フルオンチェーンNFTの重要性とその魅力

はじめに

この記事では、NFT市場が再び盛り上がりを見せる中で、フルオンチェーンNFTがなぜ注目されているのかについて深掘っていきます。

フルオンチェーンNFTの魅力

1. 外部依存性の排除

すべてのNFTにはイメージや属性などのメタデータが関連付けられています。このデータをプライベートサーバーに保存する方法は避けるべきです。企業が衰退してサーバーの電源が切れると、これらのNFTは実質的に空白のレシートとなってしまいます。2018年のDigital Objectsや2022年のFTXでこれが明らかになりました。

一方、フルオンチェーンNFTは外部依存性がなく、イーサリアム自体の存続のみを信頼すれば良いため、長期的な安定性が期待できます。イーサリアムはビットコインに次ぐ最も試練を乗り越えてきたブロックチェーンであり、今後数十年にわたって繁栄し続ける見込みが高いです。

2. ランタイムコンポーザビリティ

フルオンチェーンNFTのもう一つの大きな利点は、ランタイムコンポーザビリティ（実行時の組み合わせ可能性）です。すべてのNFTデータが「常時稼働」するスマートコントラクト内に保存・生成されるため、他のスマートコントラクトと容易に相互作用できます。これにより、従来のオフチェーンNFTでは実現できなかった新たな実験やコラボレーションの可能性が広がります。

例えば、ユーザーのインタラクションやイーサリアムのブロックデータに基づいて動的に進化するフルオンチェーンNFTを考えてみましょう。別のスマートコントラクトがこのランタイムデータにアクセスし、ジェネレーティブなゲーム環境を構築することが可能です。この「ライブ」アクセス可能性により、他の開発者は集中化されたサーバーやAPIに依存することなく、NFTに新たな機能やクリエーションをシームレスに追加できます。

フルオンチェーンNFTを探求する理由

ランタイムコンポーザビリティと外部依存性の排除は、フルオンチェーンNFTが暗号市場でその重要性を増す理由です。以下では、「フルオンチェーン」がなぜ重要なのか、そして私が特に注目しているプロジェクトをいくつか紹介します。

なぜフルオンチェーンなのか？

すべてのNFTにはイメージや属性などのメタデータが関連付けられています。このデータをプライベートサーバーに保存すると、企業が衰退してサーバーがオフラインになるとNFTが無効になります。これを避けるために、以下のような方法でデータを保存することが推奨されます：

• IPFS（InterPlanetary File System）: 高い冗長性を提供する人気のファイル共有ネットワーク。
• ArweaveやFilecoinなどの専門的なLayer 1（L1）チェーン。
• フルオンチェーン: NFTとメタデータが同じスマートコントラクトから生成される方法。

これらの方法にはそれぞれ利点と欠点があり、プロジェクトのニーズに応じて選択されます。しかし、フルオンチェーンNFTが特に優れている点は、外部依存性がなく、ランタイムコンポーザビリティが可能であることです。

外部依存性について

外部ストレージソリューションを使用する場合、長期的なデータのピンニングが必要です。例えば、IPFSではデータのピンニングが継続されることを信頼する必要があります。また、ArweaveやFilecoinでは、これらの暗号経済システムが今後も機能し続けることを信頼しなければなりません。

一方、フルオンチェーンNFTではイーサリアム自体の存続のみを信頼すれば良く、他の外部サービスの運営継続性を気にする必要がありません。イーサリアムはビットコインに次ぐ最も堅牢なブロックチェーンであり、長期的な安定性が期待できます。

ランタイムコンポーザビリティについて

フルオンチェーンNFTのデータがスマートコントラクト内に保存されることで、他のスマートコントラクトから容易にアクセス・操作が可能になります。これにより、以下のような新しい可能性が生まれます：

