はじめに
Juniper機器使ってますか?
いろいろな会社の製品を使いますが、初心者にとって、一番とっつきやすいのが、Juniper社の製品だと思います。
(もちろん、どの会社の製品も一長一短があります)
そんなJuniper社の製品を使用していて遭遇したnegotiationの問題について書いていきます。
リンクが上がらない Vol.1(事象発生編)
ある日、機器でリンクが上がらないとの申告を受けました。
この時点での状況は以下です。
- SFP:1000BASE-LX
- 光レベル:送受信ともに正常
- 弊社側機器状態(EX4300):
- Link Down
- negotiation:auto-nego
- 対向機器のMAC:見えない
- 対向側機器状態(Catalyst9300L):
- Link Down
- negotiation:auto-nego
- 対向機器のMAC:見えない
この時は、弊社側機器IFをdisable/delete disableすることで事象は解決しました。
リンクが上がらない Vol.1(切り分け編)
一旦は上記の手順で解決しましたが、事象の切り分けを行うことになりました。結果だけ書きます。
- 両端 no-negoでは発生しない
- 両端 auto-negoで発生するが100%ではない
- EX4300のdisable/delete disableで解決する
- EX4300 auto - C9300 no-negoで事象発生
- EX4300 down - C9300 up
- EX4300のdisable/delete disableで解決する
- EX4300 no-nego - C9300 autoで事象発生
- EX4300 down - C9300 up
- EX4300のdisable/delete disableで解決する
また、SFPのメーカーによる結果差分はありませんでした(純正でも3rd-Partyでも結果は変わらず)
リンクが上がらない Vol.2(事象発生編)
先程とは違う日、機器のテストを行っていた際に、テスト用機器との間でリンクが上がらない事象が発生しました。
この時点での状況は以下です。
- SFP:1000BASE-LX
- 光レベル:送受信ともに正常
- 機器状態(QFX5120):
- Link Down
- negotiation:auto-nego
- 対向機器のMAC:見えない
- テスト用機器状態(C4948):
- Link Down
- negotiation:auto-nego
- 対向機器のMAC:見えない
先程の知見があったため、IFをdisable/delete disableしましたが、事象が解決しませんでした。
そのため、両端をno-negoにすることで事象が解決しました。
また、回避策として、両端でSFP-T(LANケーブルに変換)を使用することで両端auto-negoでもリンクアップが確認できました。
リンクが上がらない Vol.2(切り分け編)
一旦は上記の手順で解決しましたが、事象の切り分けを行うことになりました。結果だけ書きます。
- QFX no-nego ~ 対向機器 auto-negoの場合、QFX側はUP、対向機器側はDOWNとなる場合があった
- EX2300、Cisco機器が対象
- リンクが上がっているときに、no-negoに設定されている機器側の送り(TX)を抜去した場合、送り側を抜去された側はリンクダウンしない(リンクアップし続ける)
- EX4300とMX240はauto-negoの場合でも発生する
また、SFPのメーカーによる結果差分はありませんでした(純正でも3rd-Partyでも結果は変わらず)
詳しい検証結果は、需要があれば書きます
得られた知見まとめ
今回の切り分けを通じて得られた知見や調べて分かったことをまとめます。
- Juniperのnegoには3種類ある
- Default Mode
- 設定不要で、元々のJUNOSと同じ動作
- ≒auto-nego
- Explicit Disable(gigether-options/ether-options配下でno-auto-negotiation)
- Auto-negotiationを明示的にDisable
- no-nego
- Explicit Enable(gigether-options/ether-options配下でauto-negotiation)
- Auto-negotiationを明示的にEnable
- flow-control、remote-faultも設定可
- auto-nego
- Default Mode
- EX4300やQFX5120で、1000BASE-LX(1G Fiber SFP)を使用する際は、no-negoを推奨
- SFPメーカ(純正 or 3rd party)による結果の差分はない!
- QFX5120-48Yは、1000BASE-LX(1G Fiber SFP)ではauto-negoをサポートしない
- OSの問題ではなく、筐体としてサポートしていない
- SFP-Tでは、auto-nego使用可能
- https://www.juniper.net/documentation/us/en/software/junos/interfaces-ethernet-switches/topics/topic-map/port-speed-qfx-switches.html#id-channelizing-interfaces-on-qfx512048y-switches
まとめ
1G のIFはnegoの問題があって大変
negotiationの概念がない10G IFを使おう!
(最近は3rd party製だと数千円で買える!)