あなたはGlideを知っているか
Glideというノーコードツールをご存知でしょうか?ノーコード初心者でも簡単にアプリを開発できるツールです。(偉そうに書いてますが、私もつい1週間前に知りました。)
公式サイトは全て英語なので、詳しい解説はNoCode Japan Newsの記事をご確認ください。
Glideは、アメリカ発のアプリケーション開発用ノーコードツールの一つです。データベースをスプレッドシートで管理することができ、ある程度プログラミングやデータベースの知識があるとスムーズにキャッチアップできる他ツールに比べても圧倒的なわかりやすさを実現しています。
アプリ開発といえば結構なお金をかけて開発するイメージですが、Glideを使うと簡単なモノであれば、30分で見栄えのするアプリが作れます。
テンプレートしか使ってないのに見た目もとても可愛いです。
今回はGlideを使って仕事で役に立つイベント報告用アプリを作りました。
作ったアプリのURLはこちらです。まずは実際にどんなアプリかご覧ください。
イベント報告用アプリURL
https://purple-run-6268.glideapp.io/dl/d0a5f4
初心者が30分で作ったとは思えない出来栄えです。
そもそもイベント報告って何のこと?
私は商業ディベロッパーに勤めています。北海道から沖縄まで全国100以上のショッピングセンターを開発し、運営管理しています。
ショッピングセンターでは、集客を増やすためのイベントが毎週開催されています。
ステージショーやワークショップ、期間限定の物産展、ウォーターサーバーやクレジットのPRなどを一括してイベントと呼びます。出店テナントの客数アップを目的としているだけでなく、
PR系のイベントなどは場所代として賃料をいただくので、重要な収入源となっています。
毎週、開催イベントの報告をして事例共有を行い、お互いの成功事例を見て、次のイベントの企画立案に役立てます。
現在のイベント報告方法
現状は毎週1回、SC毎に、Excelシートへ必要事項を記入して、イベント画像を貼り付けています。
これが地味に面倒くさい作業なんです。
まず、夏休みや年末年始など、大型連休の時期などは規模の大きいショッピングセンターでは週に10件以上のイベントが開催されますが、1件ずつちまちまと画像を貼って、必要事項を記入してという作業をパソコンと睨めっこしながらやります。
実際の報告の流れとしては、
- カメラでイベント写真を撮る
- パソコンに画像を読み込ませる
- 画像を圧縮する→Excelシートに画像を貼る
- 必要事項を記入する→週報と一緒に会社の共有フォルダーにアップロードする
- 報告先(会社の偉い人たち)にメールで送付する。
というような流れです。
しかも、今はセキュリティの関係で、特定のPCしかUSBポートが使えなかったり、社用携帯から共有フォルダーへのアクセスが出来ないので、PCへメールで画像を送信したり、結構な手間がかかります。
投稿内容はシンプルなのに、工程が多く、ショッピングセンター毎にExcelファイルを作るので検索性も悪い状況です。
報告先の方々も、毎週100件近くのExcelファイルをひとつづつ開けて確認するのは大変な作業だと思います。
(実際、報告先の方々は読み飛ばしているわけではなく、隅々までよく読んでいて、目につくと詳細を聞くための電話がかかってきたりします。)
この報告作業をアプリ化することによって、Twitterのように気軽にいつでもどこでも投稿できて、閲覧もできるようにしたいです。
やってみましょう!
