はじめに
こんにちは。本記事は、Microsoft Power Automate Advent Calendar 2024 12月1日担当分の記事です。ですが、本記事にはPower Automateの技術的なことはでてきません😇ご了承ください。
自己紹介
まずはお前誰やねんという話があると思うので、自己紹介から。
ストーと申します。業務で活用をするために、2020年頃からPower Platform系(Power BI、Power Automate)の勉強を開始しました。
たった5年前ですが、当時は今ほど日本語で読める書籍や学習教材が少なく、公式ドキュメントをスムーズに読めるほどの知識&胆力もなかった私は、藁にも縋る思いでコミュニティに飛び込みました。
Power BI 勉強会
気ままに勉強会
コミュニティに参加していると、同じ悩みを持っている人がいたり、ベクトルの違う話で気付きを与えてくれる人がいたり、私にとってはとてつもなく高いレベルの会話をしている人がいたり、たくさんの刺激を得ることができ、コミュニティ活動は趣味のひとつになっていきました。
コミュニティで今やっていることを発表する機会が増える中、外部イベントで話すことにチャレンジしてみたり、ブログ投稿してみたり、会社の業務内容も外部に発信してみたりと発信の幅を自分なりに広げていき、2024年10月にはMicrosoft MVP for Data Platformも受賞させていただきました。
データにかかわることをやっているとセキュリティも気になってくるもので、セキュリティ関連の発信もはじめてみたり、Power BI Weekly Newsにも加えていいただいたりもして、今では主催することも増えてきました。
Power BI Weekly News
Microsoft Security Monthly News
技術コミュニティに参加し、外部発信を続けることで、人生が豊かになり、人生が楽しくなった人のひとりです。
SNSもやっています、ぜひフォローお願いします。
なぜ踏み出せないのか🤔
技術コミュニティでの活動を通して、たくさんの方々とお会いさせていただきました。
その中で、一定数、
- 登壇してみたい
- ブログを書いてみたい
- 発信している人をかっこいいと思っている
- 自分もいつかそうなりたいと思っている
だけど、行動に移せないという方がいます。
本記事はそういう人の背中を押すために書いています。
誰がための発信なのか
そもそも発信は誰のためにあるべきなのか。そこを整理しましょう。業務で困ったときに、ブログや登壇を聞いて、助けられた、ヒントをもらった。そのおかげで業務が進められた、課題が解決したという経験をお持ちの方も多いと思います。
いま、あなたが一番整理したい知識や考えは何ですか?それを書き出してみることが、最初の一歩です。
人のためになるブログ記事を書きたい。
誰かの心に残る登壇をしたい。
そう思う気持ちは素晴らしいものです。
ただ、やはり、発信活動においていきなり人の役に立とうと思うのは飛躍があります。どの世界にもスーパーマンはいて、はじめてかいた記事からスペシャルなものをアウトプットする人もいれば、初登壇のはずなのに、堂々としていて素晴らしい内容を話す方もいます。でも多くの場合は、そういった人たちと比べる必要はないですよね。いきなり大谷翔平や井上尚弥にはなれないです。
アウトプットは、まず 「自分のため」 に行いましょう。登壇したり、ブログを書くことで、自分の中の曖昧さや理解不足が自然と浮き彫りになります。それが、学びの第一歩です。
アウトプットが持つ力
アウトプットの重要性はしばしば、いろいろなところで語られていますよね。アウトプットをすることで、インプットした知識や情報を記憶に定着させたり、結果的に自分自身の理解度や習熟度をチェックすることに役立ったりもします。
Learning Pyramidという図を見ることもありますよね。
学習の定着は、人に教えることがもっとも効果的だと。
行動を阻む5つの壁
ブログを書いてみたい。
登壇してみたい。
だけどできない。
いい効果がたくさんありそうなのはわかっている。でもできない。
それはなぜなのか🤔
パターン分けすると以下のような人が多いです。
- 発信する内容がない
- 自分および発信内容のレベルが低いと思っている
- 人に影響を与えたい
- 周辺のことばかり考えている
- 人前に出るのが緊張する
発信する内容がないのは、気持ちはすごくよくわかります。が、発信する内容がないわけないんです。技術コミュニティに参加して、そこで登壇者の話を聞いて、自分で実践したこと、考えたことを話すだけでも価値があります。最近、自分で試したことの中で他の人と共有したいと思ったことはありませんか?
それが、すでに発信内容として十分なのです。 さらに「うまくいかなかったこと」を発表するだけでもいいんです。どうしてもうまくいかなかったことを発表してくれて、それを発表後に議論して解決する‥なんてことができたら、同じ初学者からしたらとても価値のある発表だと思いませんか?
