ハイブリッド環境でOutlookの空き時間参照と予定表の共有は利用に必要な通信要件が異なる
本件の環境
Exchange2010CAS/HUB
Exchange2010MBX(ユーザーメールボックスあり)
Exchange2013HUB/CAS(ハイブリッド、ユーザーメールボックス無し)
Office365
前提の通信要件(共通)
O365とオンプレExchangeのハイブリッド構成でフェデレーション信頼を構成する事が必要となる。
そのために、以下の構成が必要
・全てのExchangeサーバーにおいて、[Exchange Online]と[Microsoft 365 Common および Office Online]の全ての必須項目について外部へ通信できる事
・外部からアクセス先のExchangeサーバー(Hybridサーバー)に対して、[Exchange Online]と[Microsoft 365 Common および Office Online]の全ての必須項目について外部から通信できる事
・O365から外部EWSのアクセス先(ExternalURL)は組織内のExchangeで統一する
Office 365 の URL と IP アドレスの範囲
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office365/enterprise/urls-and-ip-address-ranges
空き時間の参照
空き時間情報の参照とは・・・スケジュールアシスタントでの空き時間や予定の参照
1.O365からオンプレサーバーへの通信経路・・・参考URLを参照
※本環境ではO365からHybridサーバーに対して前提の通信許可が必要
2.オンプレからO365への通信経路・・・クライアントPC→Exchange2010CAS→O365
※2010CASからO365への通信を許可する必要がある
※Exchangeからプロキシ経由でO365を通信する場合は、Set-ExchangeServer -server -InternetWebProxy <プロキシのURL>設定が必要
予定表の共有
予定表の共有とは・・・招待メッセージ(sharing Invitation)を送付して他人の予定を開く方法
1.O365からオンプレサーバーへの通信経路・・・参考URLを参照
※本環境ではO365からHybridサーバーに対して前提の通信許可が必要
2.オンプレからO365への通信経路・・・クライアントPC→Exchange2010MBX→O365
※2010MBXからO365への通信を許可する必要がある
※Exchangeからプロキシ経由でO365を通信する場合は、Set-ExchangeServer -server -InternetWebProxy <プロキシのURL>設定が必要
その他注意
・EWSのExternalURLの変更は2-3時間反映に時間がかかる場合がある
・Outlookの予定表のユーザーアクセス権が無いと参照できないため、必要な権限を付与する
・Outlookの予定表を開く、は予定表共有とは別物。クライアントから直接Office365に接続する動作となる。
※環境によっては動作しないため、Microsoftでは正式にサポートしていない
参考:Exchange Server ハイブリッド環境における予定表の共有について
https://blogs.technet.microsoft.com/exchangeteamjp/2017/10/31/sharing-calendar-in-hybrid-enviroment/