はじめに
先日、開催された try! Swift Tokyo 2025 で、「Graph Art with Charts API – Beyond Data Visualization」というテーマでLT登壇しました。
この記事では、発表に至るまでの体験や準備の裏側についてご紹介します。これから登壇を目指す方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
プロポーザル応募〜採択まで
今回のプロポーザル募集期間は1月中旬〜1月末、採択通知は2月中旬頃に行われ、全体としてかなりタイトなスケジュールだったと思います。
これまでの try! Swift の内容や英語での登壇を考えるとハードルの高さが気になり、プロポーザルを提出するかどうか迷っていたのが正直なところです。それでも、「出さなければチャンスは掴めない」と思い直し、思い切って提出することに。実際に応募したのは締切の数時間前でした。
今年はワークショップの開催がなく、3日間すべてトークセッションだったこともあり、採択数は例年より多かったそうです。
テーマ選定
昨年の WWDC2024 のセッションで、Swift Charts がパラメトリック関数に対応したことを知ったときから、実際に試してみたいと考えていました。もともと数学には「関数アート」と呼ばれる分野があり、世界大会が開催されるほど注目されています。そこで、この新しい API を用いて、Swift で関数アートを表現することをテーマに選びました。
参考:Swift Charts: Vectorized and function plots
スケジュール
スライドの一次提出期限が3月中旬だったため、登壇当日までのスケジュールは以下のように組み立てました。
- 2月末まで
- 関数アートの作成
- 3月中旬まで
- スライドの作成
- 3月末まで
- 登壇練習
- 当日まで
- 最終調整
登壇が決まってから、2月中は Charts API を使っていくつかのアートを試作しましたが、アート向けの関数ではなかったため、思い描いたような表現ができずに苦労しました。公式の API ドキュメントもあまり詳しくなかったため、実際にコードを書きながら手探りで進めていきました。
特に、複雑なパラメトリック関数やバラ曲線を LinePlot で描画し、その内側を AreaPlot で塗りつぶすことは、現在の Charts API では簡単ではなく、関数アートの完成には多くの時間を要しました。
英語登壇
まずは、登壇用のスクリプト作成から始めました。
スライドをもとに、プロトタイプの原稿を ChatGPT に生成してもらい、それを自分らしい表現に修正しながらブラッシュアップしていきました。
その過程では、実際に声に出して読みながら、話しにくい単語や言い回しを、より自然で言いやすい英語に調整しました。ChatGPT に複数の言い換え案を提案してもらい、その中から話しやすいものを選んで使いました。
完成したスクリプトは ElevenLabs を使って音声化し、オーバーラッピングで発音やリズムの練習をしました。慣れてきたら、なるべくスクリプトを見ずに話す練習も取り入れました。抑揚については、自分が伝えたいニュアンスに合うよう、自分なりに調整しました。
練習の中で、全体を7分程度で話せることがわかっていたため、本番前日まで繰り返し練習を重ねました。
英語学習
英語学習は日々時間を確保して取り組んでいますが、上達にはかなり時間がかかっていると感じています。
昨年末までは、英語学習プログラムの COMAS を利用していましたが、カリキュラムを履修し終えたため、現在は Native Camp を使って、毎日30分ほどオンラインレッスンを受講しています。
レッスン以外では、レッスン用テキストを使ってオーバーラッピングやシャドーイングの練習もしていますが、抑揚など、まだ課題は多く残っています。
こうしたチャンスがいつ訪れるかわからないからこそ、今後も継続的にトレーニングを続けていきたいと思います。
さいごに
今回、初めて try! Swift Tokyo に挑戦しましたが、自分の成長にとって非常に貴重な経験となりました。この経験をきっかけに、今後は国際カンファレンスにもプロポーザルを提出して、さらに挑戦を広げていきたいと考えています。
最後に、このような素晴らしいカンファレンスを開催してくださった運営の皆様に、改めて心より感謝申し上げます。
以下が今回の発表動画とスライドです。もしよければぜひご覧ください。
🎥 発表動画
📑 スライド
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