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Day 8

プロジェクトはなぜ失敗するのか? 改訂版ブランコ開発をザックリまとめてみた

Last updated at Posted at 2020-01-25

#はじめに

誰も望んでいないのに、なぜプロジェクトは失敗するのか?
ITエンジニアだけでなく人類共通の謎です。

そんなフツフツとした思いを抱きながら、
有名な風刺画**「顧客が本当に必要だったもの」**をまとめてみました。
この風刺画は何度かブームになっているので、最新(?)の改訂版で考えてみます。

BtoBが前提の風刺画ですが、
顧客を一般カスタマー、ユーザーに置き換えればBtoCにも十分当てはまる内容です。
うむ、それどころかシステム開発だけでなく、
必要なものをヒアリングし、考え抜き、計画を立てて複数の人材が協力して成功へ突き進む
すべてのプロジェクトに当てはまる奥の深い風刺画なのです!!

引用元
How Projects Really Work
参考ページ
ニコ動「顧客が本当に必要だったもの」

##全体
最初に全体を俯瞰しましょう。

cell_01.jpg 顧客が説明した要件 cell_06.jpg 営業の表現、約束 cell_02.jpg プロジェクトリーダの理解 cell_03.jpg アナリストの設計 cell_04.jpg プログラマの実装 cell_05.jpg ベータ版テスターの受難
cell_07.jpg プロジェクトの書類 cell_09.jpg 顧客への請求金額 cell_12.jpg リリース時期 cell_11.jpg 広告 cell_08.jpg 実際の運用 cell_10.jpg 得られたサポート
cell_15.jpg 障害対策 cell_17.jpg 実際の性能 cell_16.jpg オープンソースの場合 cell_18.jpg パッチの適用後 cell_13.jpg 顧客が本当に必要だったもの cell_14.jpg SNSの影響

##顧客が説明した要件
cell_01.jpg
お客さん自身、何が欲しいか分かってないYO!

も・し・く・は
本当に欲しいものはシンプルなのに、余計な見栄や、的はずれなアドバイスのせいで、
いつの間にか自分でもよく分からないものを説明してしまっている。

怖いのは、
お客さんが「正確に伝わった!」と信じちゃてるけど、何も伝わっていない。
本人も何を伝えたのか分かっていない、さらに、振り返りもしない場合。
明確でないので、状況が変わったりちょっとした後知恵で、オーダーが三転、四転と変わってしまう。。

自ら本当に欲しているものがわからないならば、相談して引き出してもらうことが必要なのかもしれない。
何が欲しいのかはハッキリさせないと、そもそもプロジェクトのゴールが定まらないっす。

##営業の表現、約束
cell_06.jpg
とにかく売上げを釣り上げるYO!

豪華に見える不要なものをなるべく多く、くっつけるゼ!
お客には必要のないものを売りつけ、ユーザーには不要の機能を提供してしまう。
そして身内のはずの、プログラマーには、サルでも利用しない本質でない機能のために、大量の工数を使って残業させる。。

優秀で善良な営業さんは強力な牽引力になるけど、
売上しか見えていない無責任な営業は、周りに不幸を撒き散らすキングボンビーのような存在です。

##プロジェクトリーダの理解
cell_02.jpg
とにかく、オーダーされたものを形にするYO!

枝1本だと重さを支えられないと考えてロープを2本の枝に分散させたらしい。
ブランコなのに揺らせないw
体裁は整っているけど機能していない。

##アナリストの設計
cell_03.jpg
プロジェクトリーダーの構想から
ごちゃごちゃ考えすぎた結果がコレ。。

  • 幹が邪魔で、ブランコが揺れないので幹を切断しよう
  • 幹が無くなった木を支えるために両端に支えを設置しよう。

ミクロレベルで問題解決はしたけど、
全体でみると、現代アートか、ガラクタか・・

顧客にも、実際に使うユーザーにも考えが及んでおらず
ブランコ揺れるけど、そもそも人が乗れない。。
というより、これをブランコと呼んでいいのか?

##プログラマの実装
cell_04.jpg
投げやりDAYO!

