はじめに
今年初めてAWS re:inventに参加し、Women of the cloudのセッションに参加しました。
その感想を記していきたいと思います。
↓ 主な発表はこちら ↓
AWS re:inventとは
世界中の AWS ユーザーが集まり、ベストプラクティスや最新情報を学ぶための年次カンファレンスです。
セッション
re:invent参加が決まってから、これは絶対行きたいと思っていたのが、Women of the cloudのセッションでした。
Women of the cloud とは、AWSがテクノロジー分野の女性と仲間を集め、インクルージョンによってビジネス成果を上げているリーダーの話を聴くプログラムです。
2つのセッションに参加したので、その感想を書いていきます。
Breaking the code: Women redefining the future with AWS
まず参加したのは、Breaking the codeです。これは、IT業界と同じく女性の少ないレーサー界や航空エンジンメーカーで、障壁を打ち破ってきた女性リーダー達のセッションでした。
要約
テクノロジー業界における女性の地位向上のため、多様性と包括性が非常に重要だ。世界各国から集まった女性たちが互いにネットワークを構築し、課題に対する意欲を共有しながら、前に進む勇気を持つべきである。また、男性も女性の味方となり、女性の活躍を後押ししていく必要がある。自身の可能性を信じ、怖れずに挑戦していくことで、女性がさらに力を付けられるだろう。 女性が前に進むためには、メンター制度やスポンサー制度が重要な役割を果たす。スポンサーを見つけるには、積極的にアプローチすることが肝心である。メンターは単に指示するのではなく、あくまでもメンティーの力を引き出すサポート役に徹する。自信を持ち、常に挑戦し続けることが、インポスター症候群を克服する近道となる。 テクノロジーの未来を切り開くには、女性と男性が共に協力して多様性を受け入れることが必要不可欠である。過去のジェンダー観にとらわれず、互いを尊重し合う風土を醸成することが何より重要だ。皆で手を取り合い、前を向いて歩んでいこう。
感想
クラウドコンピューティングの世界で、女性が占める割合はわずか28%という衝撃的な数字から始まり、IT業界と同じく女性が少ない業界で戦ってきた力強い女性リーダー達の言葉に勇気づけられたセッションでした。個人的に印象的だったのはメンターと合わせて、スポンサーという概念が出てきたことです。スポンサーは、セッションの中で、「対象の人に対して、自分のスキルと経験を共有し、他の人々に紹介してチャンスが与えられるよう計らう人」という意で使われていました。思えば自分も入社してから沢山のスポンサーの先輩に恵まれてきましたし、そういう存在になっていきたいなと思いました。
Women-led innovation in the cloud: Shaping the digital frontier
次に参加したのは、Women-led innovation in the cloudです。これは、IT業界で戦ってきた世代の違う女性リーダー達のセッションでした。
要約
クラウドテクノロジーとイノベーションについて、女性の自己紹介と経験談を交えながら、テクノロジー業界で女性が活躍する意義と課題について議論がなされた。好奇心、挑戦心、共感力、協調性といった女性的な資質がテクノロジー分野で重要視されるようになり、ダイバーシティを尊重する意識が高まっていることがわかる。 28歳のケイシャは、若手ながらBPでエネルギー業界の最前線に立ち、テクノロジーの進化に感動を覚えた。一方、カビタはインターネットブラウザ開発の黎明期に女性技術者として参加し、テクノロジーと女性の間の価値観の違いを経験した。 シェリーは70代のベテラン起業家だが、好奇心と挑戦心に満ちており、リスクを恐れずに新しいことに果敢に取り組んできた。彼女は、男性的な決定論的思考に加え、女性的な共感や情熱といった資質の重要性を説く。 ケイシャは、BPでの事業運営においてダイバーシティを重視し、エネルギッシュで協力的なチームを率いてきた。カビタは、女性のリーダーシップ発揮を後押しする立場にあり、権威者とも対等な関係を保つ重要性を自らの経験から学んだ。 クラウドとテクノロジーの進化に伴い、これまで軽視されがちだった女性的な資質がビジネスにおいて重要視されるようになり、女性が活躍するフィールドが広がってきたことが確認された。
感想
女性がリーダーシップを持つこと、そして中間管理職を抜けて、上級マネジメントに女性が参入する重要性が力強く説かれたセッションでした。議論の中で、登壇者が世界経済フォーラムに参加した話や、ミシェル・オバマ氏と対談したエピソードが披露され、規模の違う活躍ぶりに圧倒されました。また、デロイトでは毎年女性リーダー達の成功やストーリーを議論する「Women in Tech Day」を開催していることや、Girls who codeという女性のプログラミング学習を推進するNPO団体があることなども、知ることができてよかったです。セッションの中では、男性的な資質として、直線的・決定的・分析的・数学的、女性的な資質として、感情的・協調的・共感的・情熱的が挙げられており、多様な資質を持った人々が意思決定の場にいるべきという考えに強く共感しました。
インポスター症候群について
「インポスター症候群」という単語が2つのセッションで共通して出てきており、興味深かったので、この記事にも記したいと思います。
インポスター症候群
自分の力で何かを達成し、周囲から高く評価されても、自分にはそのような能力はない、評価されるに値しないと自己を過小評価してしまう傾向のこと。
インポスター症候群は、一般的に男性より女性が陥りやすいとされ、聡明で有能な女性、高いキャリアを築いている女性や専門職の女性に多い傾向があるともいわれます。
私は、このセッションで初めて「インポスター症候群」という単語を知ったのですが、まず思ったのは、これって名前が付いているんだ!ということでした。私は成果を褒めていただいたときに、「みなさんのおかげです。」「たまたまです。」とたまに言ってしまう時があるのですが、この「インポスター症候群」を知って、過度な謙虚さは自分の成果を正しく認められなくなるかもしれないなと思ったので、気を付けたいと思いました。
参考:
全体を通しての感想
元々強く参加を希望していたセッションだったので、当日はすごく楽しく学びが多かったです。セッションを通じて、新しい概念や活動を知ることができたのも大きな収穫でした。また、re:inventの参加者は男性が多いので、200人ほどのセッション会場がほぼ女性で埋め尽くされている、このセッションならではの光景を見れたのも良かったと思っています。挑戦する勇気や自信、高いモチベーションが得られるセッションだと思うので、男女問わず、気になった方は、来年のre:inventで参加してみてほしいです。(「もっと男性の参加者が増えるといいですね」という話もセッション中にありました)
最後に、私がWomen of the cloudのセッションに行きたいなと思うきっかけとなったブログを紹介し、記事を終わりたいと思います。
以上です。ありがとうございました。