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ディープラーニング G検定 を受けた話

Last updated at Posted at 2020-01-09

この記事は リンク情報システム の「2020新春アドベントカレンダー TechConnect!」のリレー記事です。
TechConnect! は勝手に始めるアドベントカレンダーとして、engineer.hanzomon という勝手に作ったグループによってリレーされます。
(リンク情報システムのFacebookはこちらから)

はじめに

5日目を担当します、@aki0itoです。

2019年11月9日(土)に ディープラーニング G検定 (以下 G検定)を受験しました。
今回は、その受験記としてG検定の紹介と試験対策を述べていきますので、お付き合いいただければ幸いです。
検定自体は無事に合格しましたので、ある程度の信憑性はあるはずです…多分。
(自己採点では8割程度の感触です)

ディープラーニング G検定ってなんすか?

ディープラーニング G検定 ってどんな検定なんでしょう。
名前だけ見ると最近話題の「ディープラーニング」に「G」まで付いちゃって、やたらカッコイイですよね。
「G」は何でしょうか。「Great」とか「Global」ですかね。

…というのが私が最初に G検定 を目にした印象です。

G検定 は、一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA) が実施する「ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを検定する」資格試験で、2017年12月に第1回目が実施されました。
正式名称は JDLA Deep Learning for GENERAL なので、G検定の「G」は「Generalist」の「G」になります。
G検定は知識を問う試験なので、実装力は問われません。
代わりに実装に関する資格試験としてE資格(JDLA Deep Learning for ENGINEER)があります。

私が受験したのは第6回の JDLA Deep Learning for GENERAL 2019#3 で、試験の概要は以下の通りでした。

  • 概要:ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを検定する
  • 受験資格:制限なし
  • 試験概要:120分、小問226問の知識問題(多肢選択式)、オンライン実施(自宅受験)
  • 出題問題:シラバスより出題
  • 受験料: 一般 12,000円+税 学生 5,000円+税
  • 試験日:2019年11月9日(土) 13:00-15:00

自宅受験なのでカンニングし放題ですが、226問を120分で解くということは1問あたり30秒程度で回答することになるので時間的な余裕はありません。
また、出題問題のシラバスに色々と記載されていますが、機械学習・AIに関することは全て出題範囲に含まれると捉えておいた方が良いです。機械学習の歴史、アルゴリズム、課題、技術動向、果ては法律や倫理問題まで何でも出ます。ただし、知識問題なので数式を解くような難解なものや実装に関するものは出題されません。

受験後1週間程度で合否のメールが来ます。
なお、合格率は70%程度となっており、きちんと勉強すれば合格すること自体は難しくないと思います。

G検定を受けるメリットはあるの?

G検定合格!即昇進!ということはありませんが、「ディープラーニングを事業に活かすための知識」を有している人材(ジェネラリスト)であることの証として、第3次AIブーム中の昨今は何かしらの助けになる…ような気がします。

少なくとも、私は広く浅い知識を体系的に学ぶことができたという点で受験して良かったと感じています。
機械学習・AIに関する書籍は数多くありますが、ここまで広範囲の知識を扱うのはG検定だけだと思います。
これまで曖昧だった知識を繋ぎ合わせたり、自分が知らなかった・弱かった知識を確認することができました。
G検定を受験まではしなくとも、関連する参考書を読むだけでも得るものはあると思います。

また、G検定またはE資格に合格するとJDLA主催の合格者コミュニティに招待されます。
これまでの合格者約15,000名が参加する巨大なコミュニティで、技術的・ビジネス的な相談をすることができます。
今後も試験の度にメンバ数は増加すると思いますので、今のうちに参加しておいた方が良いのでは!?

さぁ、お勉強(試験対策)の時間だ

G検定に興味が湧いてきたそこの貴方が気になるのは、じゃあどうすれば合格できるのか、ということでしょう。
なにせ1問あたり30秒程度で回答する必要があるので、事前の勉強は不可欠です。

G検定では過去の試験問題は非公開となっていますので、私が受験した JDLA Deep Learning for GENERAL 2019#3 のみの情報となりますが、試験問題は大別して以下の分類ができます。

①参考書に載っている問題」と「②参考書に載っていない問題」です。

参考書に無い内容が試験に出るのかと思われるかもしれませんが、最新の技術動向や法律、国際会議の内容なども出題されるため、書籍になる前に問題として出される可能性があります。
(体感ですが)試験問題の割合としても、①参考書に載っている問題が75%程度、②参考書に載っていない問題が25%程度で、50問程度は参考書に無い問題を解くことになります。
先程「1問あたり30秒程度で回答する」と記載しましたが、現実的には①の問題を可能な限り即答し、②の問題を調べる時間を捻出するようにしないと間に合わないと思います。(私は間に合いませんでした)

①参考書に載っている問題の対策

文字通り参考書を読んだり、問題集を解けば対策できる試験問題です。
機械学習の歴史、アルゴリズム、課題など範囲は広いですが、問題集の内容がほぼそのまま出ることもあるので、対策はし易い方だと思います。

私が利用した参考書は以下の4つになります。
他の方のG検定受験記にも良く登場する参考書であるため、スタンダードな組み合わせだと思いますし、これで必要十分だと感じました。

①-1. 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト
①-2. 徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集
①-3. 人工知能勉強会 Study-AI G検定 模擬テスト
①-4. ゼロから作るDeep-Learning-―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

