しばらくまえに、激安リフロー炉T-962を改造している方の情報をベースに、ファームウエアの温度制御を改良していました。それなりにリフローができていたので、そのまま使っていたのですが、ふと、設定温度が高すぎるような気がして、改めて調べてみると、どうも鉛フリーはんだ用の温度設定のようでした。また、ときどきコネクタが変形してしまったり(温度が高すぎ)、また場所によってはんだが融けていない場合もあります(温度が低すぎ)。
そこで改めて設定温度をやや低めに変更した上で、熱電対を貼ったダミー基板を炉内のいろいろな場所において置いて温度を計測してみました。共晶はんだ用ということで、予熱は150度-170度を60秒、本加熱は210-230度を20秒、としています。
炉内を大きく3(左・中央・右)×3(手前・中央・奥)=9の区画に分け、5×5cmのダミー基板(厚さ1mm)に熱電対を貼って温度を計測します。熱電対の計測は、M5Stackの熱電対ユニット(在庫数の関係で非絶縁型と絶縁型を併用)を3個、I2Cバスを分岐するPaHUBとともに使いました。1秒ごとに温度計測し、シリアル経由で出力するプログラムをはUIFlowでさくっと書きました。
手前の温度がだいぶ低い
まず手前・右、中央・中央、奥・左の3箇所の温度がこちらです。奥のほうがだいたい制御側(リフローの熱電対の温度に合わせて制御している)と同じくらいになっていますが、中央がやや高めに出ますが、まあ許容範囲といえそうです。問題は手前で、最高でも185度くらいまでしかあがっていません。
念のため、左右の分布をみるために、計測位置の左右を入れ替えてみましたが、手前がだいぶ低くなる傾向は同じようです。
結果として、炉内の温度分布が手前が低めに出る、ということでしょうから、温度制御ではどうしようもない、といえそうです。そのため、手前は使わないようにする、というのが現実的といえそうです。