• 動的進化: ユーザーのインタラクションやブロックデータに基づいて進化するNFT。
• ジェネレーティブゲーム: ランタイムデータを活用して新たなゲーム体験を提供。
• クリエイティブなコラボレーション: 他の開発者が集中化されたサーバーに依存せずに機能を追加。

これにより、イーサリアム仮想マシン（EVM）が無限の文化的プレイグラウンドとして機能し、フルオンチェーンNFTが相互接続されたクリエイティブなエコシステムの基盤となります。

探索すべきフルオンチェーンNFTプロジェクト

ランタイムコンポーザビリティと外部依存性の排除により、フルオンチェーンNFTの重要性は今後も高まると考えています。以下に、具体的なフルオンチェーンプロジェクトをいくつか紹介します。これらのプロジェクトは手頃な価格でありながら、歴史的にイーサリアムバーチャルマシン（EVM）における画期的な取り組みとして注目されています。

🪙 低フロア価格のプロジェクト

手頃な価格で収集可能なフルオンチェーンプロジェクトをお探しですか？以下のオプションはすべて現在約100ドル以下（ETH）で購入可能です。

• Etholvants — 減少する進化するデジタルクリーチャーのコレクション（フロア価格0.018 ETH）
• EtherOrcs — 最初の100％フルオンチェーンゲームのキャラクターとして作成（フロア価格0.028 ETH）
• the reliquary — 進化するグリッチピクセルアニメーションのコレクション（フロア価格0.018 ETH）
• OKPC — 保有者が描画できるフルオンチェーンエッチャスケッチトイ（フロア価格0.001 ETH）
• Shields — 個別の紋章を作成するためのフルオンチェーンデザインシステム（フロア価格0.029 ETH）
• Merge — Pob StudioによるイーサリアムのMergeアップデートを祝うコレクション（フロア価格0.002 ETH）
• Buterin Cards — Vitalik Buterinを記念したデジタルカードのコレクション、JPEGマイニングという革新的な技術を使用（フロア価格0.022 ETH）
• the metro — インタラクティブで進化するフルオンチェーンメトロマップ（フロア価格0.0069 ETH）
• Baby Pepes — 20,000のピクセル化されたペペキャラクターのコレクション（フロア価格0.0039 ETH）
• Crypto Coaster — ランダム生成されたインタラクティブなジェットコースタートラックのコレクション（フロア価格0.005 ETH）
• onchain dinos — tiny dinosプロジェクトのフルオンチェーン派生コレクション（フロア価格0.0035 ETH）

🧑‍🚀️ PFP（プロフィールフィギュア）プロジェクト

新しいプロフィール画像を探していますか？以下はフルオンチェーンで注目すべきPFPプロジェクトです。

• Chainfaces — ランダムに生成されたASCIIキャラクター、イーサリアム上で最初のフルオンチェーンNFTの一つ（フロア価格0.027 ETH）
• Avastars — 最初期のフルオンチェーンNFTコレクションの一つ、フルオンチェーンのトレイトバンクシステムを先駆け（フロア価格0.01 ETH）
• CyberBrokers — Josie Belliniによるサイバーパンクキャラクター、Avastarsに似たトレイトバンクデザインを採用（フロア価格0.125 ETH）
• 1337 Skulls — フルオンチェーンのCC0フリーミントコレクション（フロア価格0.03 ETH）
• CrypToadz — Gremplinによる象徴的なコレクション、2021年にローンチされた後、フルオンチェーン化（フロア価格0.75 ETH）
• Nouns — 毎日生成・オークションされるNFT、実験的なヘッドレスブランドNouns DAOへのメンバーシップを提供（フロア価格3.7 ETH）
• OnChainMonkey — 最初期のフルオンチェーンジェネレーティブ10k PFPコレクションの一つ、イーサリアムとビットコイン両方で保有可能（フロア価格0.63 ETH）
• Moonbirds — CryptoPunksのように、後にフルオンチェーン化されたコレクション（フロア価格0.57 ETH）
• The Bold Ones — 他のNFTへの参照が満載のキャラクターコレクション（フロア価格0.006 ETH）
• Scapes — PFPではなく、ソーシャルメディアアカウント用のフルオンチェーン背景（フロア価格0.044 ETH）

