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エッジコンピューティングについて

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エッジコンピューティング

はじめに

IoTやAIといった技術を取り入れたシステム開発が近年活発となっています。

今回は、それらの技術を扱うシステムアーキテクチャとして、エッジコンピューティングについて調査しました。

概要

エッジコンピューティングとは、多くのデバイス同士がつながるネットワーク内に、"エッジコンピューター"としてデータ処理を行う装置を分散配置する手法のことです。

活用事例

農業分野でのエッジコンピューティング活用例として以下の図のような構成が考えられる。
image.png

ハード名 概要
センサデバイス 農業にまつわるデータを取得する。
農業用ドローン 農業にまつわるデータを取得する。
エッジコンピューター 集めたデータを分析する。
クラウド 分析データを回収する。分析するためのプログラムをエッジコンピュータに提供する。
  • 多数のセンサデバイスを農場内に設置することや、産業用ドローンを農場内で飛ばすことで農場の情報を取得する。

  • 情報は、BluetoothなどといったPAN通信によってエッジコンピューターに集積される。

  • エッジコンピューターは集積したデータを分析する。

  • 分析したデータはHTTPなどWAN通信によってクラウドへ回収される。

  • クラウドからエッジコンピューターへ、分析用の学習データを提供する。

取得したデータは農場の生産管理に扱われる。

このように、エッジコンピューティングによって、各機器が取得したデータのやり取りを行い活用することで農業のDX化が成り立っている。

詳細

ここまでは、概要と活用事例を通じてエッジコンピューティングの概観を説明してきた。

ここからは、エッジコンピューティングの詳細なメリットについて説明する。

エッジコンピューティングのメリット

通信面

エッジコンピューティングでは、センサデバイスとの通信と、クラウドとの通信で通信規格を使い分ける。以下に一例として、比較表を示す。

PAN通信 WAN通信※1
名称 Personal Area Network Wide Area Network
到達距離 数10cm~数m 100km~
コスト
消費電力
処理 高速 低速

※1: 実際のネットワーク構成が必ずWAN通信ではないが、通信規格が異なれば特徴も異なること示すため一例として記載している。

ポイントとしては、PAN通信(近距離向きの低遅延通信)と、WAN通信を、やり取りするデータによって使い分けている点である。

センサデバイス一つ一つからは、膨大なデータを取得することができる。

また、規模によってはセンサデバイスの個数も大量になる場合がある。

そんな膨大な通信を、処理速度などに秀でたPAN通信でやり取りすることで効果的にデータを扱うことが出来る。

また、エッジコンピューターによるデータの分析には、機械学習の技術などを用いる。

この時、クラウド上で機械学習の内容を管理してエッジコンピューターに展開することで、複数のエッジコンピューターにまとめて共有することが出来る。

また、分析処理の速度自体もクラウドとデータをやりとりしながら行うよりも、エッジコンピューター内で完結して行ったほうがスムーズになる。

コスト面

通信面で触れたが、エッジコンピューターとセンサデバイス結ぶPAN通信はコストや消費電力に秀でた通信規格のため、扱うデータの量に対して低コストで実現できる。

速度面

こちらも通信面で触れたが、PAN通信を用いることで、扱うデータが大きい部分の通信を高速で行うことができる。

分析をエッジコンピューター内で済ませ、分析結果だけを通信すれば済むことも、速度面に大きく寄与している。

エッジコンピューティングのデメリット

初期コスト

メリットとしてコスト面については触れたが、運用コストではなく初期コストには課題が残る。

エッジコンピューティングの中核であるエッジコンピューターには、高性能なCPU・メモリ容量が必要となるため、初期コストが必要となる。

データの一部が消失する

メリットの速度面などで触れた、膨大なデータ量を効率よく処理できる点は、裏を返すと必要ではないデータが処分されるということでもある。

エッジコンピューターによる分析の中で不要とされたデータは削除され、後から使いたいと思っても取得できない。

構築段階で、データをどのように保存できるか検討することが重要になる。

まとめ

エッジコンピューティングの概要と、どういったメリットがあるのか学ぶことができた。

印象としては、実現したい事柄に対して、どんな技術を選び組み合わせていくかが突き詰められたアーキテクチャに感じられた。

私は組み込み機器のソフトウェア開発をしているが、自分の携わっている製品と、エッジコンピューティングにおけるセンサデバイスが、組み込み機器という括りでは同じでも役割では大きく異なる点も興味深かった。1つのマイコンで認識も処理も通信も全部やるというよりは、センサデバイスは認識と最低限の通信に特化して他の仕事は他に回すという役割である。

組み込み機器の活用幅は広くて面白いなと感じた学習だった。

参考文献/参考URL

この生地は以下の情報を参考にして執筆しました。

参考文献

参考URL

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