この記事はNECソリューションイノベータ Advent Calendar 2024アドベントカレンダーの12/4の記事です。
昨日は、@shu-mutowさんの「Kubernetes クラスター全体を実働不可能にさせかねない不注意な memory-backed emptyDir の利用」でした。
Kubernetesコミュニティに参加するためのトレーニングとは
「Kubernetes Upstream Training」として年に約2回開催しているトレーニングです。
Kubernetesコミュニティでは同様のトレーニングが世界で開催されており、その日本語版という位置づけになります。
講師はKubernetesコミュニティに参加しているメンバーで構成されており、弊社だけでなく他社の人も参加しています。
このトレーニングでは、KubernetesのOSSコミュニティを知ること、コントリビューション活動(貢献活動)を始めるための準備をすること、そして実際のコントリビューション活動をハンズオンで経験することが可能です。
このトレーニングを通してKubernetesコミュニティへの参加者が増え、OSSコミュニティがより大きくなることがゴールといったところでしょうか。
トレーニングのレポジトリは以下になります。
https://github.com/kubernetes-sigs/contributor-playground/tree/master/japan
普段はイベントに合わせて集合トレーニングを実施していますが、自分のタイミングでトレーニングを進めるアドホックな実施も可能ですので、もし興味のある人はぜひ。
と、色々書いていますが、より具体的な内容や経緯などはこちらの記事に書かれています。
https://jpn.nec.com/oss/community/blog/kubernetes-upstream-training.html
さて、Qiitaの記事ですし、ここからは少し視点を変えてカジュアルに「講師としてこれまでトレーニングを開催してきた中で感じたこと」を書いていきましょう。
講師として感じたこと
2019年から開催してきて、2024/11/26(火)に開催したトレーニングで12回目となりました。活動としては6年目ですね。
COVID-19が始まる前から開催してましたので、はじめはオフライン(対面)でのトレーニングだったのが、途中から完全リモートでの開催となり、最近になってオフラインを復活させ現在ではハイブリッド開催となっています。
トレーニングの内容も参加者からのフィードバックを反映したり、トレーニングの全体時間を短くして参加しやすくしたり工夫をしてきました。
それらの活動を通して感じたことを1つ共有させてもらうと「効果が出てくるには時間がかかる」と言うことかなと思います。
これは私の感覚ですが、トレーニング参加者が実際にKubernetesコミュニティで活躍している様子を知る機会が増えたのは1年ほど前からでした。
もちろんその人の活躍は、その人の活動の結果であり、トレーニングだけが要因ではないと思います。
これまで継続的に講師のロールで教えてきたことはなかったため、この経験と感覚を得ることができたのはとても貴重だと思っています。
そしてこの感覚が意味することは、OSSのコントリビューション活動を始め、継続するということの難しさでもあるのだろうなと思います。
そんな中でも少しずつその効果が現れてきているのは1つ嬉しかったことですね。
今後は?
トレーニング開催は今後も続いていくと思います。
一方で、講師陣の追加・変更やトレーニング内容の更新も含めて徐々に良くする活動も続ける必要があると思っています。
OSS(ソフトウェアそのものとそのOSSのコミュニティ)の良さとして言えるのは、改善するためのアクションを取りやすいということかなと思います。
OSSは「やりたい人がいれば参加できる」という文化が根っこにあり、コミュニティとして少しずつ良くする行動が取りやすい構造になっていると思います。
今年になりKubernetes Upstream TrainingはCNCJの中のSIGの1つとなりました。
https://community.cncf.io/cloud-native-community-japan/
これまで以上に活動が大きくなる準備が整ってきていますね。
もう来年が間近に迫ってきていますが、来年の活動は更に大きなものになりそうですね。