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新卒1年目に合格!インフラ実務未経験でAWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイトに合格した体験記

Last updated at Posted at 2020-05-13

新卒1年目、インフラ実務未経験ながら、AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイトに合格しました!開発系部署で仕事をしながら、別分野の資格に合格するまでの勉強方法を体験記として綴ります。「毎日手をつけること」「複数の問題集に取り組むこと」などの学習ポイントを踏まえつつ、初心者ならではの工夫や合格戦略を記していきます。

1.サマリー

学習をはじめる頃(2019年12月頃の状態)
・文系出身1年目、アプリ開発の部署に所属し、Javaに奮闘する
・インフラやAWSの実務経験はなし
・AWS認定クラウドプラクティショナー合格←new!

結果
AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA-C01) 合格
2020年2月 739点

学習に使ったもの・行ったこと
・参考書2冊を読んでみる
・2つの問題集を解いてみる
・ハンズオンでAWSにふれてみる
・模擬試験を受けてみる

学習期間・時間
・2019年12月下旬から、2020年2月下旬まで
・平日1時間30分、休日5時間くらい

#2.合格までに行ったこと
##2.1 きっかけとモチベーション
SAA受験のきっかけは会社の新卒課題に指定されていたことです。クラウド需要の高まりや知識の裾野を広げるという意図に納得でき、注力することにしました。普段は開発の業務をしていて「クラウドは畑違いだから…」と思わず、新卒への期待と捉えて、「目の前のことに一生懸命になるときだ」と腹をくくりました。

また、AWS認定クラウドプラクティショナーに合格できたことが、モチベーションを高めました。継続して学習を進めることができ、手ごたえを感じることができました。そして、語彙が増えたことによって、ミーティングで聞き取れない単語が減りました(わからない単語はまだまだありますが…)。学習したことが実務のふとした瞬間に役に立っており、「SAAも取るぞ!」と気持ちを新たにすることができました。

先輩のアドバイスで、AWSの初級資格であるAWS認定クラウドプラクティショナーから、学習することにしました。クラウドプラクティショナーの学習については、下記を参考にしてください。

文系出身!新卒1年目の私がAWS認定クラウドプラクティショナーに合格した体験記

##2.2 学習戦略
クラウドプラクティショナーの学習計画を立てた時(9月)に、2月中にSAAを取得することを目標にしていました。期限の2月までに何ができるか、何をしないか考えました。

まず、体験記を検索し、学習方法・期間・教材などを調べました。AWSを業務で扱っている方の体験記が多く、私の予想より短い期間で合格されているように見て取れました。ただ、業務で扱っている人でも資格勉強のために、何をどうアクションしているのか注意して、情報収集しました。Qiitaや企業ブログ、個人ブログなど20本以上の体験記をみると、共通ポイントが浮かび上がってきました。

共通ポイント
・参考書や問題集を『複数』取り組んでいる

「複数」を学習のポイントとして設定し、参考書や問題集をいくつか扱うことで、広く学習を進めることにしました。具体的には、SAA向けの資格受験用の参考書1冊と、さらに実践に近い書籍も参考書として読むことにしました。資格向け参考書で、AWSの各サービスの概要や特徴をつかみ、実務本で各サービスの組み合わせ方やユースケースを把握するというイメージです。

また、クラウドプラクティショナー受験の振り返りもしました。

・うまくできたこと
平日1時間、休日5時間ほど継続して学習に取り組むことができたこと

・反省点
反省①:見たことのない用語が多数出題されて焦ったこと
反省②:点数がギリギリだったこと
反省③:資格に必要な知識の習得にとどまってしまったこと

反省①②の対策として、問題集を「複数」解くことにしました。範囲が広いので、数こなすことも必要だと思いました。さらに、反省③の対策として、「ハンズオン」も並行して行うことを決めました。得た知識と知識のつながりを実感したり、理解を深めたりすることが目的です。

クラウドプラクティショナーの学習を継続してできたのは、「毎日、AWSの何かしらに手を付ける」というマイルールを設定し、実行できたからです。「参考書を1行読む」だけでも「手をつけた」ことにしました。仕事をしながら、資格の勉強をするのは大変です。「眠い」「疲れた」など、できない理由はいくらでもつくれます。逃げようとする自分がいつも、どこかに、います。しかし、眠い日や、疲れた日に、「参考書を1行だけでも読んだ」自分を許していました。許せたから、継続できたと思うのです。このマイルールを設定して、挑みました。

