はじめに
Power BI 勉強会 #25 にて発表した内容です。
ゼロからはじめるPower BI
Power BI を社内導入した話をしました。題して「ゼロからはじめるPower BI」😁
本記事では、Power BI導入の価格面でのメリットの部分と、導入決定後の学習リソース部分をまとめました。
Power BI 導入のメリット
BI製品の選定はなんといってもライセンス費用が要件にハマるかどうかが最初のポイントになると思います。
Power BI Pro ライセンスがあればPower BI Serviceにレポートを発行して、URLを共有することができます。共有されてレポートを閲覧する人にもPower BI Proライセンスが必要になります。
Power BI Premiumを購入すると、レポートを編集・発行するユーザーは変わらずPower BI Proライセンスが必要ですが、Premium環境のワークスペースに発行されたレポートは、組織内ユーザーであればPower BI Free(無料)のライセンスで閲覧が可能です。組織内ユーザーは1,000人でも10,000人でも、展開が可能です。
- Power BI Pro 1,090円
- Power BI Premium 543,030円
ライセンス費用は上記の通りなので、大体500人以上いる組織だと費用面でコストメリットがあります。Premium環境にすると更新速度の向上や、データフロー周りの機能やデータマートなど、コスト以上のメリットがあることも忘れてはいけない部分です。
また、Power BI はMicrosoft環境のなかでの相性、連携の良さは抜群です。PowerPointへの埋込、Outlookでの共有、Teamsとの連携、PowerApps、PowerAutomateでの機能拡張は一度使ったら抜け出せないです。
参考ブログ
Power BI をどうやって勉強するのか
Power BI を導入することが決まったら、次は製品をより良く、より深く知ることが必要です。そのためには勉強をするしかありません。私がPower BI を勉強しようと思った2020年頃はまだ日本語コンテンツは少なく、英語を自力で翻訳しながら勉強を進めたりしていましたが、2022年現在は書籍も動画も日本語コンテンツが充実しています。YouTubeも自動翻訳で意味を汲み取ることが可能です。いい時代😀
勉強はどこからスタートしても、どの方法でもOKだと思います、前に進めるのが重要です😉
私が触れたコンテンツでおすすめのものをまとめておきます。ざーっと見て、気になったものから触れていくといいと思いますよ。
本で学ぶ
書籍でよかったのはこちらの3冊(読み切ってはいません汗)。1冊目は初学者が最初に読む本としてとてもおすすめです。データとはなにか、BIとはなにかから解説があります。著者はMicrosoft MVPの @yugoes1021 さん。 2冊目はPower BIの中でもDAXに焦点を当てて書かれている本。現時点では英語版しかありませんが、「DAXの聖書(バイブル)」と呼ばれているのが納得できるわかりやすさと情報量です。3冊目はPower Queryの専門書。Excelを使いながらステップバイステップでPower queryを理解することができます。2冊とも、日本語に翻訳しながら少しづつ読み進めています。
Microsoft Power BI入門 BI使いになる! Excel脳からの脱却
Definitive Guide to DAX
M Is for (Data) Monkey: A Guide to the M Language in Excel Power Query
動画で学ぶ
SQLBIは前述のDefinitive Guide to DAXを書いた二人が運営しているWebサイトです。ここではPower BI周辺の動画トレーニングコースが提供されています。Definitive Guide to DAXは読むのが大変・・という方は、同じ内容がMastering DAX Video Courseでビデオトレーニングとして提供されています。他にもPower BIの裏側で使われているAnalysis Serviseや、Dashboardのデザインについてのコースも有ります。2022年初頭に日本語字幕付きになったので英語がわからなくても問題ありません。
2022年7月現在は、無料の入門コースが数種類用意されていて、それを受講完了(大体1時間ほど)すると対応する本コースの割引チケットが付与されます。
- Mastering Tabular Video Course
- Data Modeling for Power BI Video Course
- Mastering DAX Video Course
- Power BI Dashboard Design Video Course
- など
YouTube
YouTubeも日本語字幕をつけることができるので、海外コンテンツも含めてたくさんの学習リソースがあります。各機能に特化した内容も多く、より深く、最新の知識を得るには最良のプラットフォームです。
GuyinaCubeは実際にMicrosoftでPower BIの製品開発に関わっている二人がやっています。Power BIの各機能はもちろん、データソースとなるAzure Synapse Analyticsのことも取り上げています。
SQLBIの二人はYouTubeも開設しています。主にDAXの解説が中心になります。
Microsoft MVPの日本人受賞者2人( @yugoes1021 @ishiayaya )がやってくださっているPower BI Weekly Newsは、Power BI Blogの更新内容を解説してくれています。ラジオ感覚で聞いているだけで、最新動向についていけます🎉
その他
30 Day Challenge: Query Folding - #30DQUERY
Power BI Blog
YouTubeで日本語字幕の付け方は下記参照
