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プロンプト付き、ChatGPT使用は「民主主義の自殺」発言の鳥取県知事記者会見をChatGPTが点数で評価してみた

Last updated at Posted at 2023-04-24

先日、鳥取県知事・平井伸治氏が、AIチャットボット「ChatGPT」の導入についての意見を語りました。そこで今回は、記者会見、記者会見後の質疑応答、そして記事を通じて、知事の意見を3つの視点で評価してみました。同じ記者会見でもそれぞれで見え方が違うことが判明し、興味深い結果となりました。

最初に書きますが、平井知事は「ChatGPTを『優秀なツール』としつつ、人との協力や分かり合いが重要」言っており、あくまで意思決定をAIに任せることはしないとはしないと言っています。

比較対象は以下の3つとなります。10点満点でChatGPTから見て平井県知事が民主主義か点数をつけてもらいました。

  • メディアの記事
  • 記者会見で平井県知事発表内容
  • 記者会見の質疑応答




記事に対して以下のようなプロンプトを実行しております。

民主主義にフォーカスして10点満点で評価してください。理由も教えてください

記事の評価

8点 日本経済新聞「鳥取県がChatGPT禁止 知事『民主主義の自殺』」

民主主義の観点から評価すると、8点とします。鳥取県知事は、自治体の意思決定をAIに任せることは民主主義に反すると主張しており、人間による意思決定の重要性を強調しています。また、回答の正確性や秘密保持の問題にも触れており、市民の利益や権利を考慮した判断をしていると言えます。ただし、AI技術の活用によるイノベーションを否定しないとしながら、どのような条件下で活用すべきかについて具体的な提案が記事には示されていないため、最高点には至りません。

8点 TSKさんいん中央テレビ「鳥取・平井知事『チャットGPT』よりは『ちゃんとジーミーチー』県の業務で使用禁止の考え(鳥取市)」

このニュース記事では、鳥取県知事・平井伸治氏が、対話型AI「チャットGPT」の導入について、地域の話し合いを重視し、県の業務での使用を全面的に禁止する考えを示しています。民主主義的な観点からは、地域の意思決定を地域住民や関係者との対話を通じて行うことが重要だとの考えが伺えます。また、知事が若者の声を積極的に取り入れる意向を示し、子育てや移住・定住対策にも取り組むことを明らかにしている点も、民主主義に基づく意思決定の一環と評価できます。

しかし、チャットGPTの導入を全面的に否定する姿勢は、技術革新への適応力が必要な現代社会においてはやや保守的であるとも言えます。そのため、満点の10点ではなく、8点と評価しました。

9点 平井県知事の発表内容

知事は、ChatGPTが優秀なツールであると認めながらも、重要な政策決定や答弁に使用することは民主主義を放棄するとし、地域で考え、地域で判断することが重要だと主張。検索や情報収集にはChatGPTを活用しても良いが、行政職員はコミュニケーション能力を磨くべきだと述べている。知事は、「ちゃんと地道」に取り組むことが民主的で、地方自治の本旨が生かされると考えている。
知事は地域とコミュニケーションを重視し、重要な決定は人間が担うべきだと主張しており、民主主義の精神が強く反映されています。ただし、ChatGPTの活用に一部制限を設けることで、評価は完全な10点ではないです。

7点 記者会見の質疑応答

知事は地方自治や民主主義に配慮し、意思決定に関わる部分については機械任せにしない方針を示しています。ただし、効率化については積極的に取り組む姿勢を示しており、その点でバランスが取れていると評価できます。しかし、今後のガイドラインや具体的な対応が示されていないため、完全な評価はできません。


元となる情報はすべて同じですが、立場や切り口によって大きく評価が変わっていることがわかります。
興味深いのは、記者会見の発表内容が非常に評価が高いのに対して、記者会見の質疑応答には明確に回答できないことも含まれているため具体性に欠けることなどで7点なっております。

また、以下のようなことは記事では省略されていました。

  • 知事がChatGPTの私的な使用については否定しないと述べている点。彼は一般的な検索エンジンと同様に、情報収集のツールとしての使用は問題ないと考えているようです。
  • 知事がChatGPTを「優秀なツール」として評価している点。彼は自身も試してみた結果、すらすらと言葉が出てくることや場合によっては論文調にカテゴライズして話をまとめる機能について認めています。
  • 知事がChatGPTの使用に頼りすぎると、行政職員のコミュニケーション能力が磨かれないと懸念している点。彼は人との協力や分かり合いが重要だと考えているようです。

他の項目についても評価してもらいました

他の評価項目もChatGPTにあげてもらった中から選びました。

技術革新への適応力(10点満点):5点

知事はChatGPTを優れたツールであると認めつつも、過度な依存は避けるべきだと主張しています。検索ツールとしての活用は認めますが、重要な政策決定や予算編成に関しては人間が担当するべきだと考えています。そのため、技術革新への適応力は中程度と評価できます。

情報セキュリティとプライバシー(10点満点):評価不可

知事のコメントには、情報セキュリティやプライバシーに関する言及がありませんでした。そのため、この観点からの評価は不可能です。

コスト削減と効率化(10点満点):6点

知事は、ChatGPTの活用によるコスト削減や効率化には言及していませんが、検索ツールとしての利用を認めることで、一定程度の効率化が期待できると評価できます。ただし、重要な政策決定や予算編成においては人間が担当することを強調しているため、効率化に対する評価は限定的です。

職員教育とスキル向上(10点満点):9点

知事は、職員の育成が重要だと考えており、ChatGPTの過度な利用は職員のコミュニケーション能力や地域との連携を損なう可能性があると指摘しています。職員が自分の頭で考え、コミュニケーション能力を磨くことが重要だと主張しているため、この観点での評価は高いです。

まとめ

鳥取県知事・平井伸治氏の記者会見は、同じ内容をベースにしているにも関わらず、記事の切り口や記者からの質疑応答によってイメージが変わることが浮き彫りになりました。そこで、数値化が難しい内容に対する評価をChatGPTを使って分析しました。

ChatGPTは、記者会見で触れられた内容や、記事で取り上げられた視点に対して、民主主義の観点から評価を行いました。それぞれの視点において、知事の意見がどの程度、民主主義に適合しているかを検証しました。

結果として、知事の発言は、地域の話し合いを重視し、AI技術の使用に慎重な態度を示すことで、民主主義と地方自治の精神を守るものであると評価されました。一方で、記事によっては、この慎重な態度が伝わりづらく、評価が分かれることが明らかになりました。

ChatGPTによる評価は、記者会見や記事における切り口の違いが、知事の意見やイメージにどのように影響を与えるかを明確に示しています。この分析を通じて、情報の提示方法が、読者の理解や評価に大きな違いを生むことがわかりました。

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