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削減時間だけではない!RPAを導入した企業で実際に起きていること

こんにちは。米系RPAベンダーでカスタマーマーケティングを担当しています。
RPAを推進している企業を応援する仕事をしたくて入社し、現在は自社プロダクトのユーザーに取材をして導入事例をつくったり、ユーザーコミュニティの運用や支援などをやっています。

RPAの効果については、導入することで大幅な業務の効率化が期待されることから、企業の導入事例でも「RPA導入で業務が〇〇時間削減できた」「〇〇万時間を新たに創出」など、RPAの導入によってどれだけの時間が削減できたのか、という点にいきおい重きが置かれて語られがちです。実際、削減時間という数字は非常にわかりやすいため、特にROIを評価する必要のある経営者にとっては大切な指標であることは間違いありません。
私自身、自社プロダクトのユーザーに導入事例の取材を行う際には、必ず聞く定量的効果の一つであり、大きな数字になればなるほどインパクトを与えるものであるということも感じています。

ですが、様々な企業でRPAの導入ストーリーを聞いていくうちに、RPAの導入効果として本当に大事なのは、削減時間ではない別のところにあるのではないか?と思うようになりました。積み上げた数字は会社全体としての成果を示すものではあるものの、実際に現場の方が感じているメリットを聞くと、実感しているのは必ずしも時間的な効果だけではなく、むしろ時間以外の効果の方が身をもって感じているという声をよく耳にします。

「RPAの導入効果=時間削減」と語られがちな中で、ぜひ知っていただきたい(特に意思決定者や推進側の方に)、削減時間だけではないRPAの導入効果についてここでは紹介してみたいと思います。

※本記事は特定の企業の特定の取り組みを紹介するものではなく、様々な企業の実践例をエッセンスとして紹介するものです。また、ここに書かれた内容は私が所属する企業の公式見解ではなく、あくまで個人の観点での見解となります。ご理解ください。

削減時間以外のメリット.png

1. 品質が向上する

従来人間がやっていた手作業をロボットが代替するようになると、作業はより早く・かつ正確になります。人が行う作業には、どうしても間違いが発生するリスクがありますが、ロボットはルールさえ決まっていれば間違えることはないので、入力間違いなどの人為ミスがなくなり、作業の品質が向上するという点は大きな効果ですよね。

  • メールやExcelから手作業でデータを転記する作業
  • アカウントや品目などの登録や変更、削除作業
  • 複数のシステム、データから様々な数値を取ってきて一つのファイルに取りまとめる作業

などなど挙げればキリがありませんが、ミスが0%になるというのは、単に時間の削減だけでなく、品質の向上につながります。
人が行う作業の正確性を100%にすることは(そしてそれを担保することは)とても難しいですが、ロボットであれば間違えないことが分かっているので、「人為ミス0%です」と言えるということです。結果として、従来人が行っていたダブルチェックの作業がなくなるという副次的な効果もあると言えそうです。

2. 社員のストレスが軽減される

これは、時間の削減の次によく聞くRPAのメリットです。現場からは一番聞く声かもしれません。
ルーティンワークが人に与えるストレスやプレッシャーは実は非常に大きく、弊社調査なので手前味噌で恐縮ですが、実際に「世界一「嫌われている」業務はデータ入力」という調査結果があります。

世界で最も「嫌われている」オフィス業務は「データ入力」で、日本においては、「経費処理」や「デジタルデータの整理」がトップに挙げられました。

調査対象者のほぼ全員が、「自分の本来の業務ではない反復的な手作業のデジタル業務を自動化で排除するべきである」(85%)と回答しており、「変革によって幸福度が増す」(88%)と期待しています。
https://www.atpress.ne.jp/news/204127

この調査よりもだいぶ前ですが、Twitterでこんな投稿をしたところ、想像以上に多くの方に賛同の声をいただきました。

このルーティンワークによるプレッシャー、聞いているといろんな種類があります。下記は私がこれまで聞いてきた一例ですが、これ以外にもたくさんあるのではないでしょうか。

  • 間違いが許されないプレッシャー
    給与や査定に関する業務は非常にセンシティブなので、決して間違いが許されません。そのプレッシャーたるや想像を超えるものがあります。

  • 常に席にいないといけないストレス
    ある会社では、30分に1回システムから送られてくるメールの処理をしないといけないので、業務時間中は30分ごとに必ず席にいないといけないそう。これはツライ。

  • 見たくない情報を見てしまうことによるストレス
    人事評価などセンシティブなデータは当事者以外は見るべきではありませんが、それでも取りまとめなどの作業が必要になった場合は第三者(人事部門の担当者など)が見ざるを得ない状況になります。見てしまうことによる精神的なプレッシャーは相当なものでしょう。

  • excelなどの細かい作業による身体的負担など
    細かい数字を見て作業をすると、そりゃ目が疲れるし肩も凝りますね。

3. 業務が平準化する

単純に「業務時間の削減」というのとは別に、週末、月末、月初、年末、年度末など、特定時期に集中して発生するロボットが代替してくれることで、繁忙期の多忙がなくなるというのもメリットです。
ある会社では、週次の売り上げデータを翌週月曜日の朝に提出する必要があるため、取りまとめ作業を必ず土日に休日出勤してやっていたそうですが、この作業をロボットが代替してくれるようになったおかげで休日出勤をしなくて良くなったそう。
これは担当者にとっては本当にありがたいことですね。

