※2020.06.01 CanonからEOS Webcam Utility betaのMac版が出たので追記した
#何の話
COVID-19の外出自粛で急遽リモートワークになっている人が増えていると思うが、自宅にリモートワーク環境を作るにあたり、オンラインミーティングで使うカメラとして一眼レフを使った時の話。
#なぜ一眼レフを使ったのか
そこに一眼レフカメラがあったから・・・ではなく、以下の理由から
- ZOOMやGoogle Meetを使うとMBPのファン音がうるさいのでPCクーラーを導入したら高さが出てしまい、そのままだと使いづらいためMacBook Proをクラムシェルモード(閉じた状態)にして、キーボードを別に用意して使いたい
- そうするとMBPのFaceTimeカメラが使えないので、別にWebカメラが必要
- 今Webカメラは割と売り切れていて、手持ちのカメラをWebカメラとして使えたらいいな。画像もきれいだし。
なお上記は言い訳で、やってみたかったというのが本当のところという説はある。
#やったこと
-
キャプチャボードを用意するCanon Webcam Utility betaを使えば不要になった - HDMIスルー対応のカメラを用意する
- 卓上三脚・カメラ給電用ACアダプタ・HDMIケーブルを用意する
- カメラをいい感じに設定する
順に説明する。
###1. キャプチャボードを用意する(Canon Webcam Utility betaを使う場合は不要)
一眼レフカメラ等の外部カメラの映像をPC上で扱えるようにするためのもの。Youtubeでゲーム実況や配信をしている人が使うものらしい。単にUSB接続のWebカメラを使う場合には不要(もともとPCで使う用途のカメラで変換がいらないので)。
わりと同じようなことをしている人が増えているらしく品薄みたいだが、こちらを入手。
https://www.iodata.jp/product/av/capture/gv-huvc/index.htm
ゲームの実況とか配信をしている人はATEM miniなどのスイッチャー付きのものを使っていたりするらしい。すごく高機能で欲しくなったが今回の要件からはみ出しすぎるので自粛。(そもそもかなり高価)
追記
カメラの機種や環境によってはキャプチャボードなしでも同じことが実現できる場合がある。
- CANONがカメラをそのままWebcam化するCamera Utilityをリリースした。対応カメラを持っている人は純正ソフトなのでそのままWebcam化できる。~~ただしいまのところWindows版しかない。~~Mac版もリリースされたので使える。
https://www.usa.canon.com/internet/portal/us/home/support/self-help-center/eos-webcam-utility/
なお、Canon Webcam Utilityを使う場合は、HDMIケーブルではなく本体付属のUSB3.0のケーブルが必要。(本体側はmicro USB 2口のもの)
- Sparkocamのような3rd party ソフトでも同じことが出来る。こちらは引き続きWindows専用。
https://sparkosoft.com/sparkocam
###2.HDMIスルー対応のカメラを用意する
カメラを用意するというか、自分がすでに持っているカメラが上記に対応しているか確認する、という感じ。HDMIスルーは外部録画機器等に情報表示なしの映像データを出力する機能のこと。
このへんにまとまっているので参考に。
https://note.com/149195/n/n0f0a8fc9357f
ちなみにHDMIスルーがなくても、背面ディスプレイがあり、HDMI出力があるカメラの場合は、大抵モニタ画像は出力できる場合がある。ミラーレスのNEX-6を持っているのだが、HDMIスルーには対応していないが、mini HDMIで出力に対応していて、モニタ画像を出力することは出来る。ただしこの場合、背面ディスプレイに表示されているものがそのまま出力されるため、各種メニュー表示やフォーカスの枠等が常に映像として表示される状態になる。
追記
EOS 7D mark2だけの動作かわからないが、配信開始した後で30分ほど経過するとレリーズ音がして動画出力が止まる。録画しているわけではないので30分制限ではないと思うのだが、関連しているのかもしれない。
Web会議くらいなら面倒くさいがもう1度ONにすればいいのだが、オーディエンスがいて配信とかをやっているとこれでは使いものにならないかもしれない。いろいろ調べてはいるがまだ解決に至っていない。何かわかったらまた追記しようと思う。
EOS Webcam Utility Betaを使ったUSB接続の場合は30分の動画出力停止が発生しない。これでようやく30分以上のMeetingでも手間なく使えるようになった。