①-1. 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト は、JDLA監修の公式テキストであり、G検定のシラバスの詳細版といった感じの参考書です。
読み物として良く纏まっており、図が豊富で数式もほぼ無いので初学者にも安心な内容になっています。
ただ、紙数の都合のためか説明が省略される箇所も散見されるので、他の文献で調べる必要がある部分があります。
また、G検定の教本ではあるのですが、直接的な対策になるかと言うとやや疑問が残る内容となっています。
特に練習問題は数も少なく、問題文の直後に解答が記載されていて自然と解答が目に入ってしまう構成になっており、問題集としては余り力を入れていないようにも感じました。
一読しておくとG検定に対する理解を深めることができますが、全体の傾向が掴めたら別の問題集などに時間を割いた方が良いと思います。

①-2. 徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集 は、G検定の問題集です。
この参考書の素晴らしい点は、正答のみならず、誤答にも解説が付いていることです。
試験本番では、ほぼそのままの内容で出題される問題もありましたが、改変されて別の選択肢が正答となるような問題も出題されており、誤答の解説にも目を通しておくことで対応することができました。
解答の解説も非常に丁寧なので、手始めにこの参考書から取り組み、不明点が出てきたら別の文献を読むようにしても良いかもしれません。
理由を付けて正答、誤答を判別できるようになるまで繰り返して、この参考書の問題を解くことをお勧めします。

①-3. 人工知能勉強会 Study-AI G検定 模擬テスト は、人工知能勉強会が提供するG検定の問題集です。
G検定の模擬テストとして無料公開されており、メールアドレスを登録すると利用できます。
実際、①-2のみでは練習量として不足していますので、こちらも利用して即答できる問題を積み上げた方が良いです。
また、模擬テストとあるように出題形式も本番と似通っていますので、ブラウザ上での回答操作の練習にもなります。
ただし、解答の解説が無いものも多く、バグなのか選択肢に正答が表示されない問題もあったりするので、ある程度勉強してから挑戦した方が良いと思います。

①-4. ゼロから作るDeep-Learning-―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装 は、実装を通してディープラーニングを学ぶ参考書です。
G検定と直接的な関係はありませんが、ディープラーニングの仕組みを理解するための補足資料として分かりやすい内容となっています。
手を動かして理解することで、ディープラーニングの動きをイメージし易くなります。

②参考書に載っていない問題の対策

直近1~2年以内の技術動向や法律、国際会議の内容など、書籍化されていない内容も出題されます。
機械学習分野の研究に従事している等、日常的に情報収集されていれば即答できる内容かもしれませんが、普段は余り機械学習に接していなかったり、フレームワークを利用しているだけだったりすると、試験で初めて目にする単語に対して回答することになる可能性があります。
その場合は、「①参考書に載っている問題」を即答することにより捻出した時間で試験中に調べることになります。
基本的には時事問題のような傾向があるので、技術動向であればILSVRC等のコンペティションで話題になったモデルであったり、法律であれば自動運転や自律型致死性兵器(LAWS)、シンギュラリティといったものについて調査しておくと役立つかもしれません。
また、法律や国際会議、ロードマップについては海外の話題も出題される傾向にあるので、注意が必要です。

いよいよ本番!どう解けば良いんだ!

さて、試験申し込みをして、バッチリ対策もできて(できていなくても)、試験当日を迎えたら本番です!
後は自分を信じて頑張ってください!と言いたい所ですが、実際に受験した身からすると幾つか注意点があります。
G検定は時間との勝負でもあるので、以下の内容に注意すると多少は余裕が出てくるのではないかと思います。

  1. 試験会場は集中できる、かつ調べ物ができる場所か
  2. 試験開始は開始ボタンを押した瞬間からになる
  3. まずは全問一周しよう
  4. 問題のチェックリストを活用しよう

1 の 試験会場は集中できる、かつ調べ物ができる場所か は、G検定が自宅受験であることから生じる注意点です。
試験時間である2時間の間、G検定のみに集中できる環境になっているでしょうか。
何かアラームが鳴ったり、宅配便が来たりするかもしれません。同居人がいるなら予め断っておきましょう。
別に自宅にこだわる必要は無く、ネットカフェ等で受験しても構いません。
勉強に使用した参考書やノートを自由に閲覧し、快適にWeb検索ができれば大丈夫です。

2 の 試験開始は開始ボタンを押した瞬間からになる も自宅受験であることから生じる注意点です。
試験時間は13:00~15:00となっていますが、受験サイトには10分前からアクセスすることが可能です。
そして、試験の規約を読んで、開始ボタンを押したタイミングからタイマーが作動します。
つまり13:00前から試験を開始できるのです。
試験は13:00からだからと思い込んでいると出だしで微妙に躓くことになるので注意してください。

3 の まずは全問一周しよう は、前述の試験対策とも関係している注意点です。
設問の前半に「②参考書に載っていない問題」がある場合、そこで時間をかけてしまうと後半の問題に辿り着く前に時間切れとなってしまう可能性があります。
本番の試験では画面上に1問ずつ問題が出ており、次の問題へはボタンをクリックする必要があるので、ついつい目の前の問題に取り組んでしまいがちになりますが、とりあえずは一周して即答できる問題を片付けておくと精神的にも余裕が出てくると思います。

4 の 問題のチェックリストを活用しよう は、G検定の出題画面の左上にチェックボックスがあり、チェックを入れると出題画面と問題一覧画面で該当の問題にマークが付く機能です。
「まずは全問一周」で回答に不安がある問題にチェックを入れておくと、2周目で目印になるので便利です。
今後の試験でも同様の機能があるのかは分かりませんが、利用できるようであれば活用をお勧めします。
ちなみに、問題一覧を表示するボタンを押すと問題一覧画面になりますが、表示されるのは問題番号のみで問題文は出ないので、チェックリストが無いと不便ではあります。

おわりに

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
G検定に興味を持っていただけましたでしょうか。
次回の JDLA Deep Learning for GENERAL 2020 #1 は 2020年 3月14日 (土) 13:00 からになっています。
2020年 2月3日 (月) 申込開始予定なので、是非チャレンジしてみてください!


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