4. 業務の見える化・棚卸しができる

RPAを導入すると、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング:業務プロセスの見直しと再設計)ほどではなくても、業務の見える化や棚卸しができるので、ちょっとした業務改善ができたり、本来やらなくてもいいことをやっていたことに気づくことができた、という話をよく聞きます。

自動化を行う業務を決めるときに、まずは業務の棚卸をしてみて、どの作業を自動化すべきかを決めるというプロセスを踏むことで、自動的に業務の見える化ができていくということなのでしょう。

ちなみに、BPRやるぞ!と言って社長直轄で始めた全社プロジェクトがだいたいうまくいかないのは、単に業務の棚卸だけだと現場が協力してくれないからだそうです。仕事を自動化することを目的としてやると、結果的にそれが棚卸になり、BPRになる。というのは、とても面白い現象だなと思います。

RPAをきっかけに業務の棚卸をしたことで、副次的な効果として、異動や職場に新しい人が来たときの業務の引き継ぎや楽になった。という話も聞きます。
すでに業務が自動化されていると、ロボットを引き継ぐだけなので、それも楽。という話も。
(ただし、中身を知らずにロボットだけ引き継がれてしばらく経ったある日、ロボットが突然動かなくなった。誰も元やっていた業務を再現できない。というのは、「RPAあるある」な怖い話・・・!引き継ぐ時は、中身もきちんと引き継がないとこんなホラーが現実化してしまいますね)

5. それまでできていなかったことがRPAで実現できる

RPAで業務が自動化されて時間が空いたので、空いた時間を使って、他のより付加価値の高い業務ができる。というのはよく言われることですが、「新しいことができる」の意味は、実はそれだけではなかったりします。

「ロボットがやってくれるからこそ手をつけられる仕事」というのがあるんだそうです。
たとえば・・・

  • 締め切り日までに必要な書類が提出されているかをチェックし、提出されていなければメールでリマインドする
  • 社員にアカウントを貸与している有料のサービスが使われているかをアカウントごとに定期的にチェックし、一定期間使われていなければ、そのアカウントを停止する
  • 作業の進捗をシステム上でチェックし、遅れがあれば担当者に連絡する

などなど。どれも絶対にやらないと回らないわけではないものの、人がやると「気づいたらときにやる」になるがちな業務ですね。
気づいたときにやることはできても、完璧にやろうとすると大変。ルーティンにするには時間や手間がかかりすぎたりして手をつけられていなかった業務を、ロボットがやってくれるからできるようになった、というのはポジティブな使い方ですよね。

6. 社内に改善文化が定着する

RPAで業務を自動化した結果、自分たちの仕事が楽になった、という体験が積み重なっていくと、「じゃあこの業務は?」「これはもっとこうすれば良くなるんじゃないか?」というように、業務を自分たちで改善する意識が芽生えてきた。あるいは、改善の意識を持って、RPAを使いこなして欲しい。そんな素敵な話を聞くことがあります。

エンジニアな方々からすると、RPAはどうしても過渡期の技術というか、本来ならシステム全体がマイクロサービスのアーキテクチャで構成されていて、APIで疎結合されてれば手でシステムにデータ入力するなんていらなくない?なんでわざわざ手で入力するのをロボットにやらせてるの?システム同士を直接繋げばいいだけじゃない?って見られていると思うのですが・・・

いやいや、そうしたくても相手方のシステムはAPIの口ないし、開発するとROI悪いから投資できなくて、人がやる方が安くて早いし、みたいな話が実際にはあったりするわけです。とはいえ、どうしようもないから人がやりたがらない仕事をストレスを抱えながら言われて仕方なくやるよりも、こんなのロボットにやってもらえばいいじゃない、と言ってロボットにさっさと仕事を投げてしまえる方が、よっぽど働いている当人としてはストレスレスだし、会社にとっても効率的、ということもあると思うんですよね。

そんな風に、RPAが会社で働く個人にとって、自分の仕事を効率よく、ストレスのないものにできるような武器になるといいなあ、と私個人としては思っています。それも、各自がこそこそと勝手に好き勝手やるんじゃなくて、会社に認められて、みんなでオープンに共有して使えるようなものに。
ある会社さんでは、「RPAを文房具のように社員が使いこなせるのが理想」と言っていました。オフィスにあって、誰もが手元に持っている文房具のように手軽に使いこなせるツール、という意味だそうです。なるほど!ですね。

以上、時間削減効果だけではないRPAの効果についてのまとめでした。

ここで見てきたように、RPAは業務効率化の方法としてだけでなく、ES(Employee Satisfuction)の観点でも効果があると言えそうですね。
ぜひこんな効果があることを、RPAの導入意思決定をする方や、推進する立場の方に知っていただけると嬉しいなと思います。

akiko_nagahashi
元・Automation Anywhere カスタマーマーケティング | #cmkt 主催/RPA/CX/B2Bマーケ/グラレコ/アシュタンガヨガ。日系通信企業でSE/開発→経営企画→IaaSプロダクトマーケ→LINE WORKSでCXとAdvocacy→オートメーション・エニウェア卒業 | 投稿は個人の意見
https://note.com/akiko_nagahashi
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