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Azure VM Backup と 3 - 2 - 1 ルール について

Last updated at Posted at 2024-06-11

こんにちは、アーキテクトのやまぱんです。
補足コメントや質問、いいね、拡散、是非お願いします🥺!
間違ってたら優しく教えてください!
今回は Azure VM Backup における 3-2-1ルール に ついて調べてみました。

モチベーション

Azure Backup (Azure VM バックアップ) って 3-2-1 ルールに準拠してるんだっけ?っていうお話が起こったので調べてみました。

3-2-1ルールって?

そもそもここでいう3-2-1ルールについての説明です。
3-2-1ルールとは、データのバックアップにおけるベストプラクティスの一つです。
簡単にいうとバックアップデータを保存する際に以下の点に考慮しましょうという点です。

バックアップにおける 3 - 2 - 1 ルール

  • 3 つのコピー:単純にデータが失われる可能性を減らす
  • 2 種類のメディア:物理的に異なるメディアを 2 つ 使うことで、一つのメディアが故障しても他のメディアがデータを保護する
  • 1 つの地理的に異なる場所:火災、洪水、盗難などの災害からデータを守る

ここであいまいなのが物理的に異なる場所です。
どれくらい離れていればいいのかが不明瞭ですが、火災、洪水、と考えると Azure の場合ゾーン冗長があればいいし、大規模地震と考えるとリージョン冗長があればOKと考えられます。

Azure の基礎知識

本題に入る前に基礎知識のおさらいです。

リージョンとゾーン

image.png

  • リージョン / Region
    物理的に隔離されたデータセンターの集合体

  • ゾーン / Zone (可用性ゾーン / Availability Zones)
    リージョン内の個々のデータセンターをさらに分割したもの (1つ以上のデータセンター)
    各ゾーンは独自の電源、冷却、ネットワーク装置をもつ → 障害の発生時に他のゾーンに影響を与えないように設計される

参考) MS Learn - データの冗長性 - Azure Storage
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/common/storage-redundancy

(一部リージョンではゾーンがない、例えば西日本リージョンはゾーンがない(2024/05/現在))

冗長性

ここでは基本的な LRS/ZRS/GRS といった基本的な冗長性について取り扱います。

LRS:Locally Redundant Storage

image.png

・1つの データセンター内で3つのコピーを持つ
・イレブンナイン (99.999999999%)以上
ハードウェア障害に対応

ZRS:Zone-Redundant Storage

image.png

・3つの異なるゾーンのDC内でそれぞれ1つのコピーを持つ
・トゥエルブ ナイン (99.9999999999%)以上
ゾーン / DC 障害に対応

GRS (RA-GRS):Geo-Redundant Storage/ (Read-Access GRS)

image.png

・2つのリージョンでそれぞれ LRS 構成
リージョン障害に対応
・シックスティーン ナイン (99.99999999999999%) 以上

RA-XXX : Read-Access-XXX について

  • RA-XXX : セカンダリリージョンのデータへのアクセス(読み取りアクセス)が平常時でもできる
  • XXX : 一方 RA-がつかない場合は Azure によってプライマリ リージョンでの障害が宣言されるまで、セカンダリリージョンのデータにはアクセスできない

Azure VM バックアップ のふたつのバックアップポリシー

image.png

  • 基本的にはエンハンスドポリシーを利用するのがよい
    新しいサービスへの対応は日に日にアップデートされている

Azure VM バックアップ のふたつの保存先

  • Azure VM バックアップのシーケンス
    ① Azure VM バックアップはディスクのスナップショットを取得 (Take Snapshot):
     デイスクのスナップショット領域にデータを保存 (スナップショット層)
    ② Recovery Services コンテナーへ転送 (Transfer data to vault):
     ディスクのスナップショット領域に保存したデータをRecovery Services コンテナーに保存(コンテナー層)

スナップショット層 (Snapshot Tier) /運用レベル /

  • バックアップ元の Azure VM (ディスク)のスナップショット領域
  • インスタントリストアに用いられる(インスタント回復スナップショット)
  • 保持期間はコンテナー層に比べて短め
  • 冗長性は LRS(スタンダードポリシー) or ZRS(エンハンスドポリシー)

コンテナー層 (Vault Tier / Vault-standard)

  • バックアップ専用のストレージ、単にコンテナー や Recovery Services コンテナー、vault とも呼ばれる
  • Azure VM (ディスク) とは物理的に異なる場所(同じリージョン内)
  • スナップショット層のデータがなくなった場合、コンテナー層からのリストア
  • 冗長性はLRS/ZRS/GRS/RA-GRSなど 設定次第(対応状況はリージョンによる)

Azure VM Backup と 3-2-1ルール

やっと本題です!

3つのコピー

元のデータを含めて、データの3つのコピーを作成

  • Azure VM Backup なら・・・スナップショット層、コンテナー層ともに 最低 LRS の冗長性 があるのでそれぞれで満たす

2種類のメディア

データのコピーを少なくとも2種類の物理的に異なるメディアに保存(内蔵HDDと外付けHDD、クラウドストレージなど)

  • Azure VM Backup なら・・・①スナップショット層、コンテナー層の2種類の異なるメディアに保存されるので満たす(エンハンスドポリシーの場合は1日1回のみのバックアップがコンテナー層に転送されます)
  • Azure VM Backup なら・・・②スナップショット層、コンテナー層のそれぞれの冗長性は最低 LRS の冗長性があるのでそれぞれで満たす。

1つは地理的に異なる場所(オフサイト)に保管する

少なくとも1つのコピーを地理的に異なる場所(オフサイト)に保管

  • Azure VM Backup なら・・・スナップショット層またはコンテナー層のそれぞれの冗長性が ZRS や GRS以上であればゾーンレベルまたはリージョンレベルの地理的に異なる場所にデータを保存されるのでそれぞれで満たす(LRSはハードウェア障害にしか対処できないのでNG)

まとめ

結論、冗長性が ZRS 以上であれば、スナップショット層、コンテナー層それぞれで 3-2-1 ルールを満たすと考えられます。
つまり、Azure VM バックアップ以外のコンテナー層に Azure Backup であれば、Recovery Services コンテナーの冗長性が ZRS 以上であれば、Recovery Services コンテナーのデータで 3 - 2 - 1 ルール を満たすと考えられます。

よだん

ランサムウェアはマルウェアのようなものではなくて、VPN装置とかRDP経由の脆弱性などついた侵入が大半らしいです。

ref: .NETラボ 勉強会 2024年7月 で お聞きしました

関連

謝辞

この記事を作成するにあたり、親愛なる同僚・仲間にアドバイスをいただきました、感謝します。

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