ただ、そういった内容だと「レベルが低いんじゃないか」と考える人もいます。「レベルが低い内容しか話せないので登壇できません…」はよく聞きます。主催者が許すのであれば、レベルが低いから登壇ができない、登壇してはいけないなんてことはありません。(ほとんどのコミュニティで初心者大歓迎のはずです)自分でやったことを整理して、考え、それを他人に伝えようとする行為自体がとても価値が高いものです。レベルが高いからといってすべての人のためになるわけでもありません。同じレベル感で、同じ悩みを持ち、あなたの発表、アウトプットで救われる方もいるかもしれませんよ。
逆に、アウトプットする内容でいかに他者に影響を与えるべきかを考えすぎて躊躇してしまっている人も多く見かけます。企画内容を練りこんだり、タイトルを工夫したり、さらには全〇回のシリーズを検討していますっていったまま、一回も始まっていない話はあるあるです。最初はそんなに気合をいれず、自分のペースやスタイルがかたまってきたら少しずつ他者のことを考えていきましょう。
少し前に書いたように、アウトプットはまずは自分のためにあるべきです。他者への影響はいったん考えず、あくまでも自分のため、自分の試行の整理のためと割り切って、一歩前に進むことを優先しましょう。他者への貢献は慣れてきたらでOKですし、自分のペースで発信活動を続けることが、自然と他者への貢献になるものです。
また、主にツール周辺のことばかり検討をしていて、まったく肝心のアウトプットまでたどり着かない人も多いです。
- ブログのプラットフォーム
- Qiita
- zenn
- 自前のブログ
- SNSの用意
- X
- 実名で行うか
- ハンドルネーム
- 実名だす
- 所属企業を出すか
- 出す
- 出さない
などなど、永遠に検討をしている人がいます。
こちらのスライドも参考に、サクッと決めちゃってください。
人前に出るのが緊張します という話は、もう「頑張れ!慣れるよ!」としか言いようのないことではあったりします。誰でも最初は素人です。初心者です。いま、外部で登壇を日常のようにこなしている人も最初は緊張したでしょう。
練習が名人をつくる
海外でもこういった言い回しがあるように、全世界、いつの年代でも言われていることです。緊張は誰もが、どこにいってもするものです。当たり前のことなのに、それを足かせだと考えない方がよいです。私も登壇は今でも緊張してますからね。
そして、あなたが所属して、登壇をしてみたいと思っているその技術コミュニティは、緊張している人を笑ってさげすむようなひとはいないはずです。安心して踏み出せばいいんです。
コミュニティの価値の一つは、成長譚をみることができること
あなたがなぜ技術コミュニティに参加しているのか。深く考えたことありますか。
コミュニティの楽しさとはなんなんだ🧐
技術的な知見を深めることができるとか、仲間ができることとか、人によってさまざまだとは思いますが、そのなかの一つに、誰かの成長譚をみることができることにあると感じています。
右も左もわからなかった人が、何年か経つとコミュニティ内で人に教える立場になっている!こんな成長譚を間近で見られることが、コミュニティの価値があるのだと思っています。
だからこそ、レベルが低いから… 内容が薄いから… はむしろコミュニティ側からしたら大好物なんです。なぜなら伸びしろしかないから。成長譚を想像させるから。さぁ一歩踏み出しましょうよ!
誰も覚えていない😇
さて、少し話は変わります。珠玉のブログ記事や、コミュニティ会のスーパースターの登壇を除き、あなたはいくつ、具体的に聞いた内容や読んだ内容を思い出せるでしょうか。
半年前に行われたLT会の内容、覚えていますか?
たくさんブログ記事を読んできたと思いますが、しっくりこなかったブログ記事も多かったと思います。肝心なことが書いてない、不正確であった、画面が古い、何を言っているかわからない。そのブログを誰が書いているかチェックしましたか?しないですよね?
むしろ、超参考にしたブログを書いた著者のことも知らないこと多くないですか?そして少し時間がたてばタイトルも忘れ、「なにかのブログを参考にしたな…」くらいしか残りませんよね。
そうなんです😎
技術コミュニティでの発信内容は、(極論、)誰の記憶にも残らないことが多いのです。
ただ、確実に残るのは、発信することで体系化された自分へのナレッジと、登壇をしたという事実、そして経験です。
だから、だからこそ、安心して発信してほしいし、まずは最初の第一歩を踏み出してほしいなと思うわけです。
損をした人をみたことがない
また、技術コミュニティに参加し、外部発信を続けてきた人で、損をした人を見たことがありません。所属会社やコミュニティのルールに沿って、発信活動を続けている人は、結果的になんらかのメリットを享受している気がします。希望の職種に異動できた、希望の会社に転職ができた、仲間ができた、自信がついた、知識が体系化された…などなど。
デメリットがないことに取り組まないのは損じゃないですか?
