ToradexはColibri iMX8X システムオンモジュールの早期アクセスを開始します。このSoMは、新しいNXP® i.MX 8X SoCを採用しています。これは、NXP i.MX 8ラインの中では唯一Arm® Cortex®-A35コアを搭載したSoCです。この記事では、この新しいプロセッサに関するいくつかのインサイトと、他製品との比較について、説明します。
Arm Cortex-A35は、最も効率のよいArmv8-A 64ビットプロセッサです。Cortex-A35は、Cortex-A5、A7、A9およびA15などのArmv7-A 32ビットコアと完全互換性を持っています。これらの32ビットコアは、NXPやNVIDIA®のSoCを採用した多くのToradex SoMに搭載されているものです。
8ステージのインオーダーパイプラインを使用しており、このパイプラインはArmv8の全機能を活かすと同時に電力効率が最大となるよう最適化されています。パワーマネージメント性能が向上したArm Cortex-A35は、高い効率性をもたらすだけでなく、待機時の電力消費量も削減するので、バッテリーの寿命を延ばし、発熱量を最低限に抑えることができます。
Colibri iMX8Xでは、モジュールに低電力のLPDDR4 RAMを搭載し、SoMの電力消費量を更に削減します。Toradexは、パワーマネージメントが組み込まれたLinuxベースのソフトウェアを提供しており、全自動であるいは短時間で簡単な手動設定によって、低電力性能の利点を活かすことができます。
Cortex-A35は32ビットおよび64ビット双方のコードを実行できるため、新しい機能を活用すると同時に、完全な下位互換性を確保することができます。
Cortex-A35は、Cortex-A7とは異なり、Armv8の新しい機能を備えており、64ビットのサポートや15個の32ビットレジスタに代わる31個の64ビット全般用途レジスタなどがあります。NEONユニットにもいくつかの改善が加えられており、その結果、マシンラーニングやコンピュータービジョンといったタスクにおけるパフォーマンスが大幅に向上しています。
Cortex-A35は、Cortex-A7と比較して、同一のクロック速度で、消費電力量を10%抑えると同時に[1] 、最大40%早いパフォーマンス[1] の実現を可能にします。Cortex-A7コアはToradexのColibri iMX7およびColibri iMX6ULLシステムオンモジュールに搭載されています。
Cortex-A35とCortex-A53には多くの類似点があり、双方とも64ビットArmv8-Aアーキテクチャで、8ステージパイプラインのインオーダー型、制限的デュアル発行アーキテクチャとなっています。
Cortex-A35は、ワークロードにより、同一のクロック速度でCortex-A53のパフォーマンスの80%から100%に達することができます[1] 。興味深いのは、その際に消費する電力量が、使用可能な電力量の68%にしか達しない[1] 、ということです。
Cortex-A53は、ハイパフォーマンスのCortex-A72コアと共にToradexのApalis iMX8に搭載されています。
お客様のアプリケーションにおけるCortex-A35の動作を確認するには、登録いただき、Colibri iMX8Xへのアクセスを入手してください。このColibri SoMでは、2個あるいは4個のCortex-A35を採用しており、クロックは最大1.2GHz、2GBのLPDDR RAMおよび最大8GBのeMMCが搭載されています。加えて、Cortex-M4マイクロコントローラコアも搭載されており、消費電力量をさらに削減したりリアルタイムタスクをオフロードしたりできます。