はじめに
初めて制御工学を習ったとき、伝達関数$G(s)$に$s=jw$を代入すれば、周波数伝達関数だ!と教えられました。その時は、あまり深く考えずそんなもんかと思っていましたが、ふと最近考えてみてその理由が分かった気がするので書いておきます。
s=jwの理由
伝達関数$G(s)$の$s$に$jw$を代入すると考えるから、理解が出来ていなかった気がします。この$s$が$G(s)$$=Y(s)/U(s)$の入力$U(s)$の$s$に代入されたものと考えればすっきりしました。
周波数伝達関数はそのシステムの周波数特性、ボード線図を知るために用いられます。そのとき、入力としてある周波数$w$の正弦波を入れます。この入力の正弦波の作成用に$\ddot{u}+w^2u=0$という単振動の系を考えたとき、その固有値$s$が$jw$だったのです。こう考えると、$U(s)$に$s=jw$を代入することによって、入力として周波数$w$の正弦波が生成されます。そして線形性により、出力も周波数$w$の正弦波となります。つまり、$Y(s)$にも$jw$が代入されたことになります。それらをまとめると結局は$G(s)$に$s=jw$を代入すれば周波数特性が分かる。つまり$G(jw)$が周波数伝達関数だ、ということで腑に落ちました。