以上を踏まえた学習計画はこちらです。
スライド1.JPG

##2.3参考書を読む(2019年12月下旬から)
まず、資格向け参考書として、こちらを読みました。
AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト (アソシエイトSBクリエイティブ (2019/4/20))

目次
第1章 AWS認定資格
第2章 グローバルインフラストラクチャとネットワーク
第3章 ネットワーキングとコンテンツ配信
第4章 コンピューティングサービス
第5章 運用支援サービス
第6章 ストレージサービス
第7章 データベースサービス
第8章 セキュリティとアイデンティティ
第9章 アプリケーションサービス
第10章 開発者ツール
第11章 プロビジョニングサービス
第12章 分析サービス
第13章 AWSのアーキテクチャ設計
第14章 問題の解き方と模擬試験

各節や章のおわりにある「重要ポイント」や「本章のまとめ」がとてもありがたかったです。細かい説明をとばして、ポイントだけを追うようにも読むことができる参考書でした。ポイントを押さえやすかったので、苦手な分野は「まとめ」を先に読んでから、内容を読むという読み方もしていました。

クラウドプラクティショナーより内容が難しくなるので、段階的に2回通読しました。「データベース、ストレージなど各サービスをおおまかなイメージでつかむ」→「RDS、DynamoDBなど各特定のサービスの特徴や違いを捉える」という順番で2回は通読しました。1日30分くらいは読んでいました。

「データベース、ストレージなど各サービスをおおまかなイメージでつかむ」の段階では、「コンピューティングサービスにはEC2やELBなどがあって、○○ができる」ということが把握するように読みました。また、反対に「S3はストレージサービスである」といえるように、サービスがどの分野に含まれるのかも意識して読みました。

「RDS、DynamoDBなど各特定のサービスの特徴や違いを捉える」の段階が一番苦しかったです。複数あるインスタンスタイプから、ユースケースに沿った最適なものを選べるくらいの知識が必要ですが、細かい違いがなかなか覚えられませんでした。読むだけでは定着しないので、通読は合計2回でやめて、問題演習をしながら、必要なところを読むことに切り替えました。

以下の図は、特に参考になりました。

NAT ゲートウェイの基本(2020年5月12日利用)(似た図を引用します。)
(https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/vpc/latest/userguide/vpc-nat-gateway.html)
nat-gateway-diagram.png

この図はNATゲートウェイを使用したVPCのアーキテクチャを示しています。この図を理解しようとするには、ネットワークACL、セキュリティグループなど通信に制限をかけるサービスなどの知識も必要です。DBを冗長化させるなど、応用もききやすい基本構成図だと思います。

また、実務向けの参考書として、こちらを読みました。
Amazon Web Services 定番業務システム14パターン 設計ガイド (日経BP(2018/9/28))

目次
1章webシステム
2章ストレージシステム
3章データ分析システム
4章アプリケーションの高速開発
5章クラウドネイティブ
6章ハイブリッドクラウド

AWSの実務向け書籍の中で、比較的コンパクトで、出版年が比較的最近であったので、この本を選びました。図が多いことで理解が進みました。VPCの構成や、各サービスをどう連携するのかなどイメージがつきやすくなりました。構成図をイメージすると、各サービスを連携させる問題がでた時に、選択肢を選びやすくなります。

毎日30分こちらの本を読み、1パターンをノート1ページにメモしていました。3日で1パターンを読み終えていました。メモの内容は、「①構成図の模写」、「②構成のポイント」、「③わからない単語と意味」です。

「①構成図の模写」:何と何がつながっているのかを注目
「②構成のポイント」:構成の意図・ポイント
「③わからない単語と意味」:意味調べ

まとめると、概要を把握したり、体系的に知識を整理したりするために、参考書はとても役立ちました。「今日は〇ページまで読む」など直近の目標を立てやすく、学習のリズムをつくるができました。
##2.4問題を解く(2020年1月上旬から)
作戦通り「複数の」問題集を解きました。

AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集

udemyの「模擬試験問題集」は難易度が本番よりも高い印象です。出題範囲が広く、本番の問題と出題傾向が似ています。テスト後に、分野ごとに正答率が表示されることも魅力の一つです。各問題に対する解説も充実しており、私は、毎日10~15問くらい解いていました。そして、問題を解いた倍くらいの時間をかけて、解説を読み込んでいました。休みの日には、模擬問題1回分(65問)を解き、合計得点で、理解度を把握するようにしていました。始めた当初は3割~4割程度でした。何度も解きなおして、2月下旬には8割以上はとれる状態になりました。

