こんにちは、フロムスクラッチでプロダクトマネージャーを務めている大橋と申します。
今回は「プロダクトマネジメントチームがワールドマーケティングサミットに行きました。」というタイトルで、イベントレポートをお送りできればと思います。
はじめに
自己紹介代わりにこちらをどうぞ。
上記は pmjp.slack.comオフ会#9 という、2017/06/07に実施されたイベントでのLTなので、現在はPdM歴はもうすぐ1年…!
弊社はb→dashという、**「マーケティングに必要なデータ取得・統合・活用をAll in oneで実現するマーケティングプラットフォーム」**を提供しています。
すなわち、b→dashのユーザーは「マーケター」の方々がメインユーザーです。
ユーザーが現在・近い将来で見据えている、マーケティングのポイントを掴むことは、ユーザー理解のために必要であるということ。
そして、何より「b→dash自体もどのような方向を向かえばいいのか?」、プロダクト自体のマーケティングの参考とするために参加しました!
どんなイベントか?
公式サイトからの説明を引用させていただきます。
ワールドマーケティングサミットジャパン 2017 公式サイト
ワールドマーケティングサミットは、「現代マーケティングの父」であるノースウェスタン大学 ケロッグ経営大学院のフィリップ・コトラー教授によって2010年に設立されました。世界中から国際機関、行政、企業、研究者などが参加し、「新しい現実におけるマーケティング」をテーマに、マーケティングの視点から社会的な課題に取り組み、持続可能な解決策を見出すべく活動しています。
また、全世界で「新しいマーケティングパラダイム」を共有し、マーケティングを単なる企業経営のツールというレベルから、社会的責任に優れた企業戦略へ進化させるというビジョンを持っています。
要するに、
- マーケティングの大家「コトラーの教授」によって開始された
- 世界のマーケティングトップ達が知見やトレンドをシェアする
ようなサミットです。
今回のテーマは「Transformation Through Innovation」ということでマーケティングにおけるイノベーションをテーマとした講演がメインでした。
講演者も超豪華
ワールドマーケティングサミットジャパン 2017 公式Facebook
こちらは公式Focebookから引用させていただきます。
講師陣は、8月に出版した最新刊『コトラーのマーケティング4.0』で「マーケティング理論」を更に一段進化させたフィリップ・コトラー教授を中心に、
世界屈指のマーケティング経営者であるネスレ日本 高岡浩三代表取締役社長兼CEO、
事業ポートフォリオを大きく転換して成功に導いた富士フイルム 古森重隆代表取締役会長CEO、
イノベーション理論の世界的権威ノースウェスタン大学 ロバート・ウォルコット教授、
自らもミュージシャンとして音楽をもとに顧客エンゲージメントの本質を鋭く指摘するESADEビジネススクールサルバドール・ロペス教授、
『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』がベストセラーになった早稲田大学ビジネススクール 入山章栄准教授など、
今まさに旬の顔が揃います。
コトラー教授だけではなく、ネスレ日本の高岡社長や富士フィルムの古森社長をはじめとして豪華な面々の講演がありました。
本記事ではコトラー教授の講演内容の一部をご紹介できればと思います。
※英語の講演ものすごく意訳&要所をピックアップしているので、間違い等あればご指摘ください…
Marketing Strategies in Disraptive Times
マーケティングとは何か?
企業における「マーケティング」に変革が起きている
- 古い視点
- 営業、広告、プロモーション…売上をあげるための手段
- 新しい視点
- ターゲットとする市場に優れた価値(CCDV)を創造し、コミュニケートし、提供する…企業が何をつくるべきかを決める
-
最新の視点
- 企業成長をドリブンするビジネスディシプリン…正しいだけではなく新しいものを作る必要がある
マーケティングがすでにある製品を「売る手段」から、そもそも製品として「何をどう作るべきか?」という段階へ変遷しており、さらに**「新しいものをつくってビジネスを成長させていく」**段階に行くべきだ、というメッセージです。
マーケティングフレームワークの変化
教科書にもよく出てくる、4Pというフレームワークも進化させるべきであると。
- 4P(Product,Price,Place,Promotion)から変化している
- 5C(Customers,Company,Collaborators,Competitors,Context)
-
更に新しい戦術
- Product
- Service(製品は単体ではない、必ずサービスが付随する)
- Brand(製品の特徴だけでなく、どんなブランドイメージを築きたいかということも重要)
- Price
- Incentive(価格だけでなくインセンティブとして気持ちよさを提供することも重要)
- Communication
- Delivery
太字で記載した、Service,Brand,Incentiveという新しい要素について触れていました。
特にServiceの部分はIT業界ではSaaSやサブスクリプションモデルが台頭してきて、プロダクトとサービスは一体だよね、という風潮がありますが、その他の業界でもこの潮流は来るのかもしれません。
また、Incentiveという点では、ネスレ日本の高岡社長の講演にもあったのですが、「ネスカフェアンバサダー」が後のパネルディスカッションでも紹介されていました。
【公式】ネスカフェ アンバサダー「ネスレ マシン」が職場で無料で使用できるサービス|ネスレアミューズ
マーケティング的な解説記事はこちら
10万人のファンが動いてくれたネスカフェのアンバサダー
価格だけではなけではなく、「おいしいコーヒーをいつもありがとう」という声が何よりの報酬であり、それがファンを突き動かす、これがIncentiveを捉えた体験の提供だと。
新しいマーケティングの8つの主な特徴
最後に、「新しいマーケティングの8つの主な特徴」をご紹介したいと思います。
- モバイルマーケティングに集中すること
- カスタマージャーニーのデータを集めること
- ブランドコミュニティを構築し、エンゲージすること
- ソーシャルメディアプラットフォームを広告に活用すること
- コンテンツ開発や流通に注力すること
- マーケティングオートメーションを活用すること
- 質の高いサービスを提供すること
- Authentic Caring Companyとして評価を得ること
読者の皆さんにとっては、「いまさら強調しなくても…」という内容もあるかもしれませんね。
個人的には、総論として重要という認識は広まっているものの、各論としては、具体的にどうすればいいのか?という点に関しては各企業がまだまだ突き詰めていく必要があるトピックだと思っています。
最後に
b→dashも、このようなマーケティングのトレンドを読みこなし、「こうあるべきではないか」という提案をプロダクト・サービスとして形にすべく、引続き企画・開発を頑張っていきたいと思います!
ちなみに、他にも同イベントのレポートがあるので、こちらも参考にどうぞ!
※画像を添付されているので、臨場感もつかめると思います…!
86歳のコトラー教授がデジタルを語るのを聞きながら、日本の経営者のデジタルへの無関心に悲しくなる #wms2017
現場からは以上です!