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[Power BI] DAXクエリことはじめ🎉

Last updated at Posted at 2022-12-02

はじめに

Power BIでレポートを作成するために、DAXを学ぶ方は多いと思います。
DAXを勉強しようと思って、ググって、公式ドキュメントを読んだり、QiitaやSQLBIの記事を読むと、なにやら見慣れぬ構文で書かれているDAXっぽいもの…これをみて頭が真っ白になった方も多いのでは。私もそうでした😭

DAXクエリ?🤔

EVALUATE
SUMMARIZE (
    Sales,
    'Product'[Brand],
    'Product'[Color],
    "Amount", [Sales Amount]
)
ORDER BY
[Amount] DESC

DAXクエリとDAXは似ています。
関数などはほとんど一緒です。
しかし、イコールではありません。

DAXクエリのことを少しでも知っていると、勉強が捗ります。もちろん、開発も捗ります。
DAXの基礎がわかっていれば怖くありません!今日、DAXクエリに入門しましょう~🎉

DAX.do

まずは便利サイトのご紹介。

あらかじめ、データモデルが用意してあり、そのデータモデルに対してDAXクエリを記述・実行し、結果を見ることができるサイトです。DAXの練習には持って来い!DAXのインテリセンスも表示されるし、関数をクリックすると右側にDAXガイドと連携して文法も表示してくれます。本記事で書いているDAXクエリはDAX.doで記述可能なものなので、ぜひコピペ→実行し、カスタマイズなどしてみてどうなるか試してみてください。

image.png

DAXクエリの使い所

SQLBIのホワイトペーパーには以下のように書かれています。

DAX 言語は、Power BI、Analysis Services、または Power Pivot for Excel のいずれかの表形式モデルでメジャーと計算列を作成するためによく使用されます。ただし、DAXは、モデルのクエリとレポートの表示のためにPower BIで使用される言語でもあります。ユーザーとモデル作成者は、複数の目的でDAXクエリを使用することもできます。

  • ページ分割されたレポート: Power BI サービスで発行された既存のデータセットからデータを取得します。
  • Power BI または分析サービスからデータをエクスポートする: DAX Studioを使用して DAXクエリを実行し、結果をCSVまたは Excel ファイルに保存します。
  • Power BI または Analysis Services を新しい Power BI モデルのデータ ソースとして使用する: 複合モデルがオプションではない場合は、XMLA エンドポイントを介して接続して、既存の表形式モデルからデータを抽出します。
  • Excel テーブルにデータをインポートする: Analysis ServicesデータベースまたはPower BIデータセットに接続されたExcelテーブルにカスタムDAXクエリを作成します。

また最近だとPower AutomateのアクションにもDAXクエリを書くことができるようになったので、DAXクエリを使いこなせば自由自在にデータセットからデータを取り出して活用できます。

image.png

Power BI Desktopで確認

Power BI Desktopでパフォーマンスアナライザーを開くとDAXクエリを見ることができます。
ビジュアルの中で数値を計算するために使用されるのがDAXで、ビジュアル全体を出力するために使われているのがDAXクエリです。

画像では、SalesAmount列を作成するために定義しているのがDAXです。見慣れた書き方ですよね。

カラー列、プロダクト列をグループ化し、SalesAmount列を集計し、そしてテーブル形式で出力するために、データセットに対して問い合わせているのがDAXクエリです。

image.png

DAXクエリの構文

[DEFINE 
    (
     (MEASURE <table name>[<measure name>] = <scalar expression>) | 
     (VAR <var name> = <table or scalar expression>) |
     (TABLE <table name> = <table expression>) | 
     (COLUMN <table name>[<column name>] = <scalar expression>) | 
    ) + 
]
EVALUATE <table>
[ORDER BY {<expression> [{ASC | DESC}]}[, …]]  
[START AT {<value>|<parameter>} [, …]]]

必須 EVALUATE

DAXクエリを構成するために最低限必要なのがEVALUATEです。これだけあればDAXクエリは実行できます。
最小単位はEVALUATEのあとにテーブル式を記入することです。