私の初体験🫣
いったん私の話に戻すと、最初の技術コミュニティでの登壇は2020年のPower BI勉強会でした。コロナ渦だったため、オンラインで50人くらいの前で発表をした記憶があります。
オンラインだったにもかかわらず、手も足も震え、すごく緊張しました。家族にも聞かれないように、自室で鍵をかけて参加しました。
発表内容は、ざっくりいうと、「英語で書かれたPower BIの技術書を、Power Automate for DesktopとDeepLを使って無理やり日本語訳して読んでいます」という内容でした。
Power BI勉強会にもかかわらず、技術的な話は当時使えるようになったばかりのPower Automate for Desktopの話でしたし、聞いている人も何の話なのかさっぱりわかってない人も多かったと思います。そんな中、とてもポジティブな反応をたくさんもらえたし、自分の中でも大きな達成感がありました。
この経験がきっかけとなって、その後もコミュニティ活動に積極的に参加をし、100人以上の人が聴講するリアルイベントでも登壇する機会にも恵まれたし、コミュニティ仲間もできたし、結果的にMicrosoft MVPを受賞することもできました。
誰の記憶にも残っていないはず
そこで改めて、です。
前述した私の初登壇、いますでに覚えている人はいないと思うんです。もう誰の記憶にも残っていないはずなんです。誰かいますか、覚えている人。おそらくインターネットの海のなかですでに藻屑となっているはず😎
このときにほぼはじめてPowerPointをさわりましたし、この勉強会のために自宅のカメラとかヘッドセットを揃えました。インターネット環境も粗悪でした泣 回線速度は10~15Mbpsでした。
内容のレベルも低く、スライドもぐちゃぐちゃで、おそらく配信された映像も汚く、音声もガサガサだったはずです。
技術コミュニティでの発信は対価をもらっているわけでもないし、主催の方々がOKしてくれるのであれば、その質は問われるべきものではありません。自分のその時点での成果をまとめ、自分の知識を体系化するためのツールとして登壇や発信の場ををうまく使えばいいんです。
そして、(極論)誰の記憶にも残らないけど、自分の身にはしっかり残る。いいことしかないですよね~
はじめの一歩の踏み出し方
長くなりましたが、結論に入ります。はじめの一歩の踏み出し方。
まずは飛び込もう✊
とにかくやれ!迷ってる時間がもったいない。
細かいことは考えずに、はじめちゃうことが大事。
質を求める前に、量が大事です。アウトプットたくさんしましょう。質はあとからついてくる。
身もふたもないかもしれないけど、いままでいろいろ考えて、ぐるぐる回って、結局踏み出せなかったわけですよ。
じゃあもう逆張り、思い切って、なにも考えずに飛び込みましょう。あなたの参加しているコミュニティはそういう人を歓迎してくれる場所ですよね?考えて動けなかったのなら、次は「考える前にやってみる」を試してみましょう。
想定問答
Q. ブログのプラットフォーム何にしようか…🤔
A. いや、なんでもいいよ!
あとから気に入ったものに切り替えればいいじゃないですか。
Q. 実名でやろうかハンドルネームでやろうか…
A. いや、なんでもいいよ!
いったん仮名で顔出しNGでもいいから、やってみなよ!あとから少しずつ考えていきましょ。
Q. 会社名は出した方がいい…?
A. いや、なんでもいいよ!
いったん、そういった情報開示はなしでいいから、自分が発信したい内容を、どんなプラットフォームでいいから、殴り書きでもいいから書いて、公開してみましょう。
この記事をここまで読んじゃったあなた、
もう何をいっても無駄です。 少しでも登壇すること、ブログを書くこと、外部に自分が取り組んでいることを発信したいと思っちゃっているあなた、動く時が来たんです。
さぁ、今日は2024年アドベントカレンダーの初日です。
少しでも「やってみよう!」と思ってくれた方は、この勢いのままにアドベントカレンダーに投稿予約をしてみましょう。
ジャンルは問いません、投稿予約をして、締め切りを決めて、この機会にブログを書いてみましょう。Power Automate アドベントカレンダーだったら、気ままに勉強会の中で取り上げてくれるかもしれないし、Power BIアドベントカレンダーなら、Power BI Weekly Newsで寸評してくれるかもしれません。
Microsoft Power Appsもあるし、Microsoft Fabric、Microsoft Securityのアドベントカレンダーもあります。
それ以外にも自分の好きなカテゴリーがあればそこに飛び込んでみましょう。それがあなたの最初の第一歩になりますし、素敵な未来のスタートになります。
古今東西、いつも言われている
日本中、世界中で文脈は違えど、一歩踏み出せない人を後押しする言葉がありますよね。
※ほかにもいい言葉を知っている人はコメントください!追加します。
-
思い立ったが吉日
-
Audentes fortuna iuvat.(幸運は大胆な者を助ける)
-
Chi ben comincia è a metà dell’opera.(よいスタートを切れば、すでに半分成功している)
-
千里の道も一歩から
-
道は足下に在り。(道は自分の足元にある)
-
where there is a will, there is a way.(意思あるところに道は拓ける)
アントニオ猪木も言っている
アントニオ猪木が引退セレモニーで詠みあげた『道』。これもだいたい同じことを言ってますよね。
『道』
この道を行けば
どうなるものか
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せば
その一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ
行けばわかるさ
アントニオ猪木
まとめ
一歩踏み出したあなたが、素晴らしい2025年を迎えることを祈っております。
迷わず行けよ、行けばわかるさ、ありがとーー!
この記事をきっかけに一歩踏み出す方が一人でも生まれると嬉しいな。
関連記事