AWS Web問題集で学習しよう

「AWS Web問題集で学習しよう」は7問1セットで、一問一答形式です。問題を解いた後にすぐに回答を確認できることが特徴です。難易度は本番と同じくらいか、ちょっと易しいくらいだと感じています。2月下旬には、7問中5問は最低得点できるくらいの状態になりました。隙間時間に利用して問題をといていました。悩んだときには、長く考えずに、回答をみてすぐに次の問題に進むようにしていました。1日10 分から30分くらいは時間をかけていました。

問題を解いているとき・解き終わったあとには、以下の3つを工夫しました。

工夫①:「めんどくさがらずに、インフラ一般の知識も検索すること」
インフラ系の知識が圧倒的に足りていなかったためです。例えば、「Route53はDNS機能を持つ。」という言葉の記憶では、なかなか正答率が上がりませんでした。「DNS」の内容がしっかり把握できていなかったからです。一般的な機能の内容も把握する必要があると思いました。

これに気づいてから、調べる幅が広がりました。例えば、PCの内部の仕組みを調べて解説を読むと、セキュリティ問題の理解が増しました。他にも「Docker」「CDN」なども調べて、時には先輩に質問して教えていただきました。さらに、基礎知識があると、応用もききました。PCの内部の仕組みから、EC2とFargateの違いも覚えることができました。調べる習慣は大事です。ちなみに、Route53の「53」とはDNSのポート番号が由来のようです。(これを知ったときはさらに、「ポート番号とは」でまた調べることが増えてきます。笑)

工夫②:「よく間違える問題は解説を簡単にメモして整理しておくこと」
間違えた問題を次回には正解するためです。SAAの試験では、インスタンスタイプを選ぶ問題が頻出です。一度、表にして特徴などをまとめていました。EC2やS3,EBSのインスタンスタイプだけでなく、Storage Gatewayのタイプや,Route53のルーティングポリシーなどもメモしていました。このメモは受験の直前に役にたちました。復習するときに見返して、知識をアップグレードして、取りこぼしがないように努めました。

工夫③:「正解までのプロセスがあっているのかを確認すること」
次回も正解できるようにするためです。問題をやり込んでいると、「この単語を使っていて、この聞き方をすると、選択肢はこれ」と、問題文をあまり見ずに、選んでしまうことがありました。また、正解の選択肢を覚えてしまうこともありました。解答の根拠が正しくて選んでいるのかを、答え合わせの時に確認するようにしていました。

解法のテクニックとして、以下の2つがあげられます。
テクニック①:最後の問題文に注目
SAAは問題文が長いです。「何が問われているのか」が見えづらい問題も多くあります。問題文の核心が最後の文に凝縮されているものが多かったので、問題文が長いときほど、最後の文を注目して読むと効果的です。「最後の文から、答えを予想して選択肢をみる」という視線の動きも武器として持つようにしていました。

テクニック②:消去法
消去法もかなり有効だと感じました。私はSAAの試験に一度落ちているのですが、2回目の受験の際には、消去法で選択肢を切ってから解答する作戦にして、なんとか合格点に届きました。要素ごとに他の選択肢と比較し、適切かどうか判断しました。選択肢全体でみるのではなく、要素ごとに比較することがポイントです。

##2.5ハンズオンをやってみる(2020年1月から)
実際に手を動かしてみると、知識と操作がリンクして発見があっておもしろかったです。会社の勉強会で使った手順書を活用しました。EC2を立ち上げるとき、「このタイミングでEBSを設定するのか!」などと驚きもありました。(素人っぽい感想ですいません笑)

会社の同期と一緒に、業後に週一ペースでハンズオンを行っていました。1回で、1時間半から2時間程度の間、設定項目の意味を調べたり、構成図を書いてどこまで設定ができているのか確認しあったりしていました。仲間とハンズオンをすると、疑問を言語化でき、調べる量も増えました。また、問題演習や参考書の知識を説明しあいました。学習の進捗やおすすめの教材なども共有して、刺激になりました。ちなみに、AWSのアカウント作成後は、こちらの記事の内容をやっておくといいと思います。
AWSアカウントを作成したら最初にやるべきこと -セキュリティ編-