さんざん話題にしていた30分の動画出力停止だが、7D mark2側の設定で回避可能だった。
7Dの動画モードの設定(モードセレクタが動画モードの時にmenuを押して設定する)で、HDMI出力+液晶の設定を「同時表示しない」を選択肢、「オートパワーオフ」をしないに設定すれば30分経過してもHDMI出力が停止しない。本体液晶上の表示なしの映像だけを出力するのが「同時表示する」だったために無条件にそちらを選んでいたが、情報あり出力になる「同時表示しない」でも、INFOボタンを押して表示なしを選択できた。(この設定はマニュアルに明記されている。マニュアルはやはり大事)
ちなみにEOS Webcam Utilityを使ってUSB接続しつつ、キャプチャボードでもHDMIからの出力を並行している場合、そのどちらの動画出力も停止しない。現状EOS Webcam Utility betaが対応していないアプリ版のZOOM、Skype、Facetimeや、Safariをブラウザとして使いたい場合は引き続きキャプチャボード経由の動画出力を使うことができる。
###3. 卓上三脚・カメラ給電用ACアダプタ・HDMIケーブルを用意する
- 卓上三脚
- カメラバッテリーアダプタ付きACアダプタ
- HDMIケーブル
三脚はなくても良いがカメラのポジションを固定するためにはあった方がいい。通常の三脚は大きすぎるので卓上サイズの三脚があるといいだろう。うちはもともとゴリラポッドがあったのでそのまま使った。一眼レフ(EOS 7D Mark 2)だとおもすぎてちょっと固定が大変だったけど。
カメラバッテリーアダプタ付きACアダプタは、カメラに外部から給電した状態で使うためのもの。映像出力したままの状態ではバッテリーだと1時間程度しかもたないため使い物にならない。なので必須といえる。純正品は高いがわりとサードパーティーの互換品が出ていて、普通に動くので今回もそれにした。
HDMIケーブルはキャプチャボードに付属のものがそのまま使えた。気をつけるのはカメラ側の出力端子と同じかどうかの確認。7D mark2はmini HDMI。
###4. カメラをいい感じに設定する
実はここが1番面倒というか、ノウハウがいるところだった。
以下はEOS 7D Mark 2での設定。
- セレクターを動画撮影モードにする(超重要)
- 設定メニューでHDMI出力+液晶を、「同時表示する」に設定(HDMI出力の場合)
- シャッタースピードを1/50もしくは1/100に設定(蛍光灯環境の場合)
- ホワイトバランスは室内の照明に合わせる(白色蛍光灯か白熱電球)
- ISOをお好みで調整
- カメラのスリープ設定を必要なだけ長くしておく
- 動画撮影STARTしなくても映像としてHDMI出力されるので、撮影は不要
ハマりポイントだったのが、撮影モードをセレクターで動画にしないと、その次のHDMI出力+液晶の設定メニューは出てこないということ。写真撮影モードでは存在しないメニューなのでとにかくまず動画モードにしよう。
HDMI出力+液晶を「同時表示する」にすると、キャプチャボード経由のHDMIポートからの映像出力が情報なしの映像データのみで出力されるようになる。こうすることで、ライブビューでは表示される各種の設定情報(シャッタースピードとかホワイトバランスなど)とか、AFの枠(認識した時に表示されたり、顔追従モードでの顔認識の枠など)などが表示されないようになる。
実は最初これがわからずに写真モードのままHDMI出力していたので、情報表示を消すことはできてもAF認識の枠や顔認識の枠が消えずにいて、顔が動くたびに表示されていしまいミーティング相手に気が散ると怒られてしまった。
なお、蛍光灯を使っている家の場合、映像にチラツキが出るのだが、関東の場合は電気の周波数の50Hzにシャッタースピードをあわせてやることで、チラツキを消すこともできる。これはプロとして動画制作をしている友人に教えてもらったが知って置いたほうが良いテクニックだと思った。
#結果
- 一眼レフの解像度の映像でオンラインミーティングできる
- 露出の調整で明るさも調整可能なので、逆光とかで暗かったのが明るくなった
- 普段ほとんど出番のない一眼レフカメラが有効活用できるようになった
- ~~前のセクションで追記したが、録画していないのに30分程度で映像出力が止まる。そのたびにもう1度シャッター操作かセレクタースイッチを押してすぐ再開できるが、少しだけ面倒くさい(最近30分以内のミーティングが多いのでそんなには困らないが)~~解消した
- しばらく使って見て思うのは、一眼レフにしてもある程度高品質なマイクにしても、ローカルで高品質に録画録音する時や、高品質な配信(YouTubeとか)を行う時に真価を発揮する感じで、Google MeetsやZOOMでWeb会議する分にはこれら入力デバイス以外の要素にも依存するよな、とは思いました。