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Visual StudioのGoogle Testプロジェクトの使い方その2 ～Google Mockの追加～

Posted at 2022-06-19

はじめに

そもそもMockって？

クラスが呼び出すクラスなりライブラリなりの代用。
テストで下位から返されるもので処理が変わったりする場合に、呼び出すモジュールの処理結果がテストで必要な結果になるよう、あれこれ操作するのは大変なので、好きな結果を返すモジュールに差し替えて動かすのがMockです。

Google Mockのセットアップ

セットアップといってもNuGetで持ってくるだけ。
「ツール -> NuGetパッケージマネージャー -> ソリューションのNuGetパッケージの管理」を選択して、管理画面を開きます。
参照タブを選択して、googlemockで検索して「googlemock.v140.windesktop.static.rt-dyn」を探します。

「googlemock.v140.windesktop.static.rt-dyn」を選択して、右側に表示されるインストールするプロジェクトの選択で、TargetProjectTestにチェックを入れてインストールします。
バージョンは最新で問題ないはずです。(現在の最新1.7.0.1)
(ちなみにgooglemockとだけ名前がついているものがありますが、ソースファイルだけ突っ込まれていて、ビルドの構成をするようなファイルは一切ないので、普通にGithubからGoogleMockのソースを持ってきて自分でビルドして使うほうが100倍マシです。)

で、バージョンは問題ないのです。
問題はNuGetのパッケージ自体に間違いがあることです。

GoogleMockのフォルダ修正

Google Mockのヘッダーファイルはgmockフォルダ下のヘッダーファイルを参照するようになっていますが、パッケージの中のフォルダはgtestになっているので、このまま使うとどう足掻いてもエラーになります。
ということで、先程ソリューションファイルがあるフォルダの直下のpackagesフォルダ内にインストールされた、GoogleMockのパッケージ内のフォルダ名を修正します。

packagesフォルダにある「googlemock.v140.windesktop.static.rt-dyn.X.X.X.X」(X.X.X.Xはインストールしたバージョン)下の「build\native\include」にある「gtest」フォルダの名前を「gmock」に変更します。

リンクの追加

package下のgmock.libをリンクする必要があるので、「構成プロパティ -> リンカー -> 入力 -> 追加の依存ファイル」にgmock.libを追加します。
以下を追加すれば、ビルド環境毎同じ設定でビルドできます。
「$(SolutionDir)packages\googlemock.v140.windesktop.static.rt-dyn.1.7.0.1\build\native\lib\$(Platform)\v140\$(Configuration)\gmock.lib」

ここまでの設定でGoogle Mockを使用できるようになります。
このままビルドしてもGoogle Mockを使っていないので、設定ができているか分からないので、簡単なテストを追加していきます。

Google Mockを使ったテストの追加

Linux環境での情報が多いですが、Google Mockの使い方自体はWindowsでも変わらないので一気にいきます。
Google Mockを使えるよう、前回のソースでテストしたメソッドとは別に、インターフェースクラスを使用する下位のクラスを使うメソッドを実装します。

インターフェースクラスの追加

少々雑ですが、TargetClass.hに追加していきます。

class InterfaceClass
{
public:
	virtual ~InterfaceClass() {};
	virtual int Interface() = 0;
};

インターフェースの実装クラスの追加

インターフェースクラスと同じくTargetClass.hに追加していきます。

class InheritanceClass : public InterfaceClass
{
public:
	int Interface() override
	{
		return 1;
	}
};

下位クラスを呼び出すメソッドの追加

前回作成したTargetClass.hに新しく追加します。

class TargetClass
{
public:
	bool PublicMethod(int input);

	bool PublicMethod2(int input);

	InterfaceClass* imple_;

private:
	FRIEND_TEST(TargetClassTest, PrivateMethodTest);
	bool PrivateMethod(int input);

};

Mockの追加

テストの方に書くと分かりにくくなるので、TargetProjectTestにMockClass.hを追加します。

MockClass.h

#pragma once
#include "TargetClass.h"
#include <gmock/gmock.h>

class MockClass : public InterfaceClass
{
public:
	MOCK_METHOD0(Interface, int(void));
};

テストの追加

Mockを使用したテストを追加します。

using ::testing::AtLeast;

TEST(TargetClassTest, MockTest) {
	TargetClass target;

	MockClass *mock = new MockClass();
	EXPECT_CALL(*mock, Interface()).Times(AtLeast(3));

	target.imple_ = mock;

	EXPECT_EQ(false, target.PublicMethod2(2));

	delete target.imple_;
}

テスト追加後の各ファイル

TargetClass.h

#pragma once
#include "gtest/gtest_prod.h"
#include <memory>

class InterfaceClass
{
public:
	virtual ~InterfaceClass() {};
	virtual int Interface() = 0;
};


class InheritanceClass : public InterfaceClass
{
public:
	int Interface() override
	{
		return 1;
	}
};

class TargetClass
{
public:
	bool PublicMethod(int input);

	bool PublicMethod2(int input);

	InterfaceClass* imple_;

private:
	FRIEND_TEST(TargetClassTest, PrivateMethodTest);
	bool PrivateMethod(int input);

};

TargetClass.cpp

#include "TargetClass.h"

bool TargetClass::PublicMethod(int input)
{
	if (input >= 0)
	{
		return true;
	}

	return false;
}

bool TargetClass::PublicMethod2(int input)
{
	if (input > imple_->Interface())
	{
		return true;
	}

	return false;
}

bool TargetClass::PrivateMethod(int input)
{
	if (input <= 0)
	{
		return true;
	}

	return false;
}

TargetProject.cpp

#include <iostream>
#include "TargetClass.h"

int main()
{
    TargetClass target;

    std::cout << target.PublicMethod(1) << std::endl;

    return 0;
}