12
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

ARアドバンストテクノロジ株式会社(ARI)Advent Calendar 2021

Day 9

現場でよく聞く認識齟齬を考察!大学入試問題集で「ミス」と向かい合ってみた

Last updated at Posted at 2021-12-08

認識齟齬。社会人になって、突然聞くことが増えた言葉です。ミスの原因であり、すぐ質問して解消することがよいとされています。抽象的な概念や専門用語が飛び交うIT業界ではよく聞かれる言葉の1つですね。本記事では、社会人3年目の私が自身の経験や知識をもとに、「認識齟齬」を考察してみます。

#認識齟齬とは?
**「相手と自分の意見が食い違っている状態」を認識齟齬といいます。**ビジネス上では、単に「自分の認識と現状が異なる場合」に使用するだけでなく、「連絡ミスなどトラブルが発生した場合」に使われることもあります。

スライド1.JPG

次に、原因を考えてみる前に、なぜ認識齟齬が大きな問題になるのか考えてみましょう。

#なぜ認識齟齬が問題になるのか?
 **ゴールイメージが異なるからです。**同じ目標を目指していているにもかかわらず、想定しないゴールを目指してはいけません。行間を読んで先回りして仕事をすることも大事ではありますが、まずは指示(要求)にちゃんと応えることの方が大事です。
 また、問題が起きている(完成イメージが異なる)ことに気づきづらいから、認識齟齬が問題なりやすいです。どのように理解しているかは、何らかアウトプットを検証する必要があります。ある程度コトが進んでから、(何気ない会話などで)検知することになります。
 さらに、検知までに時間がかかるので、軌道修正する時間が圧迫されます。出戻り作業で時間を取られ、他のタスクにも悪影響を及ぼすことにもつながります。ゴールが異なるだけでなく、他作業にも悪影響を与えてしまうから、問題になりうるのです。次は、「認識齟齬の原因」を考えてみましょう。

#原因は何でしょうか?
(ほかにもあると思いますが、)原因は大きく2つあると思います。
①情報が不十分であること
しかるべき人に良いタイミングで情報が十分伝わっていないことです。ステークホルダーの中で情報量による差が認識齟齬を生み出すこともあります。伝達ミスの場合もありますが、知っている(理解している)と思って、あえて省略する場合で発生することもあります。伝え方に一番問題があるのでしょう。

②情報の解釈違い
情報を提示され、読む聞くなどを通して解釈(理解)する時に、相手と情報のとらえ方に違いが発生してしまうことです。情報を伝える側にも、受け取った側にも落ち度はあります。知っているだろうという憶測、こうなるはずだという歪曲、こういうものだという先入観、そして、知識不足などあらゆる要因が考えられます。自分が考えていることが「正」と思ってしまうので、恐ろしいタイプです。

#解決策は?
「コミュニケーションをとる」ことがよくあげられます。
早い段階で質問したり、確認の頻度を増やして解決しようという試みです。早い段階というのは、齟齬の検知を早め、問題が悪化しないようにするためです。変な言い方ですが、「コミュニケーションという解決策は自分以外の人の目を入れて、間違いに気づいてもらう機会の創出」なのかもしれません。齟齬は相手と自分における食い違いなので、相手の視点を取り入れるのは対策として妥当でしょう。
 上記2つの原因に対して、有効な対策なのか個別に見ていきましょう。

原因①「情報が不十分であること」 → 効果あり
持っている情報の非対称ゆえに、齟齬が発生しているので、有効です。非対称に気づくことができれば、ですが。。少なくとも、齟齬を発見できる機会ではあります。自分が気づいていないことを自分以外の誰かから指摘され、気づけることがありますね。ただの雑談が威力を発揮します。「え!俺聞いていないんだけど。」みたいな。伝え方に問題があることがあるので、別視点で、話題にする回数を多くして改善するというイメージでしょうか。

原因②「情報の解釈違い」 → 効果あり
解釈違いが成果物に表れますので、成果物ベースに指摘が入り、認識齟齬に気づくことがあります。ただ、成果物を誰かが見るまで、認識齟齬に気づきづらいです。こちらも、早めに確認(コミュニケーション)してもらって、大惨事になる前に対処したいですね。
 たしかに、解釈違いをコミュニケーションによって、気づくことができます。しかし、相手が適切に情報を提示して、自分の解釈違いがあった場合、「齟齬」といってもいいのでしょうか。自分のミスを「齟齬」ということに違和感があります。つまり、「誤解」と「齟齬」が同じ意味として使われているように思えます。

紆余曲折しましたが、以下のように考えると少しスッキリします。
(現場では混ざっていることもありますが、便宜上分けています。)