EVALUATE
Sales

Salesテーブルの全件を出力されます。
以下リンククリックをクリックするとDAX.doでクエリ結果を見られます。

オプション ORDER BY

EVALUATE の後ろで宣言します。

[ORDER BY {<expression> [{ASC | DESC}]}[, …]]  

プロダクトカラー別の売上をみたいときには、こんな感じで書いてあげます。

EVALUATE
ADDCOLUMNS (
    SUMMARIZE ( 'Product', 'Product'[Color] ),
    "SalesAmt", CALCULATE ( SUMX ( 'Sales', Sales[Net Price] * Sales[Quantity] ) )
)
ORDER BY [SalesAmt] DESC

すると結果はこんな感じ。

Color 売上
Silver 6,798,560.86
Blue 2,435,444.62
White 5,829,599.91
Red 1,110,102.10
Black 5,860,066.14
Green 1,403,184.38
Orange 857,320.28
Pink 828,638.54
Yellow 89,715.56
Purple 5,973.84
Brown 1,029,508.95
Grey 3,509,138.09
Gold 361,496.01
Azure 97,389.89
Silver Grey 371,908.92
Transparent 3,295.89

ORDER BYをつけることによって、任意の列の降順・昇順を決めることができることがわかります。

オプション START AT

EVALUATEORDER BYSTART AT の順番で並べます。クエリ結果を開始する値を定義します。
START ATORDER BYと1対1で対応しています。

構文は下記。

[START AT {<value>|<parameter>} [, …]]]

実際に先程のDAXクエリにSTART ATを付け足してみます。

EVALUATE
ADDCOLUMNS (
    SUMMARIZE ( 'Product', 'Product'[Color] ),
    "SalesAmt", CALCULATE ( SUMX ( 'Sales', Sales[Net Price] * Sales[Quantity] ) )
)
ORDER BY [SalesAmt] DESC
START AT 5860066.14

結果はこうなり、Black以下しか出力されていないことが確認できます。

Color SalesAmt
Black 5,860,066.14
White 5,829,599.91
Grey 3,509,138.09
Blue 2,435,444.62
Green 1,403,184.38
Red 1,110,102.10
Brown 1,029,508.95
Orange 857,320.28
Pink 828,638.54
Silver Grey 371,908.92
Gold 361,496.01
Azure 97,389.89
Yellow 89,715.56
Purple 5,973.84
Transparent 3,295.89

オプション DEFINE

DEFINEEVALUATEの前に書きます。

またその中でDEFINE(定義)できるものが4つあります。

  • MEASURE
  • VAR
  • TABLE
  • COLUMN

それぞれ、Power BI Desktopでレポートを開発する際に作成をしている、

  • メジャー
  • 変数
  • 計算テーブル
  • 計算列

になります。

[DEFINE 
    (
     (MEASURE <table name>[<measure name>] = <scalar expression>) | 
     (VAR <var name> = <table or scalar expression>) |
     (TABLE <table name> = <table expression>) | 
     (COLUMN <table name>[<column name>] = <scalar expression>) | 
    ) + 
]

例えばさきほどから実行しているDAXクエリの、EVALUATE以下を変数に置き換えてみます。Power BI Desktopで記述するメジャーと同様にVAR(変数)を使用して可読性の高いコードを書くことができます。

DEFINE
    VAR Producttbl =
        ADDCOLUMNS (
            SUMMARIZE ( 'Product', 'Product'[Color] ),
            "SalesAmt", CALCULATE ( SUMX ( 'Sales', Sales[Net Price] * Sales[Quantity] ) )
        )

EVALUATE
Producttbl

ORDER BY [SalesAmt] DESC
START AT 5860066.14

またこのように記述すると、Salesテーブルに新しい計算列が追加されていることが確認できます。

DEFINE
    COLUMN Sales[SalesAmount] = Sales[Net Price] * Sales[Quantity]

EVALUATE
Sales

さいごに

DAXクエリを理解するためにはまずDAXを勉強すること。Docsにも書いてありますよね。DAXを一周したあとにDAXクエリの構文を理解してテーブルを生成するためによく使われるSUMMARIZEADDCOLUMNSSUMMARIZECOLUMNSなどの関数をおさらい。そうすると理解が深まっていくと思います。

image.png

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