いざ作成 待ってろよGlide
今回参考にさせていただいた記事はこちら
とても楽しそうに作成されていて素敵です。
私も楽しく作っていきます。
Glideはテンプレートも色々用意されていますが、(厳密には有志の方の提供だそうです)
今回はNew projectを選択
アプリの名を記入、Glide Appを選択してContinue を押します。
今回は既に元々合ったイベント報告用Excelシートを元にGoogle スプレッドシートを作成してあるので、Google sheetを選択します。
Google sheetにアクセスするのにGoogleアカウントにサインインするよう指示がでますので、sign in with Googleを押します。
サインインしたら、アプリ化したいスプレッドシートを選びます。
そうするとスプレッドシートを元に自動でアプリを生成してくれます。もう既にそれっぽいですが、色々と微調整をしていきます。
リストの表示方法の編集をして、画像の並べ方やサイズを調整します。
表示項目の変更をします。
今回はお気に入りボタンが欲しかったので、ButtonでFavoriteを設定しました。
そして今回のアプリの最大のポイントである、「投稿ボタン」の設定をしました。
ちなみに画像を押すとスプレッドシートに書いてある情報の詳細が表示されます。
スプレッドシートの情報はこちら。
このスプレッドシートの行に新しい情報を入力するとアプリ画面に反映されます。
アプリ名の変更(「報告」ではなく「投稿」にしました)とアイコンを変更、そして説明書きを入れるます。
Glideでは詳細なアプリ設定が行えますが、やればやる程深みにハマるので、今回は程々に留めてサクッと済ませてしまいます。
編集方法を覚えればここまで30分ぐらいで設定できます。(私は試行錯誤して3回ぐらい作り直してます。)
いよいよプレビュー
スマホのGoogle Chormeのブラウザで確認しました。
良いですね!ノーコードの勉強を初めて3週間目の素人が作ったとは誰も思わないでしょう。
見た目はTwitterというよりはInstagramに近いかも。
ではいよいよ、アプリからのイベント情報投稿です。必要事項を入力して追加ボタンを押します。
実際に使用してもらってのフィードバック
使用場面と制作意図を伝え、実際にアプリをさわって貰い、運用のイメージが湧くか聞いてみました。
営業企画部Oさんのフィードバック
まずは、4月までショッピングセンターにいた、営業企画部のOさんに試してもらいました。
- 使えそうです。
- 実際にこれで投稿できるようになったらショッピングセンターの担当者も楽になると思います。
- 画像は複数投稿できるようにしたいです。
- 期間は複数日になることもあるので複数選択できると良いです。
- 開催ショッピングセンター名とか実施場所のcolumnが欲しいです。
- ちなみにこれって容量どれぐらいまで保存できるんでしょうか?スマホの写真をそのままアップロードすると容量すぐ無くなっちゃいますよね。やっぱり圧縮してからアップロードでしょうか。
- イベント毎、ショッピングセンター毎とかでソートできると良いですね。
- 自分のショッピングセンターの過去事例がすぐ見られるようになると便利です。
実際にイベント報告をしていた立場からの意見と、現在本社スタッフとしてのイベント報告を集約する立場から貴重なご意見をいただきました。ユーザー目線の鋭い指摘です。
財務経理部のSさんのフィードバック
畑違いの部署から、財務経理部のベテランSさんにも使ってもらいました。
- これなら何にも知らなくてもすぐ使えそう。
- このアプリなら、固定資産の棚卸しとかでも使えそう。投稿場所の位置情報を記録してフロアマップに表示出来るともっと良い。
- 固定資産担当チーム(ショッピングセンターで固定資産棚卸しがちゃんとできているか抜き打ちチェックを担当しているチーム)に需要があるか聞いてみるね。
※固定資産棚卸しとは
年1回、固定資産管理台帳を片手に、固定資産管理番号シールのついた備品(例AED、ディスプレイ、カウンター台など)を探し求めてショッピングセンターの中を彷徨う業務。何故か見つからない備品が毎回一つ二つあって非常に困る。
ご自身が営業担当になったつもりでご意見くださいとお願いしたところ、使用感のみならず、Glideの活用提案をいただきました。
画像と文字情報をスマホから投稿することで、スプレッドシートに集約されて、尚且つチーム内で共有できる部分に興味を示された様子です。
フィードバックを受けての反省
良いところ
- ネット環境が有ればどこからでも投稿できる
- 仕事がスマホだけで完結する
- 簡単に投稿できる
- 全てのショッピングセンターの情報が簡単に閲覧できる
- 検索できる。
- 参考にしたいイベントをお気に入り保管できる。
- スプレッドシートに自動的に集約される
改良点
- ソート機能の追加(Glideの設定で可能)
- 閲覧者が用途に応じて画面レイアウトを変えられる(表示件数の変更)
- アップロード時に自動で画像圧縮がされる
- 投稿場所の位置情報の取得
- 容量問題の検討
→無料枠だと100MBまでなので、実際に運用にする時に画像圧縮をしても1ヶ月(投稿数2000件想定)でいっぱいになってしまう。利用者や過去事例の履歴検索も考えると、画像データはアップロード後に別場所にデータ保管されるようにしないと厳しそう。
サクッと作った割には、もう少し手を入れれば実際の運用も目指せそうなレベルのアプリができました。
恐るべしGlide。
もっと色々な活用方法を模索したいと思います。
オマケ(失敗作)
自部署用にも既存のスプレッドシートを読み込んだアプリを作ってみました(制作時間10分)
がしかし、
- 何に使うんですか?
- ショッピングセンターの事務所の電話番号とか、何の設備があるかとか
の検索とか? - うーん、エクセルで見るのと変わらなくない?
不評でした。
気軽に作れるといっても、やはり創意工夫が無いと仕事では使え無さそうです。