そもそも上からちゃんと、内容が伝えられていないw?
とりあえず、設置するロープで枝を折るのは避けたいので丈夫な幹に縛り付けた様子。

お客には頑張りましたと言い訳できる状態になっているのかもしれないが、
そもそも何が目的の物体なのかさっぱりわからない。

##ベータ版テスターの受難
cell_05.jpg

1番怖いよ!
((((;゚Д゚))))

##プロジェクトの書類
cell_07.jpg
何も書類に残してない!

そして、よくあることなので笑えない。

怠慢というより、
三転四転と仕様が変更になったり、
戦い疲れたIT戦士たちが入れ替わり立ち替わりなため書類に残せない。
もしくは書類を作成する時間すら与えられていない可能性もある。

引き継ぎもリソース追加もかなり手間取ります。。。
そして、戦い疲れたIT戦士が入れ替わっていき、、負のスパイラルは続いていく

##顧客への請求金額
cell_09.jpg
ボッタクリDAYO!!

ブランコ作っただけなのに、ジェットコースターの建造費用を請求する。
なんて割高な!

##リリース時期
cell_12.jpg
青々と茂っていたのに、完全に冬になってしまいました。
寒いので、誰も屋外でブランコをやりたがらない。

リリース時期を逃して、もう誰も求めていなくなるってことですかね。
世の中のニーズが過ぎてしまっているってことでしょうか。

##広告
cell_11.jpg
Think Different!?

イメージ&ブランド先行し過ぎて、本質が何も伝わってきません。
カッコいいーのは分かったけど、
で、
結局、何が言いたいの?

##実際の運用
cell_08.jpg
これが「出来上がったものです」

板も無いし、ロープも1本w
かろうじてターザンスタイルでぶら下がることはできます。

何をするものかも分からないし
ぶらぶら揺れるには不親切。。
リソースは大量に割いたけど、ほとんど活かされることがなかったようです。

##得られたサポート
cell_10.jpg
シュールすぎるw

木ごと切り倒されてますね。。
サポートの打ち切りってことでしょうか??

##障害対策
cell_15.jpg
貧弱過ぎる!

そして、対策してるはずなのに、
地面に板がついてて、ブランコ揺れないよ!
(サービスまともに稼働していないよ)

##実際の性能
cell_17.jpg
なんか、トンチっぽくなってきましたw
一休さんの出番ですかね。。

実際は、やりたいことが何もできていない。
さらに、間違った使い方ができてしまう。
ひょっとしたら、
ハッキングを受けて、機能不全になっているのかもしれません。

そんな状況でも、
蝶々がパタパタと飛ぶように、のほほんと現実を直視していないってことでしょうか?

##オープンソースの場合
cell_16.jpg
無料だし、愛が溢れています。
お尻が痛くないようにクッションまで。

いたれりつくせりで、スゴイ!

##パッチの適用後
cell_18.jpg
パッチを当てまくったために、それぞれの残骸がいびつな形でメタモルフォーゼ!!

整理されずにカオスなものが出来上がってます。
一部の機能を改善しようとすると、
システム全体にどんな影響を及ぼすか、もはや誰にもわからないため、
アンタッチャブルになっています。

##顧客が本当に必要だったもの
cell_13.jpg
本当のゴールはこれです
「顧客が本当に必要だったもの」です。

素朴でいいじゃないですかヽ(`▽´)/

お客は、素直にコレを相談し
営業やプロジェクトリーダーは湾曲せずに真摯に受け止める。
それだけで、よかったのかもしれません。

##SNSの影響
cell_14.jpg
炎上してますね。。

そりゃそうでしょ、今までの運用や、サポートなどを見ていれば。。
ただ、ちゃんと板とロープは外してあります。。再リリースしやすくでしょうか

#おわりに
読みながら、記憶がフラッシュバックして目頭が熱くなったのではないでしょうか?
(いや、熱いものが頬を流れたに違いない)
考えれば考えるほど奥が深いです。。

プロジェクトがうまくいかない時に、
この「ブランコの木」風刺画を立ち返ってみれば、何らかの答えが見つかるかもしれません。
必ずしも答えが見つかる事と、問題が解決する事は違いますが、
客観的な尺度を持つことは現状の把握に役に立つのではないかと思います。

それでは、皆様の現在進行中のプロジェクトが無事に着地することをお祈りしております。
お読み頂きありがとうございます。

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