YouTube リンク 他にもたくさんあります
Udemy
UdemyでもPower BI関連の日本語コンテンツが増えてきました。Microsoft MVPの @ishiayaya さんが公開している講座リンクを貼っておきます。
Power BIの基本 -初学者~中級者に「準備・視覚化・共有」の3ステップで、データの見える化と分析の基本が身につく
Microsoft Learn/Docsで学ぶ
Microsoftが公式に提供しているDocs(ドックス)も勉強するための仕組みが用意されています。初学者向けにはLearnがあり、各Serviceの機能の全体像・仕組みを理解できるようにまとめられています。Docsはさらにより詳細に調べたいときに読むものです。グラデーションはあるにせよ、Learnは初学者向けでDocsは開発者向けという理解でいいと思います。Learnを読んで、実際に製品を触り、それでも不明点があればDocsを読む。それを繰り返していると、いつの間にかDocsばかりを読んでいるようになってきます😄
Learnは読んでいると経験値がたまるしくみもあります。
Power BIについてのDocsはこちら
試験で学ぶ
Microsoftは認定資格を用意していて、製品やロールごとに様々な資格があります。認定資格ごとにMS Learnのコースが用意されていて、基本的にはそのコースを一通り理解することができれば試験に合格することができます。まずは〇〇-900と名前のついている資格が基礎になりますので、こちらを一通り取得するのもオススメです。Power BIに特化した勉強をするなら、まずはPL-900(Power Platformの基礎)とAZ-900(Azureの基礎)を取得するために勉強するのがいいですね。
基礎資格一覧
認定資格一覧
Power BIの資格
資格は実務では役立たちません。資格があるから実装ができる・・わけではありませんが、体系的に物事を理解するのに役立ち、この製品で何ができるか把握することができます。後述のイベントに参加することで、試験料を無料にすることができたりしますので、そちらも活用してください~😀
イベントで学ぶ
Microsoftがたくさんのイベント・ウェビナーを用意してくれています。Virtual Training Daysは参加すると900系認定試験の無料バウチャーを取得できます。Virtual Training Daysで基礎固めをして、その確認のために試験を受けることができます。
Dashboard in a Dayはハンズオン形式でPower BIなどの製品にふれることができるイベントです。人数制限があるので参加したい場合は早めに申し込みましょう。OpenHackは5-6人一組で、用意されたシナリオにそって実装を進めるイベントで、基本的には参加者が自分たちでDocsを読んで、試して、手探りで実装をしていくイベントです。内容にもよりますが、3日間連続で9時~17時までという長い時間その製品にディープダイブすることになります。Modern Data WarehousingがDWHの構築からPower BIでの可視化までを行うプログラムになっています。
Virtual Training Days
Dashboard in a Day
OpenHack
OpenHackの詳細は下記ブログを見ればなんとなくわかると思います。
コミュニティで学ぶ
技術コミュニティで学ぶのは、もっとも良い選択肢です。しかし、受け身ではコミュニティは成立しません。自分で考えたこと、勉強したこと、やってみてできなかったこと、できたことをみんなと共有してください。コミュニティの中で議論をしたことが、もっとも力になったと実感しています。本記事であげた他の学習方法と併用して、わからないことやつまったことをコミュニティに持ち寄る・・というのがいいですね。
役割を意識する
- データエンジニア
- データサイエンティスト
- データアナリスト
- ビジネスユーザー
- など
一般的にデータ関係のロールは上記のようにいくつにも分かれています。Power BIはデータの準備から、データを見てビジネスに活かす人まで、幅広いロールに対応する機能があります。セルフサービスBIをする場合と、エンタープライズBIとして組織内で役割を分けながら運用をしていくことを検討している場合で、その機能を誰の役割とするかは変わってきます。勉強するときには、今勉強しているのはどの役割に求められていることなのかを意識するとPower BI全体像の把握が早くなるはずです。頑張りましょう💪
アウトプットしましょう~🤟
勉強したことは、コミュニティや、Qiitaなどの技術ブログでぜひアウトプットしましょう!アウトプットは人の役に立つようなものである必要はまったくありません。自分が勉強したこと、困ったことをただ吐き出すだけでOKです。似たようなことを書いてある記事があっても関係ありません、もっとレベルが高いことが書いてある記事がすでにあっても全然問題ありません。自分のために書きましょう。コミュニティで発表するなら簡素なスライドで全然OKだし、ブログも短くてもOKだし、図がなくてもOKです。自分がわかればOK。
アウトプットをすると、自分の頭の中が整理できます。それを見た人が、教えてくれることもありますし、自分であとで見直すこともホント多いです。自分用の辞書のようになっていきます。
また、自分のために書いている記事をみて、誰かがリアクションをくれたりもします。自分のために書いたのに、誰かのために役立つこともあります。
つまり、アウトプットするのはいい事しかありません。レベルは問わないです。ぜひチャレンジしてみてください🎈
まとめ
会社で運用にのせるためには、ひとりだけ知識をつけてもダメで、いろいろな部署や関連の会社の方々と協力してプロジェクトを進める必要があります。プロジェクトに関わる人達全員が知識をつけていくためには、組織独自の工夫が必要な部分だと思います。
とはいえ、まずは個人が力をつけることが大事です😁一緒に頑張りましょう~!