皆さんは資格試験の対策をどのようにしていますか?
私は情報処理技術者試験では「ITストラテジスト試験」や「システムアーキテクト試験」などの資格にも合格しているので、比較的資格試験には強い方と言えるかと思います。
この記事では、資格試験当日にどのように試験問題と向き合い、攻略をしているかの私なりのノウハウをお伝えしていきます。
※注意:必ず合格が出来ると保証するものではありません。
事前準備はしっかりしましょう
前提として、試験までの期間には基本的な試験対策を行いましょう。
基本的な対策は月並ですが「勉強や実務を行って知識を得る」です。
下記のような事になるかと思います。
- 参考書を読む
- 過去問や問題集を解く
- 実務から業務知識を得る
資格試験の役割が「知識を蓄えられているかの評価」である以上、ここを端折ることは出来ませんので、この記事ではこのステップについては深堀りしません。
試験までに頑張って知識を蓄た上で、更に合格率を上げるために試験会場で出来る対策について考えてみます。
試験問題の作問者の意図を推測する
試験の作問者は「資格試験の問題を作成する」という仕事を行っています。
資格試験が「公平かつ、知識を有しているかを判別する営み」である以上、それを図るために使用する問題は一定のルールや作成基準に則って作られているはずです。
そこから作問者の意図を推測する事で、答えを導き出したり、選択肢を狭める事が出来ます。
例えば、4つの選択肢から正しい答えを選ぶ問題があったとします。
出題者としては、似通った選択肢を用意し、正しい知識を持っている人は正答を選択、うる覚えの人は似ている別の選択肢を選択して不正解となる。という状況を想定しています。
「似ている」という感じ方は受験者によって違うので、いくつかの状況を想定して選択肢を設けられます。
答えが「りんご」である問題の選択肢が4つあるとして、
- りんご: 正答
- 青りんご: 形や中身は似ている、ただし色が異なるので誤答
- リング: 意味ではなく言葉として覚えてる人が引っかかりやすい誤答
- オレンジ: 果物系用語のようなイメージで覚えている人が引っかかりやすい誤答
のような感じで選択肢が並んでいたとします。
この場合の「それぞれの誤答が何を意図して設けられているか」を考えると、「りんご」の正答にたどり着く確率が上がります。
少なくとも「リング」「オレンジ」を正答だと仮定した場合、その他の選択肢の意図が説明できなくなるので、選択肢から外せる確率は上がります。
特に1つだけ突飛な選択肢などがあった場合には、それを正答とした際に紛らわす誤答がいない状況となるため、それが正答になる確率は低いと考えられます。
選択肢の温度感に注目する
問題で問われている内容と選択肢の温度感が合っていない場合、誤りのケースが高いです。
例えば「セキュリティ対策への心構えとして正しいのはどれか?」というような設問があったとします。
セキュリティ対策はとても重要で、事故があった場合のリスクが大きく、かつどこまで対策したら充分という指標を示すことが出来ない内容です。
それに対する選択肢として「〜は気にしなくてもよい」「〜は重要ではないと考え行わなかった」などの記載があった場合には、正答の可能性は低いかと考えます。
なぜならば「これが正しい知識である」を示す資格試験として、どこまで対策したら充分と言えない領域の事柄に対して「これは不要」とは断言出来ないからです。
仮にそう断言したとして、万が一それが契機となったセキュリティ事故が発生すれば大問題になりかねません。資格試験を運営する以上、そのようなリスクを負うような回答を用意するとは思えないからです。
同じジャンルを問う別の設問を参考にする
試験内で出題される複数の問題が、まれに同じジャンルを別角度から問われている場合があります。そのような場合には、お互いがお互いのヒントになり得ます。
正直村と嘘つき村の問題のように、「この2つの問題が正直者(正答)と仮定した場合、同時には成り立たないな」と思ったら、少なくともどちらかは誤まっている状況です。
それぞれの回答が矛盾しないように調整が必要かもしれません。
近しい事を問われている問題が複数ある場合には、いずれもが正直者として成り立つかを考えてみるとよいでしょう。
なるべく略称の元の名称も覚える
英語の頭文字をとった略称などの設問は多く出題されます。
基本的には略称さえ覚えていれば回答は出来るのですが、臨機応変な対応を行うためになるべく元の名称も覚えるようにしましょう。
例えば「SaaS」という用語を覚えるとします。「ソフトウェアをネットワーク経由で利用できるサービス」という意味は覚えると思うのですが、その際にあわせて元の名称の「Software as a Service」も覚えておきます。
そうすると設問の選択肢で「IaaS」などという用語が出てきた場合に、その用語を知らなかったとしても、きっと「Iから始まる何かをネットワーク経由で利用できるサービス」なのだなという推測が出来るようになります。
問題が「インフラをネットワーク経由で利用できるサービス」のような問いであった場合には、その推測から選択肢を選ぶことが出来るようになります。
計算問題は一旦飛ばす
計算問題は正しい知識を有していたとしても誤答になる可能性もあり、また知識のみで回答出来る問題に比べてタイムパフォーマンスも悪いです。
- 計算式を知っている
- 計算間違いをしない
- 必要以上に時間をかけない(他の設問の回答時間がなくなってはいけない)
が全て成り立たないといけないからです。
出来れば計算が必要な問題は飛ばして最後まで試験問題を流してから、再度戻ってきて解くことをオススメします。
他に解ける設問を解いた後であれば、好きなだけ時間をかけて大丈夫ですので、落ち着いて計算間違いをしないように対応すれば大丈夫です。
時間をかけていい前提であれば、正解を導き出す最適な計算式がわからなくても、指折り数えていってもいいのです。
論文は新しい技術のテーマを選定する
試験によっては論文を記載する形式の設問があります。その際には複数のテーマから対象のテーマを選択する事もあるでしょう。
もちろん基本的には実務で取り扱っているテーマや自分が詳しいテーマなどを選択するのが一番ですが、もし該当するテーマがない場合には、なるべく新しい技術のテーマを選定すると良いかもしれません。
あなたが記述した論文は採点者が読んで評価するのですが、新しい技術に精通したプロフェッショナルを採点者に何名もアサインする事は現実的ではないと思います。
そのため、新しい技術であればあるほど、まだ詳細な採点基準が確立されておらず、採点者も手探りで採点をせざるおえない状況かと考えられます。
そうなるとその技術としての専門的な内容はまだ求められる段階ではなく(採点者も分からない)、論文全体としてきちんとした事を言ってあれば、通りやすい気がしています。
おわりに
資格試験は「受験者を公平に客観的に評価し」、「常に正しいことを示し」、「継続的に運営されなければならない」という責務を持って運営されています。
そのような立ち位置や事情を背景として問題が作られている事に気がつくと、問題を通して作問者や採点者の意図が透けて見え、これまで以上に対策しやすいものとなるはずです。
今回の記事が試験対策に悩んでいらっしゃる方のヒントになりますと幸いです。
※注意:必ず合格が出来ると保証するものではありません。