🎨 Cryptoart（クリプトアート）

アートコレクター向けには、多くの象徴的なフルオンチェーン作品があります。以下は私のお気に入りのシリーズです。

• Brotchain — ジェネレーティブアートコレクション、ビットマップを完全にフルオンチェーンで生成・レンダリングした最初のコレクション（フロア価格0.39 ETH）
• byteGANs — Pindar Van ArmanのbitGANsシリーズのフルオンチェーンバージョン（フロア価格0.37 ETH）
• Checks — Jack ButcherとVisualize Valueチームによるシリーズ、2023年にセンセーションを巻き起こした（フロア価格0.37 ETH）
• GOLD — James Bloomによるダイナミックアートコレクション、Fingerprints DAOと共同リリース（フロア価格0.24 ETH）
• First First NFTs — 2021年のNFT市場を風刺するジェネレーティブテキストシリーズ（フロア価格0.05 ETH）
• LITTLE BLOCK MACHINE — アーティストStenによるジェネレーティブダイナミックアートシステム（フロア価格0.028 ETH）
• Little Lyell Machines — Stenによるジェネレーティブラブルの別シリーズ（フロア価格0.115 ETH）
• the_coin — Takens Theoremによるビットコインの歴史をデータベース化したビジュアライゼーション（価格未掲載）

🎴 Hypersculptures（ハイパースカルプチャー）

私個人のお気に入りのフルオンチェーンNFTスタイルです。ハイパースカルプチャーは、アート作品でありながらクリエイティブなインフラとしても機能するオープンでプログラム可能な彫刻です。

• Terraforms — これまでで最も芸術的に重要なフルオンチェーンNFTコレクションとされ、ハイパースカルプチャー分野の基礎作品（フロア価格0.86 ETH）
• Chaos Roads — ChainleftによるEVM生成のコレクション、進化しながら各作品がアート、詩、歌を同時に提供（フロア価格0.22 ETH）
• Perfect Imitations — Proportioによる180のダイナミックキャンバスのシリーズ、無限にユニークなペインティングを生成可能（フロア価格0.05 ETH）
• Cycles — Material Protocol Artsスタジオによる初リリース、プライベートセールを通じてリリース予定のフルオンチェーンキネティックスカルプチャー（未発売）

🔮 Dom Hofmannによる革新的プロジェクト

Dom Hofmann（Vine、Supなどの創設者）は、2021年にフルオンチェーンNFTスペースにおいて画期的なプロジェクトを展開しました。以下はその主要な作品です。

• Corruption(s)* — 2021年のNFTブルラッシュ中に密かにローンチされたアバンギャルドなクリプトアートプロジェクト、テキストポータルが「Insight」トレイトに基づいて進化（フロア価格0.027 ETH）
• Loot — ミニマリストでCC0のテキストベース「Loot Bags」のコレクション、ランダム化された装備説明を含み、大規模なエコシステムを派生プロジェクトとして生み出しました（フロア価格0.17 ETH）
• Blitmap — 独自のカスタマイズ可能なミントフローと著名なピクセルアーティストの貢献を含むCC0アートコレクション、BlitnautsやLogosを含むBlitmapサイファイユニバースの創出に繋がりました（フロア価格0.49 ETH）

まとめ

イーサリアムエコシステム内でのNFTの再興は、フルオンチェーンNFTの重要性を強調しています。フルオンチェーンNFTは、外部依存性の排除とランタイムコンポーザビリティにより、長期的な安定性と新たなクリエイティブな可能性を提供します。今後数年間で、これらのプロジェクトがどのように進化し、エコシステム全体にどのような影響を与えるかが注目されます。

参考リンク

The Onchain NFTs Cheat Sheet: A Collector's Guide