スライド2.JPG

#違和感のその先を考えてみた
 誤解は、情報を提示した側の伝え方と情報を受け取った側の知識や思考に原因があります。**言い換えると、話す/聞く/書く/読む/考えるなど基本的能力に問題の所在があります。**個人の日本語理解力ともいえるでしょう。
 自分も今までたくさんのミスをしてきました。認識齟齬と思っていたことが、正しくは「誤解」だったと思います。心当たりはとてもとてもあります。。そうなると、自分は日本語を正しく扱えているのでしょうか。自分はちゃんと日本語を話せているのでしょうか。聞けているのでしょうか。書けているのでしょうか。読めているのでしょうか。考えられているのでしょうか。
 おそらく、日本語を正しく扱えていないのだと思います。では、どれくらいできていないのでしょうか。

#計測してみた
現状、日本語(ここでは読む/書く/考える)を正しく理解できているのか計測するために、「大学受験用の現代問題集」を解くことにしました。(話す/聞くについては計測方法がぱっと出てこないので割愛です。)本屋でてきとうに選びました。現代文テキストはこちらです。

大学入試問題集 柳生好之の現代文ポラリス[2 標準レベル]

現代文問題集.jpg

概要
・MARCH・国公立大・共通テスト8割を目指すレベル
・現代文の問題
・本文を読んで、問題に答える
・ほぼ選択式であるが、一部記述問題もあり。
・満点は各50点
・すべての問題(12題)を解く
・自己採点

現代文を使った理由は以下の通りです。
・文章を読む・答えを書く・思考するなど計測したい要素が含まれている。
・得点として数値化でき、答えまでのプロセスを確認できる。
・一人で確認できる。(自分のペースでのんびり進められる。)
・論理的な文章(整った文章)を読むことができる。(伝える側のミスが少ない)
・全く読めない文章でもない。(はかるにはちょうど良いレベル感)

業後や休みの日を使って、ちょっとずつ解きました。しかし、解いて答え合わせするのにめちゃ時間かかるし、めんどくさい気持ちも多分にあったので2か月くらいかかりました。(途中で情熱が冷めて、さぼりました。)

では、結果発表です。じゃじゃーん!
スライド3.JPG

んー、微妙です。
大学受験レベルで、比較的論理的で整っているだろう文章でも、ちょくちょく間違えています。やはり、正確には読めて、考えて、書けていないようです。自分は正解だと思っていたけれど、不正解だったものも散見されました。。

#ミスと向かい合ってみた(結果を考察)
一番衝撃的であったのは、「正解しても(理解したと思っていても)、正解までのプロセスが正確ではないこと」です。

例えば、1~4の選択肢で②を選びました。②は正解です。
ただ、②を選ぶには2つの根拠がありますが、1つしか読み取れていなかった。正解している以上、完璧に根拠を把握している必要はないかもしれません。が、読み取れていなかったことで、誤解は発生する可能性があります。わかったつもりが一番怖いです。普段からそのような読み方をしていると知れたのはよかったです。

そして、間違え方を分析してみました。(読み方、考え方のクセもあるかもです)以下、自己採点で不正解だった問題の原因です。間違え方のほぼすべてですね。。
・主語の読み違い
・因果関係の読み違い
・対立関係の読み違い
・文章の読み飛ばし
・単語の意味を正しく理解していない
・知識不足(※文学史を問う問題を間違えたのはしゃーなしとさせてほしい。もちろん減点していますが、、)

スライド4.JPG

①②は受験問題でよく見かけるミスリード選択肢です。日常でたくさん見かけるものではないです。では、③はどうでしょうか。ちゃんと読んでいない部分をレビューで指摘された経験はありませんか。「あぁ、そこちゃんと見てなかったわ」と、思う瞬間がよくありました。難しい専門用語を「読み飛ばし」た結果、理解が浅く、考慮できていない。そして、誤解が発生している。普段プロジェクトでミスする原因を見つけた気がします。

#まとめ
問題集を解いたり、自分の経験を振り返ってみると、誤解や認識齟齬はいつでも、どこでも、誰でも起こるものだと思います。情報が不十分であったり、知識が足りない状況の方が普通で、準備がいつも十分な事態はほぼ発生しません。自分は大丈夫と考えるのではなく、気づかないうちに齟齬、誤解があるかもしれないと考えて対策を考えた方がよさそうです。

今回、このブログを書いてスッキリしたことが2つあります。
**1つは、「認識齟齬と誤解を切り離して考えられるようになったこと」です。**反省の際に、自分にベクトルを向けることができたと思います。**もう1つは、「社会人になったからといって、読む/書く/考えるなどの基本能力が大きく向上していないこと」です。**受験勉強をしていた頃と、間違え方も正解率もあまり変わっていないような気がしています。足りないことを知っているから、見える景色もありますよね。今、自分が持っているもので勝負するしかないって、腹をくくれた気がしました。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

#参考文献
kufura『「齟齬がある」の読み方や正しい使い方は?よくあるNG例も解説【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#6】』(2021年12月9日利用)
https://kufura.jp/work/business-manner/115503

REEED BY MEXUS『ミスコミュニケーションが発生する原因と対策【絶対に伝わる方法】』(2021年12月9日利用)
https://reeed.jp/blog_individual/mis-communication/

12
3
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
12
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?