~ つづく ~