##2.6模擬試験を受ける・本番に挑む
2月はじめに模擬試験を受けました。難易度は本番とほぼ同じくらいの印象です。得点は表示されるのですが、問題ごとの正解・不正解が表示されません。さらに、問題は25問程度で、問題形式を事前に知っておくくらいの意味づけとなりました。「〇〇日には模試を受ける」と予定を組みやすくなったり、モチベーションを高めたりするので、受けてよかったなと思っています。私は問題を解きながら、全問スクショして、あとで復習できるようにしました(解いている最中は結構忙しかったです笑)。

計画通り、2月中旬に試験を受けました。結果は不合格でした。690点。これでもダメかと。合格ラインが720点/1000点なので、あと、数問(?)足りませんでした。しかし、積み上げてきたことは間違っていないし、最後のツメの部分を修正すれば‥と思えました。2月までに受かることが目標だったので、すぐ次の申し込みをしました。

このときの反省メモ(一部抜粋)
・一通り解き終わった後に、見直しの時間はあった。
・制限時間の前に退出してしまった。
→制限時間いっぱいまで見直ししたほうがいい?
・選択肢を選ぶときに、消去法で絞るプロセスを踏んでいない時が多かった。
→思い込みや勘違い防止のために、他の選択肢もちゃんとチェックすべき?
・最後の一文を読むこと大事。テンパったときに役に立つ。
・問題演習と本番の問題傾向はだいぶ似ている。
・落ちると次に受けられるのは2週間後になる。

受験の日を宣言していたこともあって、ダメだったことを何人かには報告しました。その時、「励ましのコメント」もいただいたのですが、それを言わせている自分が悔しかったのです。その日を目指して学習してきた「やりきった感」と、落ちた「がっかり感」でモチベーションは下がりに下がりました。が、その悔しさのおかげで、モチベーションは下げ止まりました。

再度申し込みをして、振り返りをして、もう一度問題を解きなおしました。問題演習を2週間続けました。


2月下旬、再度受験しました。問題演習のメモを見直したり、前回の反省を顧みたりして本番に臨みました。迷う問題もたくさんありました。見直しフラグを積極的につけて、制限時間いっぱいまで見直しを続けました。解答時間が終わり、アンケートに答えると、いきなり結果が表示されます。

**「合格」**でした。

とても、とてもうれしかったです。帰り際に、テストセンターの受付のお姉さんに、「合格しました!」と言ってしまったくらいです笑。

#3.まとめ
クラウドプラクティショナー合格からは2か月、不合格も経験しましたが、無事に、ギリギリで合格できました。クラウドプラクティショナーの学習も含めると、SAA合格まで、5か月かかりました。以下のような日を過ごしていました。

1月のある日の学習(平日)
朝30分:実務本を読む・内容をメモする
夜1時間:模擬問題集を10問解く。解説を読む。わからない単語をしらべる。

1月のある日の学習(休日)
昼前1時間30分:実務本を読む・内容をメモする
昼後3時間30分:Web問題集で学習しようと模擬問題集を解く。解説を読む。

2月のある日の学習(平日)
朝30分:Web問題集で学習しようを1セット解く。解説を読む。
夜1時間:模擬問題集を10問解く。解説を読む。間違えた問題をメモして、整理する。

2月のある日の学習(休日)
昼前1時間:Web問題集で学習しようを3セット解く。解説を読む。
昼後4時間:模擬問題集を1回分(65問)解く。解説を読む。間違えた問題をメモして、整理する。資格本と解説を読み比べる。

そして、たくさん頼って、支えられました。勉強会を開いていただいたり、質問に丁寧に答えてくださったり、ハンズオンを一緒に行ったりしました。そして、合格後は、役員の方やプロジェクトのメンバー、同期から「おめでとう」の連絡がたくさん来ました。だから、「合格しました」って、言えて、よかったです。ひとりでは合格までたどり着かなかったと思います。ECSの概念、Elastic BeanstalkとOpsWorksの違いやIAMロールとIAMポリシーの違いは一人で理解できなかったです。

資格を持っていても、業務に活かせるかは未知数です。机上の学習が中心になってしまって、業務の最前線で戦える即戦力になっていないかもしれません。しかし、合格するために何が必要か考え続けられましたし、成功体験のひとつになりました。少しだけ「強く」なれた気がしました。もし、この体験記を参考にしていただける方がいましたら、とてもうれしいです。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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