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[FreeBSD jail]ホストと同じIPアドレスを持ったjailの作り方

Last updated at Posted at 2014-08-06

はじめに

IPアドレスがひとつしか貰えないVPSで、サービスごとのコンテナを作って運用したい。
しかもFreeBSDで。

...というわけで、さくらのVPSで実際にやってみました。

概要

ターゲットは、FreeBSD 10.0-RELEASEです。
コンテナは、FreeBSDに標準機能のjailを使用します。現段階ではezjail等のサポートツールは使用しません。

jail(監獄)になぞらえて以降は、ホストはJailer(看守)、コンテナはPrisoner(囚人)と書きます。

手順

FreeBSD 10.0 RELEASEがインストール済みであることを前提にします。

Prisonerのファイルを用意

Prisonerを置くディレクトリを作成します。
例として、/home/jailsとします。

# mkdir /home/jails

bsdinstallerを使ってファイルを用意します。
baseという名前でPrisonerを作成します。

# cd /home/jails
# bsdinstall jail base

ミラーサイトの選択の後、追加パッケージの選択になります。
ここでは、lib32があれば十分です。
ウィザードに従い、インストールを終わらせます。

jailの設定ファイルを作成

Jailerにjailの設定ファイルを作成します。

[/etc/jail.conf]
exec.start = "/bin/sh /etc/rc";
exec.stop  = "/bin/sh /etc/rc.shutdown";
exec.clean;
mount.devfs;
path = "/home/jails/$name";
host.hostname = $name;

base {
        ip4.addr = <JailerのIPアドレス>;
        allow.chflags;
        allow.raw_sockets;
}

baseというPrisonerに対して、

  • Jailerと同じIPアドレスを割り当て
  • RAW SOCKETの使用許可(ping等が使用できるようにするため)
  • chflagsの使用許可(freebsd-updateが実行できるようにするため)

を与えています。

Prisonerの起動とコンソール立ち上げ

JailerでPrisonerを起動します。

# service jail onestart base

引き続き、シェルを起動しPrisonerの環境に入ります。

# jexec base /bin/csh

シェルが起動すれば、Prisonerの環境下でpkgコマンドでパッケージを追加することも可能です。
PrisonerのコンソールでexitすることでJailer環境のシェルに戻ります。

おわりに

公式のFreeBSDハンドブックを始めJailerとPrisonerは別のIPアドレスを使う説明がほとんどで、小飼さんのブログを読むまで同じIPアドレスが使用できることを知りませんでした。
VIMAGEでJailerとPrisonerでプロトコルスタックを分離してnaptとか考えてましたが、そんな難しいことをする必要はありませんでした。

Dockerがキッカケでコンテナ化が注目を集めていますが、FreeBSDにもずーっとjailという手段があるということ知っていただければと思います。

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