はじめに
本記事で扱う内容は、2025年3月上旬に、Android 15に追加された、Linuxターミナルアプリに関連したものです。
今回は、その導入編となります。今後、端末内での仕組みを踏まえた解説などを予定しています。
Android15に追加されたLinuxターミナルアプリとは
3月上旬、Android 15にLinuxターミナルアプリが追加されました。(ただし、まだPixelのみでの利用です)
当初、Android16向けに搭載されると噂されていた本機能ですが、Pixelではそれに先んじてAndroid15からの搭載になりました。
これまでも、Android向けにLinuxライクな実行環境を提供するアプリケーションは存在していましたが、Google公式によりLinuxターミナル提供されることになりました。なお、このLinuxターミナルはDebianをベースとしたものになります。
ターミナルアプリの導入手順
それでは、早速ターミナルアプリを導入してみましょう。
1. 開発者向けオプションの有効化
Linuxターミナルアプリは、執筆時点では開発者向けオプション内で提供される機能となっています。そのため、まずは、開発者向けオプションの有効化が必要です。この具体的な手順は、以下を参考にしてください。
2.Linuxターミナルの有効化
開発者向けオプションの「デバック」カテゴリ内の、「Linux開発環境」より有効化できます。
現在は試験運用版として提供されていることが確認できます。
3. ターミナルアプリの起動
Linuxターミナルを有効化したらターミナルアプリを起動しましょう。
アプリの一覧にターミナルが追加されています。見つからない場合は、インストール済みアプリの検索機能に「ターミナル」と入力してください。
4. ターミナルのインストール
ターミナルアプリを起動したら、インストールが始まります。
それなりに大きいサイズのデータをダウンロードすることになります。
5. インストール完了、アプリ利用開始
4.のデータをダウンロードすると、いよいよLinuxターミナルが利用できます。
ターミナルで入力を行う際には、通常のソフトウェアキーボードに加え、仮想的な矢印キーやESC、Tabなども表示されます。この辺りが表示されないと、入力にも一苦労です。vim等を起動しても、インサートモードから抜けることすらできません。
とは言え、実際に利用する場合には、ハードウェアキーボードを用意することをお勧めします。基本的に、記号の入力とアルファベットの入力を切り替えるソフトウェアキーボードでは、Linuxのコマンド入力が難しいのは想像いただけるかと思います。
また、アプリの設定では、ディスクサイズ変更(最大16GB)、ポート制御、リカバリ機能が用意されています。ただし、ポート制御については、タップしても何も操作できないので、現在は準備中のようです。
おわりに
今回は、Android15に追加されたLinuxターミナルアプリを動かせるようにするところまでをご紹介しました。冒頭に書いた通り、今後端末で動作している仕組み(Android Virtualization Framework)に言及する予定です。
この数週間の間に、本機能を使って、いろいろ面白いことを試している記事も多く出てきています。ぜひ本機能を試してみてください。